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最終更新日:2023.01.02 公開日:2023.01.02

2023年は物価高騰でクルマのサブスクに注目が集まる!?

この数年、カーシェアやカーリース、さらにはサブスクとクルマの利用の仕方が広がった。引き続き、物価高騰の波が押し寄せそうな2023年。自宅にクルマは必要か不要かの議論は、さらに白熱しそうでもある。そのような中、新しいクルマの利用方法であるサブスクは、どのように捉えられているのだろうか。2023年はクルマのサブスク普及の年となるのか。アンケート結果からみてみよう。

文=原田磨由子
資料=KINTO

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クルマとの付き合い方を再確認

(c)forkART Photography – stock.adobe.com

 クルマを所有する・しないの議論が尽きない中、物価高騰化においては、さらに人々の心境に変化をもたらしているようだ。そこで、いまクルマに乗る手段はどのような選択肢があるのか、改めて確認しておこう。

クルマを所有
■新車を購入
……最新技術や安全機能が搭載されたピカピカのクルマに乗れる。ただし、車両代金、法定費用、諸費用が購入時に発生するため、初期コストの負担が大きい。現状では半導体やパーツ不足などの影響で納車に時間がかかる場合も。

■中古車を購入……最新モデルから旧車まで幅広い選択肢があり、車両価格は安い傾向にある。ただし、在庫や価格は流動的。また、新車と異なり保証が付かず、不具合への不安や、修理費用の発生がある程度前提となる。近年では新車不足の影響で需要が増え、価格が高騰する傾向にある。

クルマを非所有
■レンタカー
……必要なときに必要な時間だけ乗ることが可能。車種やクラスの選択肢は比較的多め。ただし、短距離ではタクシーやカーシェアに、長期間や高頻度での利用では所有車にコスト面で劣る。

■カーシェア……人と対面することがなく、24時間いつでも予約・乗車・返却ができ、分単位でレンタルが可能。ただし、車種の選択肢は少なく、ステーションも都心部に集中している。また、長距離ではレンタカーの方が得する場合が多い。

■送迎サービス……タクシー・ハイヤー・介護移動サービスなどが代表的で、利用者は運転せずにクルマに乗ることができる。最近は定額で乗り放題のタクシーなども登場している。ただし、ドライバーのサービス料も加算されるため、距離単価は高くなる。

クルマの所有・非所有を後から選択可(契約中は非所有扱い)
■サブスクリプションサービス(以下、サブスク)……頭金なしで、保険・維持費もまとめて月額に含まれているため、初期コストが低い。また、月額もローンより低額で、多くの場合は新車を選べる。契約期間満了時に、更新・終了・乗り換え・差額分を支払ってクルマを購入など、クルマとの相性を確認した後にも選択肢があることが特徴。ただし、一定期間内の走行距離制限や、中途解約の違約金発生に、購入する場合は一括購入より高額な傾向にあるといった側面もある。

■カーリース……サブスクとの違いは、自社メーカーによるサービスがサブスク、リース会社によるサービスがカーリースと呼ばれる。車種が豊富でメーカーの選択肢もあるのはカーリースならでは。契約期間や特典などで違いがあるが、利用内容はサブスクとほぼ同等。

今回の主役は「サブスク」

 この中で「サブスク」が新しいクルマの付き合い方としてサービスがスタートしているが、まだまだ認知度は低いようだ。

 サブスクサービスを展開するKINTOは20〜50代の男女400名を対象に「物価高騰下におけるクルマの利用意向」に関する意識調査を実施している。その結果、物価高騰・商品価格の値上げで消費行動が変化するなか、クルマに対する消費の考え方も変化していることが分かっているので紹介しよう。

 今回の調査結果からは、昨今の物価高騰のあおりを受けて、2人に1人の消費行動に変化があることや、クルマにかけるお金を節約したいと考える人が63.5%もいることが分かっている。主な調査結果は以下の通りだ。

物価高騰への反応は妥当?

Q1:物価高騰を受けて消費者行動が変化しましたか?(年代別)

 50代を除けば、5割以上の人の消費行動が変化していることが判明した。特に価値観が形成されていく20代では、6割以上が敏感に反応して自身の消費行動を変化させている印象だ。50代になると消費行動を固定している人が多くなるのか、半数を下回る結果となっている。全体的には特に違和感を感じぬ数字ではないだろうか。

Q2: 値上げされたらクルマの消費意識はどう変化しますか?(選択式)

 これに対し、クルマにかけるお金を節約したいと考える人が63.5%いることが明らかになった。物価高騰下においては、購入・維持費が大きいクルマから節約しようと考えるのは何ら違和感はない。逆に、値上げされてもクルマへの消費意識が変わらない人が36.5%もいるのは、とても明るい結果のように感じた。

サブスクの利用は賛否が真っ二つ!

Q4: クルマのサブスク利用意向について(選択式

 この質問には、利用に前向きな回答が42.6%という結果になっている。記事内では省略しているがQ3の質問で、そもそも「クルマのサブスク」の存在を知っているかという問いに対し、認知している人は34.5%に留まっていたことから、「特に理由はないが利用したくない」意見が30.8%という結果は、そもそもサービス内容を把握していない可能性が高そうだ。結果、57.6%の人が利用に対して後ろ向きな考えを持っていることになっている。

 また、現在クルマを所有していない人に絞ってみると、 利用意向があると回答した人は51.0%と8.4ポイントが増加。クルマのサブスクはクルマを所有していない人の方が関心が高いことが分かった。

次のページでは
サブスクの魅力と不安要素を紹介!

サブスクの魅力と不安要素

Q6: クルマのサブスク利用意向がある人について

 クルマのサブスク利用意向者に魅力について質問したところ、「初期費用が少なくて済むのが良い」が35.8%、「税金、任意保険料、メンテナンス費などのクルマに関わる費用が一括で含まれているのが良い」と回答した人が34.5%となった。全体的な傾向として、費用のお得感を魅力に感じる人が多いことが分かる。しかし「実際にクルマを購入するよりお得」か否かは場合によって異なるため、この認識は危うい可能性もある。

Q7: クルマのサブスクを利用意向のない人について

 次に、クルマのサブスクの利用意向がない人へ「クルマのサブスクを採用しない理由」を質問したところ、「割高になりそうなことが気になる」が27.0%、「自身の所有物にならないのが気になる」が25.0%、「毎月支払いするのが気になる」が19.0%、「クルマは長期で利用したいのでそこが気になる」が18.7%、「手続きが面倒そうなのが気になる」が13.9%という結果に。毎月の支払いについては肯定派の理由の「計算しやすさ」と重複しているので、単純に性格の差なのかもしれない。また、手続きについても新車を購入するよりも楽であることもサブスクの利点なので、そもそもクルマを利用することにあまり積極的な考えを持っていない可能性がある。

どうなればサブスクを利用してくれそう?

Q8: クルマのサブスク利用を促進する・後押しする要因は?

 こちらについては「もっと経済的なメリットがあれば利用してみたい」が66.5%、「もっとサービス内容がわかりやすくなれば利用してみたい」が60.5%。消費者が求めるのは「お得感」と「分かりやすさ」という真っ当な意見だ。クルマを所有するよりお得感が売りのサブスクサービスであったとしても、仕組みの複雑さ・分かりにくさがボトルネックになっている可能性がある。

複雑化の先にあるものは……

 この物価高騰下において、2人に1人の消費行動が変化し、クルマにかけるお金を節約したい人が増えている。そういった人たちのニーズに応えるべく、こうしてさまざまなクルマのサービスが登場してきているのだが、かなり複雑化している印象もある。問7にもあった、クルマのサブスクを利用するつもりがない理由に「〇〇が気になる」という回答ばかりが並んだように、しっかりと調べないとサービスの利点と落とし穴に気付きにくく、ユーザーを混乱させている気がしてならない。

 クルマ所有の必要性を問うマイカー論争は相変わらず終わりが見えないが、クルマに乗りながら、後出しで所有か非所有を選べるクルマのサブスクの考えは面白いと思う。今後は新・中古車価格が値上がりするなか、いかにお得感の訴求をすることが、利用者の増加を加速させるカギとなることだろう。

物価高騰下におけるクルマのサブスク利用意向に関する意識調査 概要
調査方法:楽天リサーチによるインターネット調査
調査期間:2022年11月22日〜同年11月24日
有効回答:全国20〜59歳の男女400名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入

すべてのアンケート調査結果は
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