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クルマ2018.06.22

【自動車カメラマンが見てきた世界】ラリージャパンを戦った懐かしの車たち

 

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 モータースポーツのカテゴリーの中に、さまざまなコンディションの公道で走りの速さ・正確さを競うラリーという競技があります。ラリーの世界一を決めるのがWRC(世界ラリー選手権)です。かつて日本の自動車メーカーがこぞって参戦し活躍していた時代もありました。それも昔話になりつつあった2017年、トヨタは世界一を目指し再びチャレンジを開始しました。国内では久々の日本メーカーの参戦に再びラリー競技が盛り上がりを見せ、来年には日本開催も検討されているそうです。

 そこで今回はかつて日本で開催されていたWRC「ラリージャパン」(写真上・北海道十勝地方)で戦った日本メーカーのワークスマシンをちょっぴり振り返ってみたいと思います。

 04年、国内で初めて開催されたWRCは、北海道を舞台として10年までの7年間に6回開催されました(09年は開催せず)。

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初開催のラリージャパンで活躍した車は?

初開催のラリージャパンで活躍した車は?

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日本でも大人気だったペター・ソルベルグ選手の駆るスバル インプレッサ(写真は05年)

 初開催の04年、北海道の十勝地区を舞台としたラリージャパンで、初めてホンモノのWRCの戦いを自分の目で味わった人も多いかと思います。そんなファンの見守る中、戦いを制したのはスバル インプレッサを駆るペター・ソルベルグ/フィル・ミルズ組(ちなみにラリーはドライバーとコ・ドライバーの二人一組で戦います)。日本でも大人気だった青いスバルに乗る陽気なノルウェー人、ソルベルグ選手の勝利で幕を閉じた初開催のラリージャパンは無事成功を収めます(会期中延べ20万人余が観戦したといわれています)。

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06年には日本の新井敏弘選手もWRCマシンで参戦しました

 その後06年の開催では、前年にPCWRC(WRCマシンよりも改造範囲が狭く市販車に近いマシンで争われる)で世界チャンピオンを獲得した新井敏弘選手が、WRCマシンでラリージャパンに参戦しました。このころの日本のラリーにおける話題の中心は、常にスバルだったというファンも多いことでしょう。

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スバル インプレッサWRC2008

 08年はハッチバックとなったインプレッサ(GRB型)にマシンを変更するも、シーズン終了後にスバル(当時は富士重工業)はWRC活動の休止を発表。08年のラリージャパンは、この形のインプレッサが日本のファンの前で戦う唯一の大会となってしまいました。

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スバル以外の活躍した車は?

スバル以外の活躍した車はある?

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三菱 ランサーWRC05

 三菱のランサーWRC05もラリージャパンの歴史を飾った1台です。三菱は04年、ラリージャパンの直前にWRC参戦を休止してしまいました。当時スバル最大のライバルだった三菱は、05年すぐに復活を果たしこのランサーWRC05で出場します。ところがその年を最後にWRCから撤退してしまいます。05年のラリージャパンは、トップカテゴリーに参戦する三菱のマシンが、日本のファンの前で走りを披露した唯一の大会となってしまいました。

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スズキ SX4WRC

 08年のラリージャパンには、前年からニューマシンのテスト(スポット参戦)を続けてきたスズキのSX4が登場します。これまでWRCの登竜門的なクラスともいえるJWRC(ジュニア世界ラリー選手権)に参戦してきたスズキがトップカテゴリーへのステップアップを果たしたのです。

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ラリージャパンにも参戦し続けていたスズキのJWRCマシン スイフトスーパー1600

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WRCはもう日本で見られないの?

WRCはもう日本で見られないの?

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17年の東京モーターショーで展示されたトヨタ ヤリスWRC

 ラリージャパンが開催されていた数年は、皮肉にも日本メーカーがWRCへの参戦・撤退が繰り返される時期と重なり、10年のラリージャパン最後の大会は、日本メーカーのワークスカーがいない大会となってしまいました。

 しばらく国際的なラリーの低迷が続いた日本ですが、冒頭にも記したとおり、トヨタがWRCへの復活をはたします。トヨタはかつて、グループB時代に過酷なサファリラリーでの3連勝を記録し、1987年以降のグループA時代にはセリカでトップ争いを繰り広げチャンピオンも獲得したラリー界の雄でもあります。

 これにともない今、過酷なラリーの世界を舞台とした映画も公開されるなどラリーが注目され、国内では再びラリージャパン開催への期待が高まっています。2019年にはぜひ我々の前を疾走するトヨタ ヤリスWRCを我が国のステージで目に焼き付け、耳でそのエンジン音を堪能したいものです。

2018年6月21日(自動車カメラマン・高橋学)

高橋学(たかはしまなぶ):フォトグラファー。1966年北海道生まれ。スタジオに引きこもって創作活動にいそしむべくこの世界に入るが、なぜか今ではニューモデル、クラシックカー、レーシングカーなど自動車の撮影を中心に活動中。日本レース写真家協会(JRPA)会員。

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