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最終更新日:2017.07.14 公開日:2017.07.14

【動画あり】子ども向けじゃない!? 最新作『カーズ/クロスロード』がすごい!

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シリーズ第3弾は、これまでは挑戦する立場だった主人公のマックィーン(右の赤いレーシングカー)が、新世代に挑戦される立場となり、そして人生最大の岐路に立ち向かうことになる…! マックィーンの前を行くのが、新世代の代表格の「ストーム」。生意気な若造とのこと。日本語吹き替え版は、オリエンタルラジオの藤森慎吾が声を担当。

 いよいよ今週末の7月15日(土)に公開が迫ったディズニーのフルCGアニメのシリーズ第3弾『カーズ/クロスロード』(配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン)。

 「フロントウィンドウに目があって、しゃべるクルマが出てくる子ども向けのCGアニメでしょ?」などと思ったら大間違い。子どもたちだけに見せておくにはもったいない、実に完成度の高いアニメなのだ。ここでは、大人が楽しむためのポイントをお伝えしよう。モータースポーツ好きも必見だ。

若者もいつしか大人となり人生の岐路を迎える…!

 今回は、第1弾ではヤンチャな新人レーサーだった主人公のライトニング・マックィーンもベテランのスターレーサーになっているという設定。

 挑戦する側だったマックィーンも、いつしか台頭してくる若者の挑戦を受けなければならないという、レースはもちろん、あらゆるスポーツ(それどころか人生のさまざまな場面においても)で見られる、いつまでも頂点ではいられない「世代交代」に直面する状況になっている。「ジャクソン・ストーム」(上の画像でマックィーンの前を走るレーサー)に代表される新世代レーサーは最新テクノロジーを極限まで追究しており、マックィーンは勝つためには無謀な走りをしなければ対抗できない状況になっているのだ。

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マックィーンの年の離れた親友「メーター」(中央やや右の、年式の古い錆びたレッカー車)、恋人の「サリー」(写真左のブルーのポルシェ)ら仲間。マックィーンは彼らの期待に応えてまた走り出すのか? それとも…?

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マックィーンを襲った大ピンチを前に…!

大クラッシュから復活できるのか!? それとも…?

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マックィーン、まさかの大クラッシュ! このまま若手に負けてしまうのか、まだまだ立ちはだかる壁として存在し続けられるのか!?

 その結果、待っていたのは復活できるのかもわからないような、「引退」という文字がちらつく大クラッシュ。仲間たちや周囲の期待に応えるために再起をかけて再び走り出すのか? それとも引退して新たな道を探すのか? 人生の岐路=クロスロードにマックィーンは直面することになるのだ。

 マックィーンは、大親友の「メーター」や恋人の「サリー」、そして復帰をサポートする新たな相棒の「クルーズ」らに支えられながら、自分が進むべき道を選択する。ラストは、大人にこそ心に突き刺さる内容が待っているという。メインのターゲットである子どもたちはもちろん楽しめるが、そのお父さん、お母さん、さらにはお祖父ちゃん、お祖母ちゃんも楽しめる内容となっているのである。

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マックィーンの隣は、彼の大ファンで、ハイテクに強いトレーナーのクルーズ・ラミレス。実は女性。日本語吹き替え版は、女優・タレントの松岡茉優が声を担当。

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今回もリアルなレースシーンは注目だ!

NASCARファンなら納得のレースシーンが展開!

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なめてかかると損するのが、「カーズ」シリーズのレースシーン。「NASCAR」など、オーバルレースのテレビ中継などを細かく研究しているのがよくわかる。

 また、同シリーズは第1弾から、レースシーンが非常にリアルに描かれているのが魅力のひとつ。

 佐藤琢磨が優勝した「インディ500」は単発のレースとしての人気は別格で世界一といってもいいが、シリーズとして見た場合に全米で(世界的に見ても)最も人気があるレースが「NASCAR」だ。「カーズ」シリーズの第1弾からそれを参照しているシーンが随所に見て取れ、カメラアングルなどもまるでテレビ中継そのまんまというほど。

 ちなみにこのNASCARはどんなレースかというと、市販車と同じ名称のハコ車のレーシングカー=ストックカーによって争われる。トヨタは「カムリ」で参戦しており、ほかにフォードとGM(「シボレー」ブランドで)も参戦している。

接触プレー当たり前の荒っぽさが魅力のレース

 NASCARの特徴は、タイヤがむき出しでないことを理由に、F1などではありえない接触プレーが多いこと。もう、コースアウトさせてクラッシュさせろ! というノリで見ている観客も多く、まさに走る闘技場といった趣。

 F1などのオープンホイール系はタイヤ同士が接触するとマシンが空中に舞ってしまう危険性があるので、わざと接触するようなことは誰もしないのだが、NASCARでは後ろからプッシュしたり横からぶつけたりといった故意の接触プレーは当たり前で、その荒っぽさが魅力なのだ。「弾き飛ばされたヤツが悪い!」という、”肉弾戦系最強”のレースなのがNASCARなのである。

 そのため、全米では大変な人気で、レースも2月から11月まで年間36戦が行われる。観客動員数も毎レースごとに10万人単位という具合で、日本でいえば、1~2週間ごとにF1日本GPを各地で開催しているような人気なのである。テレビの視聴率もアメフトの次に高いといわれている。

 そんなNASCARを参照にしてレースシーンを描いているのが本作なのだ。

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NASCAR魅力のひとつ、オーバルコースとは!?

多くがオーバルコースで開催される

 NASCARというと、アメリカンモータースポーツ最大の特徴であるオーバル(楕円)コースで開催されるレースが大半を占める。

 オーバルコースはアウト側にはコンクリートウォール(厳密には、近年は衝撃吸収構造が持たせられており、単なるコンクリート製ではない)が切り立っており、エスケープゾーンがほとんどない、危険性の高さが特徴。

 本作ではそんなオーバルコースでのレースがリアルに描かれている(マックィーンはムチャクチャな走りも見せるが)。

 バンクのあるターンを2ワイド(2台並んで並走)状態で何台もが走り抜けたり、数十台のマシンが目の前をコンクリートウォールに反射・反響するエンジン音や風切り音と共に次々と駆け抜けたりなど、NASCARのテレビ中継を見たことがある人なら、なるほどと納得できるリアルさなのだ(日本ではCS放送「G+」で視聴可能)。

 「子供だましでしょ?」などと思っていると、損してしまうのが本作。大人も楽しめるストーリーはもちろん、レースシーンのリアルさも一見の価値はある。

 なお劇中での実況は、元F1レーサーの片山右京氏と、プロレスの実況などで名を馳せた元日本テレビの福沢”ジャストミート”朗アナのコンビが担当。

予告トレーラーその1。マックィーンの激走を見られる。

トレーラーその2。その1とはまた別の映像を収録。

2017年7月14日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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