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最終更新日:2019.05.17 公開日:2019.05.17

市民の関心を喚起するには? 日本は乃木坂46、豪州はシビック TYPE Rで呼びかけ

春の全国交通安全運動が5月20日(月)まで実施中だ。警視庁はアイドルユニット「乃木坂46」のメンバーらとともに交通安全を呼びかけ。一方、オーストラリアからは、シビック TYPE Rが犯罪を抑止するというニュースが入ってきた。市民の関心を呼びたいという思いは、日本の警察も豪州の警察も同じだ。

写真:警視庁提供

新年度だからこそ気をつけたい

 5月11日(土)~20日(月)の10日間にわたり、今年も「春の全国交通安全運動」が実施中だ。

 内閣府が推進する本運動は「広く国民に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通事故防止の徹底を図ること」を目的としている。

 死亡事故が相次ぐ中スタートした今回。「子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止」が運動の第一の重点項目として掲げられた。

 警視庁によれば、新年度になり入学や進級を迎える4月以降に、小学生の歩行中・自転車乗用中の交通事故が増加する傾向にあるという。

 公益財団法人・交通事故総合分析センター(ITARDA)の調べでは、歩行中の交通事故死傷者数を年齢別に見たとき7歳児が最も多く、登下校時に多いという結果も出ている。しかも統計を取り始めた1994年以降、20年以上最多のままというのだから驚きだ。

乃木坂46も交通安全を訴え

 春の全国交通安全運動の開催に先立ち、警視庁は5月9日、東京・品川でプロモーション・イベントを開催。人気アイドルグループ「乃木坂46」の桜井玲香さん、秋元真夏さん、高山一実さんが登壇し、事故防止を訴えた。

 式典に参加した三浦正充 警視総監は「思いやりと譲り合いの気持ちをもって行動し、交通事故をなくしていきましょう」とあいさつ。ちなみに乃木坂46の3人は、春の全国交通安全運動のポスターにも起用されており、ダウンロードも可能だ。国民的アイドルの乃木坂46をきっかけに、春の全国交通安全運動の実施を知った方も多いかもしれない。

シビック TYPE Rが犯罪を抑止する!?

 話は少し脱線するが、警察のプロモーション・イベントとしてユニークな試みを実施している国がある。

 今年4月、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の警察車両にホンダ・シビック TYPE Rが導入されたとして、世界中のクルマ好きの間でちょっとした話題となった。

 シビック TYPE Rといえば、2017年4月に自動車開発の聖地、ドイツ・ニュルブルクリンク北コースで7分43秒80というラップタイムを叩き出し、”世界最速のFF車”の称号を持つ車だ。

 広大な土地を有するオーストラリア。並みのスペックのパトカーでは、スピード違反や犯罪者の追跡もさぞかし大変なのだろうと思っていたが、調べてみると実はそうではなかった。なんと驚くべきことに、このパトカーを使っての取り締まりは一切行わないのだという。

 では一体何に利用するのかというと、SNSを通じて警察と地域コミュニティの結びつきを強め、犯罪を抑止し生活をより安全にするために活用するのだとか。

 車体側面中央にプリントされた「eyewatch」とは、行方不明になった人々の情報や、地域の犯罪や事件などの情報を逐次アップするウェブサイトで、その認知度を高めるためにシビック TYPE Rを採用したという。ショッピングモールや広場など人が多く集まる場所に人気のクルマを展示し、eyewatchの認知度が高まることで、より迅速な事件解決に繋がると同警察は考えている。

 日本とオーストラリア、攻め方は違えど普段関心のない人々に、いかに啓発できるか。プロモーションひとつにしてもお国柄が出ていておもしろい。より多くの市民の関心を呼びたいという思いは、日本の警察も豪州の警察も同じのようだ。

 さて、現在開催中の春の全国交通安全運動だが、最終日の5月20日は「交通事故死者数ゼロを目指す日」となっている。1948年の統計開始以来、交通事故死者数がゼロだった日は、1日もない。みなさま、どうか安全運転でおでかけください。

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