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最終更新日:2018.08.06 公開日:2018.08.06

日本初上陸!ドイツ製電気自動車がヤマト運輸で試験運用開始!

 6月某日に神奈川運輸支局で、今まで見たことのない不思議な形の車に遭遇した。車検場の方を向いて止まっている車は計3台、仮ナンバーを付けたヤマト運輸のクール宅急便の仕様になっている。神奈川運輸支局は、日本で登録される前の珍しい輸入車が集まることで知られる場所。この車は、ヤマト運輸の新しい集配車になるのだろうか?

アジアンカーを彷彿とさせるデザインの電気自動車!

ヤマトの集配車では見かけない形の車にびっくり。荷台の下がすっきりしているので、電気自動車のようだ。

 一見するとかなり簡素な作りという印象で、ガソリンタンクがなく最低地上高が高めなことから電気自動車(EV)だろう。下回りをよく見ると「200V専用」のシールが貼られた充電口があるので間違いない。そしてタイヤはコンチネンタル製。「アジア製の商用車はコンチネンタル履かないよなあ」なんて思っていたら、この車、やはりドイツにある世界最大規模の国際輸送会社DHLの傘下にあるベンチャー企業StreetScooter社(*1)が製造する小型商用EVであることが判明した。

*1 アーヘン工科大学とDHLの共同事業。電気自動車を開発生産するベンチャー企業である。

ヤマト運輸のテスト車?

冷蔵室へは横からも後ろからもアプローチできる。後部ドアの形状は跳ね上げ式と観音開きの2種類。

 荷台の冷蔵室には、デカデカと「クール宅急便」と書かれているので、当然、これはヤマト運輸が導入する新しい小型EVだろう。そこで、ヤマト運輸の広報室に問い合わせると「当社は多くの自動車メーカーと共同で様々なテストを行っています。集配車として本格導入するのか、委託を受けて試験運用するのかは公式にはお話できません」とのこと。

 ヤマト運輸広報室によると、現在ヤマト運輸では、大型トラックから軽ワンボックスの集配車まで、日本全国に約5万台の車両を所有していて、そのほぼすべてが国産車。輸入車がテスト車両として使われた例はこれまでにいくつかあるそうだ。どの車両が実際に導入されるかは分からない。はたしてこの車両はどうだろう?

StreetScooter社の「Work L BOX」

ハンドル中央にStreetScooter社のエンブレムがある。

 編集部で調べたところ、この小型EVは、StreetScooter社の「Work」という小型商用車がベースになった「Work L BOX」という車両のようだ。StreetScooter社の車両は、すべてDHL向けに生産されていて、「Work」の他に「フォード・トランジット」がベースの大型EVトラックもある。

 ドイツ仕様の「Work L BOX」は全長4709×全幅2087×全高2039mmのコンパクトなボディ。全高2.1m以下の車両は、一般的なマンションやビルの地下駐車場にも入れる大きさで、配送などの用途で小回りが利くという利点がある。もちろんEVなので走行コストも環境負荷も小さい。ヤマト向け仕様の詳細は分からないが、最高速度85km/h、航続距離はハイパワー版(40kWh)で236kmと近距離の小口輸送なら十分だろう。

 一方、StreetScooter社のあるドイツのアーヘンは冷涼な気候で雨も少なく湿度も低い。灼熱で、ときにはゲリラ豪雨も襲う東京の夏に耐えられるか少し心配だ。

2018年8月6日(雨輝・加藤久美子)

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