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最終更新日:2019.11.09 公開日:2019.11.09

すれ違う三世代の意識。自分の運転は安全?危険? 「三世代」調査結果をNEXCO東日本が発表。

NEXCO東日本は、秋の行楽シーズンに合わせて「高速道路での逆走や車の運転に関する意識調査」を実施した。祖父母世代・親世代・孫世代と三世代を対象にした調査では、当事者、家族がそれぞれ「高齢ドライバーによる運転」をどのように意識しているのかが浮き彫りになった。

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NEXCO東日本による「逆走・車の安全運転に関する「三世代」調査」の結果が発表された。

©aletia2011 – stock.adobe.com 

 今回の「高速道路での逆走や車の運転に関する意識調査」は、祖父母世代(65歳以上の男女)・親世代(4050代の男女)・孫世代(1824歳の男女)のドライバーを対象に行われた。

祖父母世代が運転に対する自信を失いつつあるこの半年。

祖父母世代71%が「運転に自信あり」と回答した。

出典:NEXCO東日本「逆走・車の安全運転に関する三世代調査」

 祖父母世代に、自分の運転に対する自信を聞いたところ、71%が「自信あり」と回答した。実に過半数以上の高齢者ドライバーが、自分の運転に対しては自信があることが明らかになった。
 ところが、2月に実施した同調査の結果76%からは5pt減になっている。

免許を返納して良いと思う平均年齢は76.3歳だった。

出典:NEXCO東日本「逆走・車の安全運転に関する三世代調査」 

 5ptの自信喪失、これは別の質問結果にも表れていた。同様に、自分が運転免許を返納してもよいと思う年齢を聞いたところ、回答の平均年齢は76.3歳だった。これは、2月の調査結果が79.1歳だったので半年で約3歳低下したことになる。
 自信があった人も、今年に入り高齢ドライバーの事故のニュースが相次いだことで、運転に対する不安が膨らんできた背景が伺える。運転において、自信過剰は危険な意識だ。事故のニュースが多いことは痛ましいが、それをきっかけに交通安全や自身の運転スキルを見直すきっかけになっている。痛ましいニュースを決して他人事として見ていない証と言えよう。

親世代は「自分の子供より親の運転が心配」が約4割。

40.7%の親世代が「祖父母世代の運転が孫世代より心配」と回答した。

出典:NEXCO東日本「逆走・車の安全運転に関する三世代調査」

 続いては親世代に対する回答を見てみよう。親にとって、子どもは何歳になっても子ども。特にその子どもが初心者ドライバーとなれば、その不安は尽きない。しかし、「祖父母世代と孫世代(運転免許取得3年以内)の車の運転」についての質問では、40.7%が「祖父母世代の運転が孫世代より心配」と回答した。
 「孫世代の方が心配」の回答も18%あり決して少ない割合ではないが、2倍以上の差がついた結果だ。家族の認識は、運転年数=運転スキルではないことが明らかになったと言えよう。

 では、祖父母世代の認識はどうだろうか。「自分の運転の方がうまい」と回答したのは51%で半数を超えた。一方で、32%が「孫のほうが上手い」と回答した。「孫にはまだ負けんぞ」という自負と、「まだ大丈夫」という自信を持つ気持ちの根底には、やはり運転年数の長さが理由としてありそうだ。

祖父母世代の運転は「危ない・怖いと思った」が、二世代とも半数以上。

【親世代】68%が祖父母世代の運転する車に同乗して「怖い」と思っている。

【孫世代】50%が祖父母世代の運転する車に同乗して「怖い」と思っている。

出典:NEXCO東日本「逆走・車の安全運転に関する三世代調査」

 そんな意識を持つ祖父母世代の運転に対して、親と孫世代はどのように思っているのだろうか。
 祖父母世代が運転する車に乗った感想を見てみよう。実は「怖い・危ない」と思った人が、親世代68%、孫世代50%もいるのだ。それなのに、それを本人に伝えることはハードルが高いのか、親世代だと半分ほどの人しか伝えていない。
 そういえば筆者も、「おじいちゃんはお前たち孫の話の方が素直に聞くから。孫たちからも運転について注意してほしい」と両親から言われた覚えがある。(伝えたが運転に関しては自信があるようで、苦々しい顔をされてしまった。)
 伝えても聞き入れてもらえないから、と家族があきらめてしまうことは「自分はやっぱりまだまだ大丈夫なのだ」という祖父母世代の誤認識につながってしまうかもしれない。家族なのだから、「心配しているんだよ」という気持ちを込めてもっとストレートに伝えて良いはずだ。

家族みんなで”逆走”について話し合おう。

「高速道路での高齢ドライバーによる逆走」認知度は全世代が9割超え。

出典:NEXCO東日本「逆走・車の安全運転に関する三世代調査」

 ところで、国土交通省及び高速道路会社の調査によると、2016年~2018年に逆走したドライバーのうち64%65歳以上だった。また、2日に1回以上発生しているという。
 その認知度も高く、祖父母世代が98%、親世代が94.7%、孫世代は92.7%といずれの世代も9割を超えている。そこから一歩踏み込んで、NEXCO東日本は、「高速道路での高齢ドライバーによる逆走」について家族で話し合おうよ、と呼びかけている。
 日常会話の中で、祖父母世代の体調を気にかけながら、身体・認知能力が加齢とともに衰えていくことを伝えてあげたい。
 祖父母世代も、本人の運転の経験値をもとに孫世代に運転のコツを教えてあげたい。家族同士でお互いに安全運転に対する意識を高めていくきっかけとなる会話ができたらそれは確かに素敵だと思う。
 三世代全員がドライバーという立場になったタイミングは、安全運転や逆走について改めて考える絶好の機会だ。何故なら、一番心に響くのは家族からの愛情がこもった言葉なのだろうから。

「逆走・車の安全運転に関する「三世代」調査」【調査概要】
出典:車の運転に関する意識調査
調査主体:NEXCO東日本
調査時期:2019年10月
対象地域:全国
調査対象:調査対象とその手法は下記参照
①18~24歳で自動車運転免許取得3年以内、もしくは取得のため教習所に通っている男女110名(男性61名/女性49名)
<内訳>
・18~24歳の自動車運転免許取得3年以内の男女ドライバー109名
・18~24歳の自動車運転免許取得のために教習所に通っている9名
<スクリーニング条件>
・18~24歳で「自動車運転免許取得3年以内の方」もしくは「自動車運転免許取得のため教習所に通っている方」
・「40・50代の両親のいずれかが自動車運転免許を持っており、日常的に自動車を運転している」かつ「65歳以上の祖父母のいずれかが自動車運転免許を持っており、現在も日常的に自動車を運転している」

②40・50代で自動車免許を持っており、日常的に車を運転している男女150名(男女75名ずつ)
<内訳>
・男性75名(40代23名・50代52名)
・女性75名(40代33名・50代42名)
<スクリーニング条件>
・40・50代で自動車運転免許を持っており、日常的に自動車を運転している方
・「両親のいずれかが65歳以上で自動車運転免許を持っており、日常的に車を運転している」かつ「自動車運転免許を取得している18~24歳の子どもがいる」

③65歳以上で自動車運転免許を持っており、日常的に車を運転している男女100名(男性50名/女性50名)
<内訳>
・男性50名(65~69歳20名・70代25名・80代5名)
・女性50名(65~69歳15名・70代30名・80代5名)
<スクリーニング条件>
・65歳以上で自動車運転免許を持っており、日常的に自動車を運転している方
・「子どものいずれかが40.50代で自動車運転免許を持っており、日常的に車を運転している」かつ「自動車運転免許を取得している18~24歳の孫がいる」

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