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最終更新日:2019.10.26 公開日:2019.10.26

【東京モーターショー2019】国内メーカーの見どころまとめ! マツダ・レクサス編

東京モーターショー2019がついに開幕。本記事では、世界初披露となったモデルの中から、マツダとレクサスが発表した2台のEVについてご紹介したい。

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マツダ MX-30|Mazda MX-30

マツダ初の量産EV、MX-30が登場

 現在開催中の東京モーターショーで、ひときわ注目を集めているクルマのひとつが、世界初公開となったマツダ初の量産EV「MX-30」だ。

 驚かされたのは、最後のロータリーエンジン搭載車となった「RX-8」から受け継いだ観音開きドア(フリースタイルドア)の復活である。アンベールの瞬間、待ち構えた多くのカメラから一斉にフラッシュが焚かれた。

 MX-30はマツダのデザインテーマ「魂動(こどう)」をベースに、「Human Modern(ヒューマン モダン)」という新たなコンセプトのもとで開発が進められた。主査を務めた竹内都美子氏は、このクルマが提案する価値を「自然体」という言葉で表現する。

 では、その自然体とは何なのだろうか。竹内氏によればそれは、親近感のある佇まいであり、心が自由になる開放的な空間。そして、人を中心に考えた作り込みの中にあるという。その一端が垣間見れるのが、マツダがインテリアに初めて採用したコルク素材だ。

壇上でMX-30を披露する主査の竹内都美子氏。車名のMXは、ロードスター(MX-5)のようにマツダが新たな価値にチャレンジする時にだけ使われる特別なもの

人間中心の開発思想に基づき、EVでも変わることのない「人馬一体による走る歓び」を追求したMX-30

なぜクルマにコルク?

 伐採することなく、約8年~10年ごとに収穫できる環境にも優しい素材として知られるコルク。自然の温もりを感じさせてくれる柔らかい表情も手伝って、それはマツダがさまざまなマテリアルを試していく中で辿り着いた、理想の素材のひとつだったという。だがコルクが選ばれた理由は、それだけではなかった。

 実はコルクは、マツダにとっての出発点でもあった。自動車メーカーとして産声をあげる以前、1920年にコルクを製造する会社として始まったマツダのものづくりの歴史。それが偶然にも、創業100周年というタイミングでMX-30というカタチで結実したことは、とても面白いエピソードである。単なるインテリアのいち素材かと思いきや、このコルクにはマツダの人と共に創る姿勢、チャレンジ精神が宿っているのだ。

“MX-30のデザインは「Human Modern(ヒューマン・モダン)」がコンセプト

インテリアにはマツダ創業時から縁が深い、環境に優しいコルクを採用する

似ているようで違うMX-30とCX-30のデザイン

 MX-30は、先に登場したクロスオーバーSUV「CX-30」とプラットフォームを共有する。ボディサイズも全長4395×全幅1795×全高1570mmとほぼ同寸で、全高だけ30mm高い。ホイールベースも2655mmと共通だ。

 だが、その見た目は大きく異なる。曲線を多用したCX-30に対し、MX-30は直線基調。冷却用の空気を取り込む必要もないからグリルは小さくなり、ヘッドランプの意匠も変更したことで、まったく新しい顔を手に入れた。またCピラーを寝かしルーフと同色としたことで、いっそうクーペ感が強まっているのもMX-30の特徴である。

ロータリーエンジンは、レンジエクステンダーモデルで復活!?

 マツダがe-SKYACTIVと呼ぶ新開発のフル電動パワートレーンは、角型セルのリチウムイオン電池を採用。総電圧355V、総電力量(バッテリー容量)は35.5kWhと発表された。フル充電時の航続距離は約200km(NEDC)だという。

 気になる点は、リーフが40kWhと62kWhの2グレードを展開するなかで、総電力量がやや少ないこと。しかし、マツダは長距離移動を必要とするユーザーに向けて、今後ロータリーエンジンを発電機として搭載したレンジエクステンダーモデルの追加導入も検討しているのだそう。

 CX-30の価格は3万3990ユーロ(約400万円)で、まずは欧州から受注を開始。納車は2020年を予定している。他国でも準備が整い次第、販売を開始するという。

MX-30のボディサイズは全長4395×全幅1795×全高1570mm

MX-30のバッテリー容量は35.5kWhで、フル充電時の航続距離は約200km(NEDC)

レクサス LF-30 エレクトリファイド|Lexus LF-30 Electrified

レクサスが描くEV時代のクルマとは

 一方レクサスは、次世代のEVとして「LF-30 Electrified(エレクトリファイド)」を世界初公開。2030年のレクサス車を想定したという、未来感あふれるエクステリアデザインが目を引く。

 LF-30 Electrified についてレクサスは、EVに期待される先進イメージを、アーティスティックな質感まで昇華した未来的な造形や、自動運転を初めとする新技術を積極的に織り込んだインテリアにより独自の世界観確立を目指した、と説明する。

 もっとも、このクルマはあくまで将来のビジョンを提案するショーカー、という位置づけだが興味深い点は多い。

 例えば、インホイールモーターを動力とし、緻密な制御で従来のガソリン車では不可能な高度かつ自由度の高い姿勢制御を実現させるという運動性能に関する考え方や、ボンネットのない(EVなので必要ない)フォルムを活かした、レクサスのデザインアイコンでもあるスピンドルの最進化形など、同社が描く未来のビジョンをうかがい知ることができる。もちろん全てが実現されるわけではないが、部分的に今後のレクサス車の開発に生かされるはずだ。

世界初公開となったレクサス LF-30 Electrifiedと同社プレジデントを務める澤良宏氏

ボディサイズは全長5090×全幅1995×全高1600mm。車両重量は2400kg

レクサスの市販型EVは2019年11月に登場予定

 では、現在進行形の話はどうなっているのかというと、レクサスは次世代の電動化戦略として「Lexus Electrified(レクサス・エレクトリファイド)」を掲げている。

 発表されたプレスリリースによれば、それは「電動化技術を用いて車両の基本性能を大幅に進化させ、自動運転や電動化などモビリティ社会が変化し続ける時代においても、お客様へクルマがもたらす楽しさ・喜びを提供し続けることを目指す思想」なのだそうだ。

レクサス LF-30 Electrifiedは、110kWhのバッテリー容量を持ち、航続距離は500km(WLTP)を想定している

最大出力は400kW、最大トルク700Nm。0-100km/hは3.8秒と俊足のLF-30 Electrified

 電動化技術によって今一度クルマの原点に立ち返り、走りの楽しさを大きく進化させ未来の高級車の在り方を根本から変えていく、と説明するレクサス。

 具体的には、ハイブリッドで培ったモーター制御技術を軸として、パワートレーン、ステアリング、サスペンション、ブレーキなどを統合的に制御。これにより走行シーンに応じた駆動力コントロールを行うことで理想的な車両姿勢を実現し、より安心安全で運転する楽しさを感じられるクルマを提供することを目指すという。

 レクサスはこれからもHV、PHV、EV、FCVなど、世界各地のニーズやインフラ環境に応じて適材適所で商品開発を進めラインアップを拡大していくとアナウンス。

 2025年には全車種に電動車を設定し、電動車の販売比率がガソリンエンジン車の比率を上回ることを目標としている。2019年11月にレクサス初のEV発表を予定しているほか、2020年代前半でPHVやEV専用モデルを投入する計画だ。

ARによる車両情報表示やジェスチャーコントロールなど、次世代のインターフェースを採用したコックピット

助手席は航空機のファーストクラスに着想を得たという

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