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最終更新日:2017.10.05 公開日:2017.10.05

[菰田潔]唐突ですが、ドイツの走り方教えます。

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ドイツ、ノルトライン・ヴェストファーレンの高速道路橋@picture alliance / ZB/euroluftbild.de

 ドイツは自動車の先進国である。その歴史も長いため、クルマを使うための様々なシステムが便利に作られている。その中には日本が見習うべき交通システムも多いと思っている。

 そんなわけで、ドイツを訪問する機会があったらぜひレンタカーを借りて走ってみることをお薦めする。ただしドイツで運転するためには、右側通行ということ以外にも日本の感覚では通用しない部分もある。ドイツを走るコツを、今回から3回に分けて解説しよう。

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ドイツ、フランツヨーゼフシュトラウス空港のレンタカーカウンター@picture alliance / Sven Simon

●レンタカーを借りる
 まず、空港に到着したら、レンタカーカウンターに向かおう。多くの場合「Rental Car」などの案内に従って行けば受付に着ける。ドイツではほとんどの空港でレンタカーが借りられるが、車種や日程のリクエストなどは、事前に日本で予約しておいた方がスムースに借りられる。

 レンタカーカウンターではもちろんドイツ語が基本になるが、英語も問題なく通じる。
 借りるときにカウンターで要求されるのは、
① 日本の運転免許証
② 日本で取得する国際運転免許証
③ パスポート
④ クレジットカード
 これらを忘れずに持っていこう。ネットで予約した際の予約票などをプリントアウトして持参すると、とても簡単に手続きができる。航空会社のマイルを貯めているなら、そのマイレージカードも持参するとマイルを登録できるので、こちらもお忘れなく。

 ドイツはジュネーブ条約に加盟していないので、本来日本の国際運転免許は通用しないが、日本の運転免許があればドイツでも運転できる。日本の免許を持っている”証明”として国際運転免許証が必要なのだ。

→ 次ページ:
車の種類は選べるの?保険は?

【ドイツの走り方】レンタカーの車種や保険はどうなってる?

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@picture-alliance / dpa

 レンタカーを借りるときは、クルマの大きさだけでなく、ディーゼルかガソリンか、ATかMTか、ナビの有無など選択肢が多岐にわたる。ただ、いちばん選びたいクルマのブランドや車種については、基本的にはレンタカー会社が定めたクラスの中から選択するため(日本とほぼ同様)、車種やブランドの指定はできないことが多い。とはいえ、どうしても乗ってみたい車種があるなら、頑張って交渉すれば希望の車が出てくる場合もある。

 クルマを見てから車種を変えることも可能だ。荷物がぜんぶ積みきれないとか、イメージより小さなボディだったなどの理由でも変えることができる。

 ナビやメーターに表示される言葉は、英語に変えることができる。もしできない場合には、駐車場内にいるレンタカー会社のスタッフに頼むと代わりに操作してくれるので安心だ。

 また、そのレンタカーを運転する予定がある人は、全員受付時に登録しておく必要がある。クレジットカード以外は借りたドライバーと同様①~③を提示する。

 あとで無用なトラブルを防ぐために、「フルインシュランス!」と言って掛けられる保険はすべて掛けておいた方がいい。クルマを返却したときにボディに傷があった場合、自分が傷をつけたのではないことを証明するのはなかなか難しいからだ。それら瑣末なものまですべてを保険でまかなうことができる。

 日本の空港のレンタカーは、空港から離れた場所に止められていることが多く、受付後に送迎バス等で移動して車を取りに行かなければならないが、ドイツでは空港内のレンタカーカウンターでキーを受け取り、空港内の駐車場に止めてあるクルマに乗って行くのでとても便利である。駐車場までは自分で行かなくてはならないが、日本より借り出しはしやすい。

→ 次ページ:
シートベルトはする必要ある?

シートベルトやライトはどうする?

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@picture alliance / Mint Images

●シートベルト

 ドイツでも全席シートベルトを締めることが法律で義務つけられている。二列目も三列目も同じようにシートベルトをしなくてはならない。もしポリツァイ(警察)に捕まれば観光客でも罰金も取られる。

 子供はチャイルドシートが必要だ。日本と違って12歳になるか身長が150cmになるまでチャイルドシートを使わなければならない(12歳以上になれば背がそれより低くても骨盤が大きくなっているので問題ない)。理由は、シートベルトは大人の体格に合わせて作られているからということで、ドイツならではの合理的な考え方である。

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picture alliance / Alexander Farnsworth

●デイタイムライト

 まだドイツでは昼間点灯が義務付けられていないが、昼間でもヘッドライトを点灯して走っているクルマがほとんどだ。これは自分を目立たせることで安全性が高まることが周知されているからだ。

 ドイツのレンタカーは新しいモデルを借りられることが多いから、ライトスイッチを「AUTO」に合わせておけば自動的にデイタイムライトになる。つまり通常のスモールライトより明るく、昼間でも目立つ明るさになり、暗くなると自動的にヘッドライトが点く。
 もちろん夜はヘッドライトを点灯させるが、信号待ちでもヘッドライトを消さない。

●フォグランプ

 フロントフォグランプ、リヤフォグランプが付いているが、雨が降っていないのにフォグランプを点けているとポリツァイに捕まって罰金を取られるので無闇に点灯しないこと。

→ 次ページ:
信号や踏み切りはどうする?

【ドイツの走り方】信号や踏み切りはどうする?

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●信号機

 ドイツでは交差点の手前側に信号機が建っている。停止線で止まると上の信号が見えないから、先頭のクルマが見える位置に背の低い信号機が設定してある。また交差側の信号は見えないから青色になるタイミングが掴めない。だから赤色から青色に変わるときに、赤色と黄色が一瞬同時に点灯してから青色に変わる。

 また日本のように4方向同時赤色ではなく、赤色になったら交差側は即座に青色になるから、黄色が点灯したら”一生懸命”止まる必要がある。日本でも本来黄色では止まらなければいけないが、よく黄色になってもそのまま通過することをよく見かける。これはドイツではより危険な運転となる。

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@picture alliance / Oliver Berg/dpa

●踏切の通り方

 日本では踏切では一時停止だが、ドイツでは基本的に停止しない。警報機が鳴っているときはもちろん止まらなくてはならないが、それ以外のときは少しスピードを落としてそのまま通過する。

(その2(10/16配信予定)へ続く)

2017年10月5日(モータージャーナリスト 菰田潔)

菰田潔(こもだきよし):モータージャーナリスト。1950年生まれ。 自動車レース、タイヤテストドライバーを経て、1984年から現職。日本自動車ジャーナリスト協会会長 / 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員 / 一般社団法人 日本自動車連盟(JAF)交通安全・環境委員会 委員 / 警察庁 運転免許課懇談会委員 / 国土交通省 道路局環境安全課 検討会 委員 / 一般社団法人 全国道路標識・表示業協会 理事 / NPO法人 ジャパン スマート ドライバー機構 副理事長 / BMW Driving Experienceチーフインストラクター / 運送会社など企業向けの実践的なエコドライブ講習、安全運転講習、教習所の教官の教育なども行う。

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