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クルマ2018.06.22

【JNCAP2014~17予防安全】対クルマの自動ブレーキ性能・全37車種【前編】

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 国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)が毎年発表している自動車アセスメント「JNCAP」。現在、大きく分けて予防安全性能と衝突安全性能の2種類の評価試験が実施されている。

 事故を未然に防ぐためのハイテク機能「先進安全運転支援システム」を対象とした評価試験が予防安全だ。2014年から始まり、この4年間でテストを受けた車種は104車種に及ぶ(同一車種の別グレードや年式違いも1車種として集計)。

 ここでは、予防安全で行われる評価試験4項目のうち、14年から17年まで一貫して同一条件で行われている、クルマを対象とした衝突被害軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)の性能評価で、32点満点をマークした車種を紹介する。

 満点をマークした車種は全37車種に及ぶため、前後編に分け、前編ではトヨタ、ホンダ、日産、マツダの合計20車種をメーカー別に紹介。評価試験を受けた古い順に掲載した。

メーカーインデックス

【前編】
トヨタ(8車種)
ホンダ(6車種)
日産(3車種)
マツダ(3車種)

【後編】
スバル(6車種)
スズキ(5種)
レクサス(4車種)
三菱(1車種)
メルセデス・ベンツ(1車種)

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まずはトヨタから!

トヨタは8車種が満点を獲得!

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「カローラ アクシオ」。日本の大衆車として長らく多くの人に愛されてきた「カローラ」シリーズの最新モデルだ。MEGA WEBにて撮影。

 対車両・自動ブレーキで32点満点を獲得したトヨタ車(レクサスブランドを除く)は、全メーカー中最多の8台となった。トヨタの先進安全運転支援システム(トヨタでは「衝突回避支援パッケージ」と呼ぶ)は「Toyota Safety Sense(TSS) C」と「TSS P」の2種類がある。

 センサーの種類が異なり、TSS Cは単眼カメラとレーザーレーダー(LIDAR)の組み合わせで、対車両のみの衝突被害軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)が機能する。一方のTSS Pは単眼カメラとミリ波レーダーの組み合わせで、対車両だけでなく、対歩行者の自動ブレーキが機能する。車両価格によってどちらが搭載されるか分かれており、高級車にPが搭載され、低価格帯のクルマにCが搭載される。

 基本的な機能としては、対車両の自動ブレーキ「プリクラッシュセーフティシステム」、車線はみ出し警報「レーンディパーチャーアラート」、自動ハイビーム「オートマチックハイビーム」の3種類が共通。TSS Pは自動ブレーキに歩行者検知機能も搭載されることに加え、「ブレーキ制御付きレーダークルーズコントロール」も加わる。

 自動ブレーキの機能としては、TSS Cは自車速度が時速約10km~80kmで作動(警報は時速140kmまで作動)。TSS Pは自車速度が約10kmから作動し、車両は特に速度上限が記されておらず、歩行者に対しては80kmまでとなっている。

 18年から第2世代として、PとCの区別はなくし、「Toyota Safety Sense」という名称で統一が進められている。ただし、実際には車両価格によって搭載されるセンサーはこれまで通り2種類ある。

カローラ アクシオ

50年を超える歴史を有するトヨタを代表するセダン。15年3月にフルモデルチェンジした。「Toyota Safety Sense C」(単眼カメラ+レーザーレーダー)を搭載。試験を受けた年度は15年。試験を受けたグレードはHYBRID G。

シエンタ

17年、トヨタのミニバンで最も売れた小型ミニバン。15年7月にフルモデルチェンジした。「Toyota Safety Sense C」(単眼カメラ+レーザーレーダー)を搭載。試験を受けた年度は15年。試験を受けたグレードはHYBRID X。

ノア

中型ミニバン。「ヴォクシー」および「エスクァイア」は販売チャネルが異なる兄弟車。発売は2014年1月(フルモデルチェンジ)。16年1月のマイナーチェンジで「Toyota Safety Sense C」(単眼カメラ+レーザーレーダー)を搭載されたが、18年現在は”C”が取れて「Toyota Safety Sense」と名称が改められている。試験を受けた年度は15年。試験を受けたグレード:Si。

ランドクルーザー

70年近い歴史を有するクロスカントリー型の4輪駆動車。試験を受けたグレード「ZX」は2009年4月に新規設定された。発売は2007年9月。15年8月のマイナーチェンジで、「Toyota Safety Sense P」(単眼カメラ+ミリ波レーダー)を搭載した。試験を受けた年度は15年。 

クラウン

国内の高級車の代名詞的な存在のセダン。フルモデルチェンジは「アスリート」と「ロイヤル」が12年12月、「マジェスタ」が13年9月。「Toyota Safety Sense P」(単眼カメラ+ミリ波レーダー)を搭載。試験を受けた年度は16年。試験を受けたグレードは「アスリート S」。

プリウス/プリウスPHV

ハイブリッド車の代名詞的存在であり、17年、全トヨタ車中で最も売れた。「プリウス」が15年12月に、「プリウスPHV」が17年2月にフルモデルチェンジ。「Toyota Safety Sense P」(単眼カメラ+ミリ波レーダー)を搭載していたが、18年現在は”P”が取れて「Toyota Safety Sense」と名称を改められている。試験を受けた年度は16年。試験を受けたグレードは「プリウス A”ツーリングセレクション”」。

C-HR

トヨタが新規に開発した小型クロスオーバーSUV。発売は16年12月。試験を受けた年度は17年。試験を受けたグレードは「G」。「Toyota Safety Sense P」(単眼カメラ+ミリ波レーダー)を搭載。先進安全運転支援システムの名称は、18年現在、”P”が取れて「Toyota Safety Sense」と改められている。

ハリアー

13年11月にフルモデルチェンジして3代目となった高級クロスオーバーSUV。03年2月に発売された2代目は、世界で初めて自動ブレーキを搭載した車種である。3代目に搭載されている先進安全運転支援システムは「Toyota Safety Sense P」(単眼カメラ+ミリ波レーダー)。試験を受けた年度は2017年。試験を受けたグレードは「PREMIUM」。

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続いてはホンダ!

ホンダは17年度に一気に5車種を追加!

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「シビック ハッチバック」。「シビック」にはボディタイプとしてセダンとハッチバックの2種類があり、共に「Honda SENSING」を搭載する。ホンダ本社ウェルカムプラザ青山前にて撮影。JNCAPの評価試験は、セダンが受けた。

 ホンダの先進安全運転支援システム「Honda SENSING」は、自動ブレーキ、前後の誤発進抑制、歩行者事故低減ステアリング(路側帯を歩く歩行者との衝突回避支援機能)、車線の逸脱抑制および維持支援、アダプティブ・クルーズ・コントロール、先行車発進通知、標識認識、オートハイビームの10種類の機能を備える。

 「Honda SENSING」は15年頃に登場した車種から設定されるようになってきた。完全新型車や、フルモデルチェンジした車種はもちろんだが、「Honda SENSING」を装備するためのマイナーチェンジを実施し、全グレード標準装備となった車種も少なくない。

 またホンダでは、販売台数の多い軽自動車やコンパクトカーにこそ先進安全運転支援システムを搭載すべきという考え方を持っており、同社を代表する軽自動車「N-BOX」の現行モデルは全グレード標準装備、コンパクトカー「フィット」の現行モデルは、半数ほどのグレードに装備されているのが特徴だ。

ジェイド

セダンに近い低全高と、ミニバンクラスの居住性とユーティリティーを併せ持った、ホンダの新型車で15年2月に発売された。ホンダの先進安全運転支援システム「Honda SENSING」を備えた1車種。試験を受けた年度は15年。試験を受けたグレードは「HYBRID X」。

N-BOX/N-BOXカスタム

15年9月にフルモデルチェンジして2代目となった、ホンダの軽自動車「N」シリーズの中核となる車種。2代目は、全グレードにホンダの先進安全運転支援システム「Honda SENSING」が設定された。試験を受けた年度は17年。試験を受けたグレードは「G Honda SENSING」。

ヴェゼル

ホンダが、SUVの”力強さ”とクーペの”あでやかさ”とミニバンの”使いやすさ”をクロスオーバーさせた新ジャンルの1車種で、13年12月に発売。16年2月のマイナーチェンジで、ホンダの先進安全運転支援システム「Honda SENSING」が全グレードに搭載された。試験を受けた年度は17年。試験を受けたグレードは「HYBRID Z・Honda SENSING」。

シビック

1970年代から続く、ホンダを代表する歴史を持つ1車種。17年9月にフルモデルチェンジして10代目となった。セダンとハッチバックのどちらにも「Honda SENSING」が搭載されているが、走りを追求した「タイプR」には装備されていない。試験を受けた年度は17年。試験を受けたグレードは「SEDAN」。

ステップ ワゴン

15年4月にフルモデルチェンジした大型ミニバン。16年5月のマイナーチェンジで1グレードを除いたすべてのグレードに、ホンダの先進安全運転支援システム「Honda SENSING」を装備した。試験を受けた年度は17年。試験を受けたグレードは「SPADA HYBRID G Honda SENSING」。

フィット

13年9月に3代目となったモデルチェンジした人気コンパクトカー。17年6月のマイナーチェンジで、ホンダの先進安全運転支援システム「Honda SENSING」が半分のグレードに設定された。試験を受けた年度は17年。試験を受けたグレードは「HYBRID S・Honda SENSING」。

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次は日産とマツダ!

日産で満点を取ったのは3車種!

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ミニバン「セレナ」。JNCAP16の予防安全で71点満点を獲得した。JNCAP16後期結果発表会の会場にて撮影。

 日産の先進安全運転支援システムは、「全方位運転支援システム」という呼称もあるが、あまり使われていない。どちらかというと、先進安全運転支援技術を搭載した車両を、先進的な車両ということで「インテリジェント・モビリティ」という呼称を使っている。

 先進安全運転支援技術としては、自動ブレーキの「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」、車線逸脱防止支援システム「インテリジェント LI」、車線逸脱警報「LDW」、「踏み間違い衝突防止アシスト」、「ハイビームアシスト」などがある。他社にあまり見られない仕組みとしては、車両後方に備えられたカメラの映像を映し出すことで、後席の搭乗者の頭や積み荷などに視界が妨げられる心配がない「インテリジェント ルームミラー(スマート・ルームミラー)」がある。

スカイライン

13年11月にフルモデルチェンジして13代目となった、誕生して60年余りの歴史を有する日産を代表するスポーツセダン。自車からすぐ目の前ではなく、2台前のクルマの車間や相対速度をミリ波レーダーでモニタリングできる「インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)」など、日産の「全方位運転支援システム」を搭載した車種。試験を受けた年度は14年。試験を受けたグレードは「200GT-t Type P」。

セレナ

16年にフルモデルチェンジした、日産のミニバン。ミニバンとしては世界初となる、自動運転技術(自動車専用道路同一車線専用)「プロパイロット1.0」を搭載するグレードが用意されたことが話題となったインテリジェント・モビリティの1車種。試験を受けた年度は16年。試験を受けたグレードは「ハイウェイスター」。

ノート

12年9月にモデルチェンジしたコンパクトカー「ノート」。その後、13年12月のマイナーチェンジで、自動ブレーキ「エマージェンシーブレーキ」などを備えたグレードが設定された。試験を受けたグレード「e-POWER X」は日産のシリーズ型ハイブリッド・パワートレイン「e-POWER」を搭載したグレードのひとつで、16年11月に追加設定された。試験を受けた年度は17年。こちらも、インテリジェント・モビリティに設定されている1車種。

マツダは3車種が登場!

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マツダの大型クロスオーバーUSV「CX-8」。最大で8人が乗ることが可能だ。17年のJNCAP予防安全で、79点満点を獲得した。画像は、JNCAP17年後期結果発表会の会場にて撮影したもの。

 マツダの安全に対する考え方は、危険な状況に陥ってから対処するのではなく、危険そのものを回避するという、「MAZDA PROACTIVE SAFETY」と呼ばれる安全思想がまず根幹にある。それは、さまざまな運転環境においても、ドライバーの認知・判断・操作をサポートし、事故のリスクを最小限に抑制するという考えとしている。

 その安全思想を基にマツダが開発した先進安全技術群が、「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」だ。自動ブレーキ「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」、後退時の自動ブレーキ「スマート・シティ・ブレーキ・サポート[後退時]」、前後の誤発進抑制、車線逸脱警報、先進ライトの「アダプティブ・LED・ヘッドライト」や「ハイビーム・コントロール・システム」、駐車場から後退する際に死角から接近する車両があるとそれを検知する「リア・クロス・トラフィック・アラート」などの技術がある。「i-ACTIVSENSE」といっても、すべての車種やグレードが同一の機能を備えているわけではなく、それぞれ搭載している機能は異なる。

アクセラ

13年11月にフルモデルチェンジして3代目となったマツダのスポーツセダン/ハッチバック「アクセラ」。発売当初からマツダの先進安全運転支援システム「i-ACTIVSENSE」を搭載しており、アドバンストSCBSなどを備えていた。16年7月のビッグマイナーチェンジでは、自動ブレーキ用センサーを近赤外線レーザーレーダーから単眼カメラに改めるなど、大きな改良がなされた。試験を受けたグレードは「15XD L Package」。試験を受けた年度は16年。

CX-5

17年2月にフルモデルチェンジして2代目となったミドルクラスのクロスオーバーSUV「CX-5」。先進安全運転支援システム「i-ACTIVSENSE」の機能のうち、アドバンストSCBSなどを全グレードに標準装備する。17年の試験を受け、予防安全で、満点までわずかに0.5点届かないという78.5点を記録した。試験を受けたグレードは「XD PROACTIVE」。

CX-8

マツダが新規に開発した、国内向けとしては初となる3列シートの大型、最上位モデルのクロスオーバーSUV「CX-8」。17年12月に発売された。「CX-5」と同様に、アドバンストSCBSなどの「i-ACTIVSENSE」の複数の機能を全グレードが標準装備している。試験を受けたグレードは「XD PROACTIVE」。試験を受けた年度は17年。

2018年6月21日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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