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クルマ2022.01.22

堺正章さんも愛車マセラティで参加! コロナ禍でも負けないクルマ好きたちの輪

新型コロナウイルスに負けるな! マセラティのファンミーティング「マセラティディ」が2年ぶりの開催。コロナ禍の影響でクルマ好きたちのライフワークはどう変わった? カー・ヒストリアンの越湖信一氏がレポートする。

文と写真=越湖信一

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プラザ広場に並んだ歴代のマセラティ。自動車イベント、徐々に復活中!?

 コロナ禍のもと、スーパーカー界にも大きな変化が見られた。ひとつは、最新のハイパフォーマンスカーやクラシックカー市場が活況を呈しているということだ。

「納車が遅れているということもあり、在庫車がどんどん無くなっていきました。うれしいことでもありますが、大きな数量をさばかなければならないブランドは品不足で厳しいでしょう」と某カーディーラーのマネージャーは語る。デリバリーがスローダウンし、物が手に入れにくくなると皆が欲しがるというのは、コロナ禍の新たな局面だ。

 さらに、人生の最終目標として”いつかはスーパーカーを手に入れたい”と考えていた人たちも、このコロナ禍に巻き込まれたことで考え方が変わってきた。いくら経済的に余裕が出来ても、クルマを運転することも厳しい健康状態になってしまったら元も子もない。だから無理してでも今のうちに、早いうちに手に入れようという気持ちになってしまう。そんな訳でスーパーカーのマーケットは大いに盛り上がり、販売、メインテナンス、カスタマイズといった多くの業種は大忙しなのだ。

 一方で、これまで日を追うごとに増えていった各種自動車イベントは”3密”を避けるという観点で多くが中止となってしまった。クルマ趣味もただ一人で走っているだけではつまらないし、ネット上での活動だけでは行き詰まってしまう。

 筆者が関与しているスーパーカーの集まりでも、ツーリングや食事会、泊まりがけのイベントなど2019年春以降、ほとんどが開催取りやめとなった。ただ走るだけならクルマは安全な場所かもしれないが、イベントにおいて人間同士の接触をゼロにすることは不可能だ。未知のウイルスに対して最大限の安全策をとるという点で、自動車イベントの自粛は避けられないものであったし、多くの方々が厳しい環境にある中、派手に見られがちな趣味活動は避けるべきだという考えももっともである。

 しかし2020年になりウイルスの実態が少しずつ解ってくると、私たちの行動様式も変化してきたし、同時に経済活動を止めてはいけないという世論も大きくなってきた。このトレンドは昨年に何回かビジネスト訪問をしたヨーロッパでより明確であった。またこれまで幾多もの障害をものともせず続けられてきた長いイベントの歴史を止めてはならないという強い思い入れもそこにあった。多少のリスクや非難は覚悟の上という訳だ。

 であるから、歴史的な公道ラリーのミッレミリアもイタリアで開催されたし、イギリスのグッドウッドにおけるイベントも大いに盛り上がった。そして日本でもつい先日、オートサロンが2年ぶりのリアル開催となった。

コロナ禍でのイベント開催の難しさ

27回目の開催を迎えたマセラティディのアートワーク。

今回で27回目の開催を迎えたマセラティ・デイのイベントポスター

 さて、筆者が関与しているマセラティ・クラブ・オブ・ジャパン(以下MCJ)では、秋口に日本全国から会員が集う年間最大のイベント、「マセラティ・デイ」を毎年開催している。クラブ創立以来、欠かすこと無くこのイベントは続いていたのだが、2020年はいろいろな選択肢を模索したものの、条件が合わず中止とした。

 しかし、2021年は秋口に感染状況も急激に改善され、開催予定地におけるイベント開催に関するルールの緩和がアナウンスされた為、このタイミングを逃すまいと急遽開催を決定した。

 100名レベルの宿泊やディナー会場を確保するにあたっては、直前の中止など不慮の事態が発生した時の経済的リスクも考えなければならないから頭が痛い。そこで、いつもとは違い、事前にメンバーから参加状況のアンケートを取ることとした。コロナ禍かつ急遽開催という厳しい条件の中で、どのくらいのメンバーが参加してくれるだろうか。もし参加者が少なければ、今回も中止しようとも思っていた。

 しかし、蓋を開けてみれば、日本全国の多くのメンバーから参加希望のメッセージが届いた。久しぶりに仲間と会い、クルマも存分に走らせたいという気持ちが、送られてきたコメントから伝わってきた。

 ファミリーでの参加をモットーとしているMCJにおいて、今回は27回目のマセラティ・デイだ。イベントがはじまった頃、まだ小さかった子供たちも既に成人を迎えている。そうそう、今回は一歳に満たないかわいいベビーの参加もあった。

パシフィコ横浜プラザ広場に、2日間にわたって並んだマセラティたち

パシフィコ横浜プラザ広場に、2日間にわたって並んだマセラティたち

難易度が高い? クラシックなマセラティの世界

生誕50周年を迎えたマセラティ・ボーラ。

生誕50周年を迎えたマセラティ・ボーラ

 今回のマセラティ・デイは、11月20日(土)~21日(日)の週末に横浜みなとみらいベイエリアにての開催となった。このエリアを選択したのは後述するひとつの”仕掛け”も理由のひとつだが、メディアの撮影にもしばしば用いられるパシフィコ横浜プラザ広場を2日間に渡って占有できたということが最大の理由だ。

 この手のイベントで重要なポイントは、”絵になる”パーキングスペースだ。ロケーションが良いだけでなく、たくさんの車両が安全に出入りできて、かつセキュリティも確保される必要がある。どんな素敵な宿泊施設を確保できても、パーキングスペースの環境が良くないと参加者達の満足度は下がってしまう。

 果たしてコロナ禍による急遽のアナウンスにも関わらず、イベント参加者は100人に迫る勢いで、九州や北陸などからの遠征もあった。会場にはマセラティ兄弟が最後に関与したレースマシンであるA6GCSから最新モデルまでが勢揃いし、メンバーの愛車を前にオーナーと筆者の掛け合いによる”愛車最新情報トーク”で会場は盛り上がった。

 今回のマセラティ・デイのテーマのひとつは、マセラティ・ボーラ生誕50周年だ。2台のボーラが参加し、手作りのクルマならではの個体差を比較するマニアックな観察に皆は夢中になった。ボーラはシトロエン経営陣の撤退や、デ・トマソによるマネージメントの開始など、複雑な状況下と重なり、実質的には2年半余りしか本格的な生産が行われず、現存する台数も限られているが、思いの外多くの個体が日本に生息する。賛否が別れるLHM(シトロエン高圧システム=いわゆるハイドロニューマチック)の採用だが、そのコンポーネンツは汎用性もあり、今となってはさほど難易度も高くない。

キャブレター仕様の初期型ビトゥルボ。

キャブレター仕様の初期型ビトゥルボ

 もうひとつテーマは、ビトゥルボ生誕40周年だ。マセラティとして初の本格的量産に取り組んだモデルであり、多くの革新的な技術が取り入れられ、また効率的生産設備の開発にも多くの資金が投入されたエポックメーキングなモデルである。モデル後半では日本がその最大のマーケットとなったビトゥルボ・ファミリーだが、世界中に根強いファンが存在し、重要なネオクラシックモデルとしてさらに注目を集めている。

 今回はその最初期モデルのひとつであるキャブレター仕様のビトゥルボEの美しい個体をはじめとして、ギブリⅡ、3200GTへ至るビトゥルボ・ファミリーの総ラインナップを楽しむことができた。クラシックモデルでは直6系のA6GCSセブリング、ミストラルのクーペ&スパイダー、ギブリ、ギブリ・スパイダー、インディなどが参加し、もちろんクアトロポルテやギブリ、レヴァンテなどの現行モデルの姿も見られた。

初期ビトゥルボの加圧式キャブレターチャンバー。

初期ビトゥルボの加圧式キャブレターチャンバー

今年はコロナ終焉となるか?

横浜中心部でパレードランが行われた。

横浜中心部ではパレードランが行われた。

 夕刻となりヨコハマ グランド インターコンチネンタルホテルのボールルームへと会場を移し、イベントのハイライトであるガラディナーがスタート。感染予防には万全を尽くし、余裕ある着席レイアウトや進行への配慮を行ったことはもちろんである。スプマンテによって乾杯が行われ、マセラティ社CEOであるダヴィデ・グラッソ氏からMCJメンバーへのメッセージが届けられた。

 続いて、マセラティジャパンCEO、グレゴリーKアダムス氏によるマセラティ最新状況に関するスピーチが行われた後は、筆者によるボーラ生誕50周年、ビトゥルボ生誕40周年に関するヒストリカル・リサーチ、並びに本社マセラティクラシケの最新状況などを発表するレクチャータイムとなった。また、ビトゥルボ時代のインポーターであったガレーヂ伊太利屋の勝田社長によるビトゥルボ秘話にも会場は大いに沸き、1日目のプロクラムは終了した。

駐日イタリア大使もオフィシャルカーにてマセラティディに参加。

駐日イタリア大使もオフィシャルカーにてマセラティ・デイに参加。

 イベント2日目はベイブリッジを経由しての首都高、そして銀杏並木の美しい山下公園エリアを抜けてのパレードラン。クラシックモデルを先頭に、ゆったりとしたツーリングを楽しんだ。パレードラン終了後、再びプラザ広場に各車両は戻り、ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜へと移動。

 ここからマセラティジャパンとのコラボレーションによるプログラムがスタートする。エントランスには、届いたばかりのクアトロポルテ・トロフェオのフォリセリエ(カスタマイズ)モデルをはじめとした最新モデルがディスプレイ。ホテルのボールルームにはMC20が鎮座し、その詳細なレクチャーに続いて、メンバー達は三々五々、実車に触れながらのランチタイムを楽しんだ。

 再びプラザ広場へと戻り、駐日イタリア大使であるベネデッティ氏との楽しい会話を楽しみつつ、マセラティデイは閉会となった。例年と比較するとかなりイレギュラーな開催であったが、今年は例年にように”普通”のマセラティデイが開催できることを祈るばかりである。

A6GCSと共に参加者による集合写真。

2年ぶりの開催となった「マセラティ・デイ」に、堺正章さんもA6GCSで参加。

世界に1台だけのマセラティとは?

 今回のマセラティ・デイでは、コンクールデレガンスも開催された。グランプリとなったギブリⅡは、マセラティと密接な関係を持つイタリア・モデナの自動車工房、カロッツェリア・カンパーナがマセラティ本社とのコラボレーションし制作した限定モデルのプロトタイプ。

 長らくクラブ内にあったものの、しばらく不動のままであった世界に1台だけのこのモデルが、マセラティ・デイに向けて仕上げられ、その希少性とオーナーの情熱などが高い評価を受けた。なお、コンクールデレガンス主要受賞車両は以下の通り。

コンクールデレガンスでグランプリを受賞した、世界で1台のギブリⅡカンパーナ・スペチアーレ。

コンクールデレガンスでグランプリを受賞した、世界で1台のギブリⅡカンパーナ・スペチアーレ

■グランプリ
ギブリカンパーナスペチアーレ 1989 

■ベストクラシコ(クラシック)
ギブリ 1967 

■ベストセミクラシコ(ネオ・クラシック)
ギブリⅡ2.0GT 1997

■ベストモデルノ(モダン)
グランツーリスモMCストラダーレ 2013

ベストクラシコ(クラシック)を受賞したギブリ。

ベストクラシコ(クラシック)を受賞したギブリ

ベストセミクラシコ(ネオ・クラシック)を受賞したギブリⅡ2.0。

ベストセミクラシコ(ネオ・クラシック)を受賞したギブリⅡ2.0

ベストモデルノ(モダン)を受賞したグラントゥーリズモMCストラダーレ。

ベストモデルノ(モダン)を受賞したグラントゥーリズモMCストラダーレ

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