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最終更新日:2021.06.14 公開日:2021.06.14

自動車博物館特集【Part2】1960年代の名車に出会える!

人々の生活とともに、日本のモータリゼーションも大きく進展した1960年代。多くのメーカーがこぞって新型車を市場に投入し、トヨタ・カローラ、日産・スカイライン、スバル・360、ホンダ・N360など、今もなお人気を誇る名車が多数誕生した。そんな1960年代を彩ったクラシックカーを展示する自動車博物館を紹介しよう。

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 1960年代製のクラシックカーを多数展示する自動車博物館と、各博物館スタッフが選出したイチオシの展示車を紹介する(五十音順)。

トヨタ博物館

写真提供:トヨタ博物館

 トヨタ博物館は、「クルマ館」と「文化館」の2棟からなる博物館。クルマ館では、ガソリン自動車誕生から現代までの自動車技術・文化の発展の歴史を体系的に展示。日米欧の代表的な車両を約140台展示し、そのほぼ全てを動態保存している。文化館では、ポスターや自動車玩具、カーマスコットなど、自動車にまつわる文化資料を約4000点展示している。

 1960年代に製造された車両は約30台所蔵。トヨタ・2000GT、ダットサン・ブルーバード、いすゞ・ベレット1600GTなどの国産車。フォード・ファルコン、ロータス・エリート、シボレー・コルベアなどの外国産車と幅広いラインナップをカバー。

写真提供:トヨタ博物館

 同館スタッフが選んだイチオシの1960年代製展示車は、トヨタ・カローラ KE10型。1966年10月に誕生したカローラはトヨタにおいて最も成功したモデル。日本のモータリゼーションを本格的に加速させた大衆車といっても過言ではないクルマだ。

【トヨタ博物館】
愛知県長久手市横道41-100
大人 1200円、シルバー(65才以上)700円、中高校生 600円、小学生 400円

那須クラシックカー博物館

写真提供:那須クラシックカー博物館

 那須クラシックカー博物館は、1930年当時の世界スピード記録を保持するMG-EX120をはじめ、欧米車を中心に約60台ものクラシックカーを展示する博物館。そのうち1960年代製の自動車は8台。ビュイック・スペシャル コンバーチブル、ダイムラー・SP250、クーガー、ロールスロイス・シルバークラウドIIなどを展示している。

写真提供:那須クラシックカー博物館

 同館スタッフが選んだイチオシの1960年代製展示車は、アルファロメオ・2000スパイダー。「生産数は3443台といわれているが、残存数は多くない。イタリアではレア車のひとつとして認知されている」とは同館スタッフ談。フォーリ・セリエ(※)時代の古典美をほのかに残した優雅なスタイリングに加え、イタリアンレッドのボディカラーが大変美しいコンバーチブルだ。格子状のフロントグリルも特徴的な1台である。

※フォーリ・セリエとは、「量産型ではないクルマ」、「オーダーメイドのクルマ」を示すイタリア語。

【那須クラシックカー博物館】
栃木県那須郡那須町高久甲5705
大人 1000円、 小中高生 600円

日本の名車歴史館

写真提供:日本の名車歴史館

 日本の名車歴史館は、ワンダーワールド(遊園地・レストラン)、サンシャインプール、動物の森などを有する「国営 海の中道海浜公園」内に位置する自動車博物館。1945~75年に製造された国産の自動車を約40台、バイクを約15台展示。そのほとんどが動態保存されているという。

 トヨペット・クラウン、日産・セドリック、プリンス・グロリア、ダットサン・フェアレディなどの1960年代に製造された名車を間近で見ることができる。

 同館スタッフが選んだイチオシの1960年代製展示車は、スバル・360。同車は、スバルが初めて市場投入した四輪乗用車。そのコロンとした愛らしいモノコックボディから「テントウムシ」の愛称で親しまれるクルマだ。ぜいたく品だった自動車のイメージに変革を与え、「大衆車」や「マイカー」という概念を広めることにも寄与した1台。

【日本の名車歴史館】
福岡県福岡市東区西戸崎18-25
(海の中道海浜公園ワンダーワールド内)
小学生以上 500円

プリンス&スカイラインミュウジアム

写真提供:プリンス&スカイラインミュウジアム

 プリンス&スカイラインミュウジアムは、 八ヶ岳連峰、諏訪湖を望む「鳥居平やまびこ公園」内にある単一車種自動車博物館。その名の通り、日本のセダンをリードし続ける名車「スカイライン」の歴史と功績をたたえるために誕生した。

 所蔵されている1960年代製造の車両は、プリンス・スカイラインS50、日産・スカイライン2000GT-R PGC10(通称ハコスカ)、日産・スカイライン2000GT-Rレース仕様(HT-2000GT-R)、グロリア・エステートなど10台。スカイラインの歴史を存分に感じることができる車両が並ぶ。

写真提供:プリンス&スカイラインミュウジアム

 同館スタッフが選んだイチオシの1960年代製展示車は、プリンス・スカイライン2000GTB(S54B)。1964年に鈴鹿サーキットで開催された第2回日本グランプリにおいて、1周回ではあるが、ポルシェ904を抜いた伝説を持つクルマである。「その後のスカイラインGT-Rの始祖でもあり、このクルマ抜きにGT-Rは語れない」と同館スタッフは語る。

【プリンス&スカイラインミュウジアム】
長野県岡谷市内山4769-14 鳥居平やまびこ公園内
大人 1000円、子ども 200円

ツインリンクもてぎ ホンダコレクションホール

写真提供:ホンダコレクションホール

 ホンダコレクションホールは、国際レーシングコースを持つ「ツインリンクもてぎ」内にある自動車博物館。ホンダの二輪・四輪のレーシングマシンや市販車などを展示。全300台の展示車のなかで1960年代に製造された車両は10台。ホンダ・スポーツ360、ホンダ・T360、ホンダ・L700、ホンダ・S800など、軽自動車、乗用車、商用車とさまざまなタイプがラインナップされている。

写真提供:ホンダコレクションホール

 同館スタッフが選んだイチオシの1960年代製展示車は、ホンダ・N360。同車は、1967年の発売開始から3年連続で国内販売1位を記録し、一躍ベストセラーとなった車両。同スタッフによると「来館された多くのお客様から、『初めて買ったクルマ』、『父親が乗っていた』、『今見てもかわいい』などといった言葉をいただく」のだとか。「Nコロ」の愛称で親しまれたクルマは、今もなお老若男女から愛され続けている。

【ツインリンクもてぎ ホンダコレクションホール】
栃木県芳賀郡茂木町桧山120-1
入館無料
※ツインリンクもてぎの入場料 1200円・駐車料 1000円が必要となっている部分。


 このように全国さまざまな場所に、1960年代製のクラシックカーを展示する自動車博物館がある。古き良きクラシックカーを前に、時代の移り変わりや技術の進歩へと思いを馳せてみてはいかがだろうか。

※本記事で紹介した料金は2021年6月10日現在の情報。
※新型コロナウイルス感染症対策のため、時短営業や休館をしている場合あり。営業日・営業時間は、各博物館の公式サイトなどをご確認ください。

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