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最終更新日:2021.10.01 公開日:2021.10.01

再びスケートリンクでEVカート。2回目は一般参加で盛り上がった「SDGs ERK on ICE」を紹介

電気カートでスケートリンクの氷上を走る「SDGs ERK on ICE」。その第2回が、2021年9月23日に新横浜スケートセンターで開催された。昨年の第1回大会は、自動車メディアのチームで競われたが、今回は一般参加ができる競技を開催。大会当日は30度を超える真夏日の秋分の日だったが、ヒンヤリとした屋内のスケートリンクで熱き戦いが繰り広げられた。

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2回は一般参加のレースを開催

熱きレースを繰り広げた第2回「SDGs ERK on ICE」氷上電気カート競技会 写真=小林祐史

 2021年923日の秋分の日に、新横浜アイススケートセンターで第2回「SDGs ERK on ICE」氷上電気カート競技会(主催:一般社団法人 日本EVクラブ)が開催された。同競技会は、アイススケートリンクに1100mのオーバルコースを設定し、特製スパイクタイヤを履いた4台の電気レーシングカート(ERK)が順位を競うものだ。

 昨年の2020103日に第1回として「SDGs ERK on ICE~氷上の電気レーシングカートの祭典」が同会場で開催されたが、その時の参加者は、自動車メディアのジャーナリスト、編集者などいった関係者のみに限定されていた。しかし、今大会では事前に一般参加を募集。その参加者たちのカートやモータースポーツの経験に応じて、ビギナークラス、エキスパートクラス、マスタークラスの3クラスに分かれてレースを行った。

 ビギナークラス、エキスパートクラスの競技は、先導車付きで周回した後に、ローリングスタートもしくは一旦停止してグリッドからスタート。その後12周で順位を競った。

 特製スパイクタイヤを履いているとはいえ、アクセル操作をラフにすると簡単にスピンするため、ビギナークラスの参加者たちの悪戦苦闘する姿が見られた。対してエキスパートクラスは公式のカートレース経験者やカートコース走行経験者なので、華麗にカウンターを決めながらコーナーを立ち上がる姿を見せる参加者もあったが、リアが流れ過ぎると修正できずにスピンするという姿も。どうやら繊細なアクセル・ハンドルワークが必要なようだ。

アイススケートリンクで、氷片を巻き上げながらドリフトする電気カート 写真=小林祐史


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マスタークラスの優勝を左右した能力とは

マスタークラスのレースシーン 写真=小林祐史

 一方のマスタークラスの一般参加者は、各種モータースポーツの出場経験もしくは相応の運転テクニックを持つドライバーに限られた。それら一般参加者に加え、自動車ジャーナリストを含むメディアチームが参加する。

 レース形式も変わっており、まず一般参加者同士、自動車メディア同士で21組のチームを8組結成。その8組がトーナメント式で勝敗を競うのだが、ただライバルを追い越すだけではないツインパシュート(追い越し戦)形式で競われた。

 ツインパシュートは、1チーム2台、2チーム4台で競うのだが、まずスタートは、オーバルコースの両サイドに設けた2つのスタート/ゴールラインに、各チームが分かれて並ぶ。競技は3周で行われ、ラストの3周目に先に2台がゴールした方が勝ちだ。ただし、2周目にチーム内でトップを交代するという条件がある。

 このトップ交代がスムーズに行えるかが勝敗を左右した。優勝したチームはカートレースの実績がある一般参加者の2人だったが、SNSで事前に綿密な作戦を立てたという。これが功を奏して優勝を掴んだ。

作戦が勝敗を左右する奥深いレース

 電気カートは、氷上で1100mという狭いところを走行するため最高速度は抑えるセッティングがされている。しかしアスファルトのようにはグリップせず、ちょっとアクセルやハンドルをラフに扱うと簡単にスピンする。そのため繊細なコントロール術が必要だ。しかも、ツインパシュートというルールは、チーム内でのコミュニケーション力も要求される。もし今後も一般参加者による大会が継続されれば、さまざまなドライビングテクニックやレース戦術が生まれてきそうだ。

 このような奥深いレースカテゴリーである「SDGs ERK on ICE」。電気カートで競われるため、走行時にはCO2の排出がなく、SDGs(持続可能な開発目標/SDGsSustainable Development Goals)という昨今の環境テーマにもマッチしたモータースポーツでもある。今後の開催は未定だが、気になる方はオフィシャルサイトを覗いてほしい。

氷上電気カート競技会に使用された電気カート 写真=小林祐史

電気カートの装着された特製スパイクタイヤ 写真=小林祐史

2回「SDGs ERK on ICE」氷上電気カート競技会の参加者 写真=荒川正幸


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