2017年06月09日 18:00 掲載

ニュース・プラス 間もなく登場する新燃費モード
「WLTC」って何?
JC08とはどこが違うの?


世界標準の測定試験方法が求められていた

 最後は、WLTCモードが誕生した理由をまとめておく。

 自動車メーカーの多くが世界規模で展開するようになった結果、メーカーにとって難題となってきたのが、燃費を初め排ガス規制や安全基準など、国や地域ごとに法制度が異なること。メーカーは同じクルマに対しての測定試験をそれぞれの国や地域ごとに行っており、その結果を受けて場合によっては国・地域別に仕様変更も実施している。そのため、コスト、時間、労力など、メーカーの負担が大きくなってしまっており、そこで世界標準の燃費測定法を定め、1回の試験で済むようにしようということになったのである。

 具体的には、国連欧州経済委員会(UN-ECE)の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)において、08 年より策定に向けた活動がスタート。そして14年3月開催の第162回WP29において、「クルマなどの国際調和排出ガス・燃費試験法」を意味する「WLTP(Worldwide harmonized Light duty driving Test Procedure)」の世界統一技術規則第15号が採択された。このWLTP内に含まれている「試験サイクル」がWLTCというわけだ。

 なぜWLTPモードとはいわずにWLTCモードというのかという理由は、燃費測定は統計学的な分野であることが大きい。燃費データはグラフで表現されるため試験サイクルを当てはめる方が的確であるということから、WLTCモードと呼ぶことになったという(まだ呼称が確定する前は、WLTPモードと呼んでいる資料もある)。

WLTC策定に利用されたデータはどのようなもの?

 WLTCの策定に際して、日本もJC08モード策定時のデータを提供した。そのほか欧州や米国、インド、韓国なども各国の基準で計測した燃費データを提供している。そのため総合データは、日本の走行実態と比較すると、高い速度・高い加速度の使用頻度が含まれているのが特徴だ。

 そこで、Low、Middle、High、Extra-high(ExH)という4種類のフェーズの内、最も高い速度域のExHフェーズは各加盟国のオプションとすることで決着、日本ではExHフェーズは距離ベースの交通量比として全走行の5%しかないことから使用しないことになった。

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日本でのWLTCモードのスケジュールは?