クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

Cars

最終更新日:2021.07.08 公開日:2021.07.08

1台で電動バイクと自転車の切り替えが可能に。「モビチェン」 glafitが今秋発売

glafit株式会社は、同社製ぺダル付電動バイクに「モビリティ・カテゴリー・チェンジャー」、通称「モビチェン」を装着することで、ユーザーが公道上で自転車に切り替えて使うことが可能になったと発表した。警察庁が同内容を認める通達を発出したという。

記事の画像ギャラリーを見る

電動バイクだけど、「モビチェン」装着で自転車にも

「モビチェン」機構の自転車モード

 和歌山県を拠点として電動バイクなどを製造販売するglafit株式会社(グラフィット)は、2017年にハイブリットバイク GFR(GFR)と呼ぶ電動バイクのGFR-01、2020年にはGFR-02を発表した。ハイブリットといっても、電気でもガソリンでも走れるという意味のハイブリットではなく、漕ぐためのペダルが付いた電動バイクで、エンジンを切っても、自転車のようにペダルを漕いで走行することができることからハイブリットと呼ばれている。過去には広く「モペット」などとも呼ばれていた種類の乗り物だ。ただし、道路交通法上は原付扱いになるため、自転車として走っていても免許やヘルメットの着用が必要であった。

モビチェンの操作:左ボタンを押しながら右ボタンを押すと自動でカバーがかかる。

 7月2日、グラフィットは、GFRに「モビリティ・カテゴリー・チェンジャー」、略称「モビチェン」と呼ばれる機構を装着することで、電動バイクと自転車の区分切替えを認める通達が、警察庁から発出されたと発表した。

 モビチェンとは、該当車輌が、電動バイクとして走っているのか(電動バイクモード)、自転車として走っているのか(自転車モード)が第三者にも容易に判別できるよう、ナンバープレートを切り替える仕組みだ。具体的には、電動バイクモードの際には通常のナンバープレート、自転車モードの際には自転車マークのピクトグラム(イラストマーク)が描かれたカバーで、ナンバープレートを覆う仕組みになっている。切り替えは、エンジンを切った状態で停車中のみ可能で、これは自転車走行を装った電動バイクとしての走行を防ぐためだ。

 従来から同社は、自転車モード時のGFRを法律上自転車として取り扱ってもらえるよう提案を重ね、和歌山市と共同でサンドボックス制度と呼ばれる限定的な規制緩和制度に申請し、2019年10月に経済産業省、警察庁、国土交通省から認定を受けた。その後開始した実証実験により実績を積み上げ、今回、正式に認められることになったわけである。

ペダル付電動バイクの車両区分 出典:glafit株式会社

 今般の変更により、道路交通法上は、自転車モードであれば自転車の通行区分で走行が可能となる。ただし、この変更が適用されるのは、現状ではモビチェンを装着したGFRのみで、他のペダル付き電動バイクは自転車として走ることはできない。モビチェンをGFR以外の車両に取り付けた場合も、自転車扱いにはならない。また、車両に関する法律である道路運送車両法上はあくまでも原付扱いのため、必ず自賠責保険の加入が必須である。もちろん任意保険も加入可能。

GFR-02のモビチェン機構について説明する鳴海代表取締役社長

 モビチェンの販売スケジュールについては、まずGFR-02へのオプション対応を行い、今年秋頃の販売を予定。その後、GFR-01への装着追加パーツを開発して、対応していくという。また、全国運用を開始するにあたり、グラフィットは、特に利用ユーザーが多い都道府県警と地元メディアを中心に、モビチェンの具体的な操作方法や安全対策などの説明と、試乗のキャラバンを開催する予定だ。(キャラバン予定:警視庁、千葉県警、埼玉県警、神奈川県警、静岡県警、愛知県警、大阪府警、和歌山県警、京都府警、兵庫県警、福岡県警)

 グラフィットの鳴海代表取締役社長は、「モビチェンを活用した新たなモビリティも開発していきたい」と語った。その上で同社は、ハイブリットバイクの普及促進のため、企業の特許ライセンス提供の検討も進めていく意向で、車両区分の切替えをともなうモビリティ分野の拡大を目指していくという。

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

Campaign

応募はこちら!(1月5日まで)
応募はこちら!(1月5日まで)