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最終更新日:2023.06.19 公開日:2018.12.18

ホンダの草刈り自律移動ロボット「オートノマス ワーク ビークル」がオモシロイ

ホンダは、2019年1月8日から開幕する世界最大の家電見本市「CES」で、自律移動モビリティ「Honda Autonomous Work Vehicle(オートノマス ワーク ビークル)」を発表する。今回一足先に、その動画が公開された。

ホンダが開発を進めるオートノマス ワーク ビークルは、自律して移動するモビリティ型のロボティクスデバイスであり、2018年1月のCES(Consumer Electronics Show)に出展した「3E-D18」をベースにした発展形だ。

ボディサイズは全長1940×全幅1110×全高900mmとオフロードバギーほどの大きさで、4輪を電気モーターで駆動。最大積載量454kg、最大牽引重量590kgと見かけ以上にパワフルなのも特長のひとつだ。バッテリーは脱着が容易なリムーバブル式を採用している。

自律移動に関しては、GPSと高感度センサー、そしてAIを駆使することによって実現しており、ユーザーはスマートフォンやタブレット、スマートウォッチで自在にコントロールすることが可能だという。

このクルマがユニークなのは、アタッチメントを取り付けることでさまざまな用途に活用できる点にあり、荷物を運ぶトレーラーに、ブルドーザーやショベルカー、衛星中継車にだって転用することができる。

今回発表された動画には、この1年間でアメリカを舞台に実証実験された3か所の事例が収録されている。

まず1つ目は、ノースカロライナ州における大規模太陽光発電所での除草作業だ。178エーカー(約72万平方メートル)の農地には太陽光パネルが整然と並べられ、20メガワットの発電を行っている。農地の草木によって遮ぎられて発電効率が落ちるため、その処理が最大の課題だったという。オートノマス ワーク ビークルが縦横無尽に駆け巡り除草処理を行う農地では、かつての主役”ヤギ”も隅に追いやられてしまった。

ふたつ2つ目は、カリフォルニア州のカリフォルニア大学デービス校における試験農場の作業だ。400種もの植物を栽培するこの農場では、手摘みによる収穫とその運搬が最も過酷な労働であり、その解決策を探していた。「オートノマス ワーク ビークルの導入によってケガの軽減と作業時間の短縮が実現しました。ロボティクスデバイスの導入で農業はさらに進化するでしょう」と担当者は語る。

そして3つ目は、コロラド州の消防隊の機材搬送や山火事など危険な場所での偵察・通信サポートだ。「一度災害が起きればチェーンソーを含む約50ポンド(約22kg)の荷物を担いで現地入りしなければならず、車両が直接乗り入れることのできない山間部などでは、移動するだけで体力を消耗していました」と同消防隊の無人システム計画を統括するプロダクトマネージャーは話す。「限られた人数で任務をこなさなければならない我々は、常に安定したリソースの確保が大事です。オートノマス ワーク ビークルは急な山岳斜面でも重機を運ぶことが可能であり、消防士の負担を大きく軽減する有益なパートナー」とその性能を評価する。

ホンダは今後も、自律移動機能のさらなる向上に向けた研究開発パートナーや、さまざまな用途を検証するための実証実験パートナーを求めていくという。ロボティクスデバイスは人手不足の日本社会にもきっと役立つはず。今後も続々とユニークな使用例が生まれそうだ。

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