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最終更新日:2021.11.12 公開日:2021.11.12

水陸両用バスで楽しさ倍増!来春以降に楽しみたいダムツアー4選

陸上ではタイヤで走行し、水上では船として航行できる特殊自動車「水陸両用バス」。陸から水面にそのままダイブするスプラッシュ・インが可能なことから、水陸両用バスを使ったダム湖の遊覧ツアーが増えている。今は残念ながらシーズンオフだが、来春の再開に備えて、ダム湖遊覧を楽しめるツアーを4つご紹介しよう。

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YAMBAダックツアー:ダム湖遊覧の様子

YAMBAダックツアー:ダム湖遊覧の様子 ©2020 JAPAN AMPHIBIOUS VEHICLE ORGANIZATION

 観光用として目にする機会が増えてきた「水陸両用バス」は、その名の通り、陸上からも水上からも観光を楽しむことができるクルマだ。その水陸両用バスでダム湖を遊覧できるツアーは、普段入ることができない場所からダムや自然を眺望することができるとあって人気が高い。今回は、来春のツアー再開が楽しみな4つのダム湖ツアーを紹介。

湯西川ダックツアー(湯西川ダム)

湯西川ダム

湯西川ダム ©7maru – stock.adobe.com

 栃木県日光市にある湯西川ダムは、鬼怒川や利根川下流域の治水と利水のために建設された鬼怒川上流ダム群のひとつである。湯西川ダムは、2021年に完成したダムで、鬼怒川上流ダム群の中では最も新しい。重力式コンクリートダムにおける高速打設技術「巡航RCD工法」といった工法を採用したという。この、「巡航RCD工法」とは、打設速度の速い内部コンクリートを外部コンクリートよりも先行させることで、工期全体が短縮できる工法である。これにより、19か月という短期間での施工を実現したダムでもある。

湯西川ダックツアー:湯西川湖遊覧の様子

湯西川ダックツアー:湯西川ダムと湯西川湖遊覧の様子 ©2020 JAPAN AMPHIBIOUS VEHICLE ORGANIZATION

 この湯西川ダムのダム湖を遊覧する湯西川ダックツアーは、道の駅「湯西川」か観光センター「湯西川・水の郷」のいずれかを発着場所として選択できる。所要時間は約70分~80分。いずれの場合も、湯西川ダム湖クルーズと湯西川ダム施設の見学がコース内容に含まれており、山間の豊かな自然を陸路で楽しんだ後に、ダム湖「湯西川湖」へ入水していく。四季折々の色鮮やかな自然をバックに、ダム湖から雄大な堤防を見学することができる。

運行期間:4月23日~11月30日 ※2021年の場合

YAMBAダックツアー(八ッ場ダム)

八ッ場ダム

八ッ場ダム ©優太 大嶋 – stock.adobe.com

 吾妻川の中流域にある八ッ場ダムは、神奈川県を除く関東1都5県の水がめの役割を担っている。ダム建設に際し、「建設中止」か「予定通り建設」かの議論が巻き起こったことでも話題となったのでご存じの人も多いと思う。1952年の計画発表当時から完成に至るまでには、紆余曲折を経て実に半世紀以上経ち、ついに2020年3月に八ッ場ダムが完成した。ダムファン有志により選考される「日本ダムアワード2019」を受賞したダムマニア注目のスポットでもある。

YAMBAダックツアー:八ッ場あがつま湖への入水シーン

YAMBAダックツアー:八ッ場あがつま湖への入水シーン ©2020 JAPAN AMPHIBIOUS VEHICLE ORGANIZATION

 この八ッ場ダム周辺には、現在、ダム堤体見学や展望スペース、湖畔のキャンプ場などさまざまな施設がオープンしている。その中でも、水陸両用バスツアーの「YAMBAダックツアー」は自然豊かな湖岸道とダム湖である「八ッ場あがつま湖」遊覧を楽しむことができる注目のツアーだ。約70分のツアー中の最大の見せ場は、スロープからダム湖へのスプラッシュ・イン。フロントガラス全体を覆う水しぶきを目の当たりにする大迫力を味わうことができる。半世紀以上かけて完成した八ッ場ダムの雄大な姿を水上から眺めるには、絶好のおすすめスポットだ。

運行期間:6月1日~11月30日 ※2021年の場合

水陸両用バスin長井ダム百秋湖

長井ダム

長井ダム ©maso11 – stock.adobe.com

 長井ダムは、2011年、山形県長井市で最上川に合流する置賜野川に建設されたダムだ。堤高125.5m、長さ381m、総貯水容量5100万トンで、県内はもとより東北でも屈指の規模を誇る重力式コンクリートダムである。ダム湖「ながい百秋湖」の由来は、所在地である長井市と「古事記」の一節である「豊葦原之千秋長五百秋之水穂国(とよのあしはらのちあきのながいほあきのみずほのくに)」から採った「百秋」に因んでいるという。この一節の意味は、「稲穂の実る美しい日本が、500年も1000年も続いてほしい」であり、長井の地域がいつまでも美しくあるようにという願いが込められているのだそう。

水陸両用バスin長井ダム百秋湖:ながい百秋湖遊覧の様子

水陸両用バスin長井ダム百秋湖:ながい百秋湖遊覧の様子 出典=(一社)やまがたアルカディア観光局

 そんな美しい自然に囲まれたながい百秋湖を遊覧できるツアー「水陸両用バスin長井ダム百秋湖」は、道の駅「川のみなと長井」を出発して約10kmの陸路を走行した後、ながい百秋湖へと入水する約75分のコース。このツアーで利用される水陸両用バスは座席に窓が無いので、陸路からスロープを使った迫力満点のスプラッシュ・インではアトラクションさながらの水しぶきを直に体感することができる。

 もうひとつ、ながい百秋湖といえば断崖絶壁が連なる秘境・三淵渓谷も有名だ。龍神が住むといわれている三淵は、かつて多くの修験者が集まる山岳信仰の聖域でもあったという。残念ながら水陸両用バスのツアーでは三淵渓谷へ行くことはできないが、ボート「参拝」ツアーなども実施されているので、興味がある人はぜひこちらも参加してみてはいかがだろうか。

運行期間:5月21日~8月8日 ※2021年の場合

ニシメヤ・ダムレイクツアー(津軽ダム)

津軽ダム

津軽ダム ©photo 34 – stock.adobe.com

 津軽ダムは青森県中津軽郡西目屋村に位置する、一級河川・岩木川本流上流部に建設されたダムだ。青森県最大の河川である岩木川は、「母なる川」として流域住民の生活には欠かせない河川であると同時に、たびたび大雨や融雪によって洪水が発生していた。一方で天候によっては水不足にも陥りやすい土地であったため、安定した農業用水を含む治水・利水を目的に目屋(めや)ダムが1960年に建設された。しかしその後も度重なる水害や水不足などが続いたことで再開発が求められ、2017年、約60m下流に新たに建設されたのが津軽ダムである。既設ダムとの距離がこれほど近い再開発ダムは国内でも希少だという。ちなみに、津軽ダムの完成で、目屋ダムは水没した。

ニシメヤ・ダムレイクツアー:津軽白神湖へのスプラッシュ・インの様子

ニシメヤ・ダムレイクツアー:津軽白神湖へのスプラッシュ・インの様子 出典=(一財)ブナの里 白神公社 津軽白神ツアー

 さて、このダムによって形成されたダム湖は、世界遺産・白神山地にちなんで「津軽白神湖」と名付けられている。ニシメヤ・ダムレイクツアーでは、世界最大級の原生的なブナ林を約40分走行。その後、津軽白神湖へとダイブして約20分間の遊覧を楽しむことができる。このツアーで使用されている水陸両用バスも、座席に窓が無いので入水時には大迫力の水しぶきが体験可能だ。普段は入ることができないダム湖から眺めることで、白神山地が織り成す自然の新たな魅力に触れることができそうだ。

運行期間:4月29日~10月31日 ※2021年の場合

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