太平洋を見下ろす「清澄山道ループ橋」開通。工期20年、千葉外房の新名所誕生!
20年の工事を経て、2021年9月13日、千葉県道81号に「清澄山道ループ橋」が開通した。千葉県ではこれにより災害に強いルート確保による防災力の向上が見込めるとしている。また、周辺には観光スポットも多く、魅力的なドライブルートにもなりそうだ。
海を展望できるループ橋が開通。防災効果にも期待
道路が立体交差して360度ぐるっと廻るループ橋。高速道路のインターチェンジやジャンクションにはよくあるが、一般道となると珍しい。
そんなループ橋が、千葉県鴨川市に新しく完成した。道路拡幅やバイパス整備が行われてきた千葉県市原市牛久から鴨川市を結ぶ千葉県道81号において、最後まで未整備で残っていた「清澄山道ループ橋」(0.7km)が、9月13日11時、ついに開通したのである。
整備前の道は、幅員が狭小で車両のすれ違いに支障をきたしていた。また、急峻な地形のため降雨の影響も受けやすく、土砂崩れや倒木などでたびたび通行規止めが発生することがあったという。そこで、千葉県は1991年度から改良工事に着手。起点からループ橋手前までの約1kmと終点側の約0.8kmの区間が、2000年度までに供用開始したのだが、ループ橋部分の開通が残される形になっていた。
今回開通したループ橋を含むバイパス区間は、2001年度から工事に着手。20年かけて、道幅拡幅やのり面の整備等が行われてきた。今回完成した区間は、2車線で幅員7.5m、そのうちループ橋区間は192mとなる。
当初の予定では、近隣の清澄寺で行われる日蓮大聖人御降誕800年に合わせて2月に開通予定だったが、新型コロナの影響で人員の確保が難しくなり、半年ほど遅れた9月の開通となった。ドライブに気持ちのいい道路の誕生というだけでなく、千葉県では、整備完了により災害に強いルートが確保できたとし、防災力の向上も効果として挙げている。千葉県担当者は「君津市へ抜ける方面では未整備区間もありますが、日常的に利用される方々のために、今後も安全・安心な道づくりのための整備を進めていきます」と語ってくれた。
ちなみに、ループ橋からは走行中に海を一望することもでき、既にツーリングやドライブコースとして楽しんでいる人も多く見受けられる。周辺には、日蓮大聖人が出家得度したので有名な清澄寺や、遊覧船から鯛の群泳が見られる鯛の浦、紅葉の名所である四方木不動滝などもあるので、東京から日帰りで行ける秋のドライブ候補地にもなりそうだ。