「東京港臨港道路南北線」が6月20日12時開通。愛称は「海の森トンネル」と「海の森大橋」
国土交通省と東京都港湾局は、東京港臨港道路南北線及び接続道路を6月20日12時に開通することを発表した。本道路のトンネル部は「海の森トンネル」、東西水路横断橋には「海の森大橋」と愛称も決定している。
日本最長級の沈埋函(ちんまいかん)式トンネル
国土交通省と東京都港湾局は、6月20日に東京港臨港道路南北線及び接続道路を開通することを発表した。開通区間は東京都江東区有明4丁目~中央防波堤の江東区海の森3丁目地先(※)間の延長約3.7km。今回の開通に先立って公募した愛称は、約2.45kmのトンネル部分が「海の森トンネル」、中央防波堤内側~外側を結ぶ延長約250mの東西水路横断橋が「海の森大橋」と決定している。
※無番地の所在を表す時、対象地に隣接する地番を使用し「~地先」とする。
【東京港臨港道路南北線及び接続道路の開通概要】
日時:2020年6月20日(土)、12時
開通区間:10号地その2地区(東京都江東区有明4丁目)~中央防波堤外側地区(東京都江東区海の森3丁目地先)約3.7km
車線数:往復4~6車線
海の森トンネルの車道部においては、自転車及び原動機付自転車(50cc未満)は通行不可となる。また、当面の間、歩行部の通行もできないという。
今回の工事で用いられている沈埋函は、1つが134×27.8×8.35(m)で日本最大級のサイズだ。この沈埋函7つを海中に沈設、接続する沈埋トンネル工法によって整備された。
沈埋函とは、海底トンネルの建設などに使用されるコンクリート製、または鋼製の大型の箱型トンネルのことで、別名 “ケーソン” とも呼ばれている。今回用いられた沈埋トンネル工法では、まずトンネル部となる沈埋函を陸上の造船所などで製作する。これにより、施工効率はもちろん、より高品質で水密性の高いトンネルの建設が可能となるのだ。そうして製作された沈埋函は、現地まで曳航され海底に掘った溝に沿って沈めて設置される。
これまで、有明・青海~中央防波堤地区を結ぶアクセスは、青海縦貫線(第二航路海底トンネル)のみとなっており、コンテナ車両等の集中による渋滞が頻発していた。そのうえ、コンテナ貨物取扱量の増加に対応するため、新しいコンテナターミナルの整備が中央防波堤外側地区にて進められるなど、さらなる交通量の増加が見込まれる状況であった。こうした交通需要に応えるために、南北方向の交通容量を増やすのが今回の開通の狙いで、対策として中央防波堤のアクセス性を高める目的で進められてきた。今後は、東京湾全体の物流機能を強化する新たな南北軸となるとともに、史上初の開催延期となってしまった国際的スポーツ競技大会で、競技会場とされていた海の森水上競技場など周辺交通需要の増加に応えられる予定だ。
なお、国土交通省と東京都港湾局は、開通直後は混雑が予想されることもあり、開通待ちの待機をしないようにと呼びかけている。