京王が17年9月に導入の新型車両5000系はふたつの顔を持つ電車!愛称投票を5月19日まで実施中!!
5000系のイメージ。フロントフェイスは空力を考慮した特急タイプに見えるが、ドア数は4つと通勤・近郊型。京王電鉄の高尾線や相模原線を走る車両の多くは濃いピンク(マゼンダ)と紺のツートンのラインが車両中央にあしらわれているが(井の頭線は異なる)、5000系は濃いピンクのラインが車体上部に入るのが特徴的。
鉄道大国の日本では、JR、大手私鉄、地下鉄などで毎年さまざまな新型車両が投入されている。新宿と多摩方面を結ぶ私鉄・京王電鉄も2017年に新型車両「5000系」を導入する予定で、9月から運行開始の予定だ。
1編成10両固定の5編成が運行の予定
車両は1編成10両固定となり、5編成50両が製造される。製造を担当するのはJR東日本の100%子会社の総合車両製作所(J-TREC)だ。5000系も山手線の新型車両E235系(関連記事はこちら)と同じく、J-TRECの次世代ステンレス車両シリーズ「sastina(サスティナ)」のひとつである。
また外見に関しては、同社の既存車両との違いを明確化するため、フロントフェイスはシャープなイメージを採用。カラーリングも黒を用いることでスマートさを表現したという。
車上蓄電池システムで停電時も短距離の走行が可能に
機構的な特徴としては、新開発の「車上蓄電池システム」が挙げられる。
同システムとは、電車がブレーキをかけた際に発生する回生電力をバッテリーに蓄え、走行時に電力として供給するというもの。回生電力の利用効率を高めて、走行電力のさらなる削減を図ることが目的だが、停電時にはバッテリーの電力だけで自力走行し、橋梁などで停止してしまった場合に短距離なら移動できるようにしている。
そのほか、省エネ化を図るため、車内にLED照明が採用されているほか、新型VVVF(可変電圧可変周波数方式)インバータ制御装置も搭載されている。
5000系は通常列車と有料座席指定列車と切り替えて運行
5000系はキャラクターとして二面性を持っているのが特徴で、9月から半年ほどは通常列車として運行される予定だが、2018年春からは有料の座席指定型としても運行されることになる。
有料座席指定列車は、土日・祝日も含めて毎晩の帰宅時間帯に運行され、新宿発の京王八王子行きと橋本行きの2種類を予定。それ以外の時間帯では通常列車として運行される計画だ。
京王電鉄初のクロス/ロング転換型シートを採用
通常列車と座席指定列車で大きく変わるのが、座席の向きだ。京王電鉄としては初導入となるクロス/ロングの転換型シートを採用しており、座席指定型として運行するときは座席が進行方向に対して正面を向いたクロスシート、普通列車として運行するときは座席が進行方向に対して横を向いたロングシートとして切り替えられるのである。
クロスシートモード。特急車両でお馴染みのシートの向きである。有料座席指定列車のときにこの向きとなる。
90度変わる乗客の視野を考慮に入れた設計
ちなみに、クロス/ロングシートで転換すると、当然乗客の視野は90度変わるわけで、車内案内表示器にも気が配られている。一般的な位置であるドア上方に設置されていることに加え、天井部にも設けられているのが特徴(画面はどちらも液晶)。どちらの状態のシートでも見られるようになっている。
そして内装は、高尾線の終点が登山口となっている高尾山の木々の深いブラウンと、「繊維の街」である八王子の絹糸をモチーフに華やかさを表現し、上質さを演出したものになるという。
そのほか、Wi-Fi設備や電源コンセントに加え、空気清浄機まで用意されており、普通列車として運行されるときはかなり豪華といえそうだ。
ロングシートモード。通勤型の車両でお馴染みだが、一般的な通勤車両のロングシートよりはかなりゆったりと座れそうな雰囲気。
愛称投票を実施中! あなたは5つからどれを選ぶ?
そして、4月27日から始まったのが、その有料座席指定列車の愛称投票だ。5月19日(金)17時まで実施中である。
特設ページにて5つの愛称候補のいずれかに1人1票投票でき、最も投票数の多かった愛称に決定。投票した人には抽選で、京王プラザホテルの最上級クラブフロア「プレミアグラン」ペア宿泊が2組4名に当たるなど、景品が複数用意されている。
また希望者には抽選で100組200名限定で、9月17日(日)に開催予定の試乗会に招待される。新型車両に一足早く乗ってみたい方は、ぜひ応募してみてはいかがだろうか。
2017年5月3日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)
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外部リンク
●愛称投票特設ページ(京王電鉄公式サイト内)