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クルマ最終更新日:2016.12.14 公開日:2016.12.14

【オートカラーアウォード2016】今年の最も優秀な車両のカラーデザインは!?

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オートカラーアウォード2016のグランプリを受賞したのははたして!?

 12月9日・10日の2日間にわたり、横浜みなとみらい地区にある横浜美術館にて、一般社団法人日本流行色協会(JAFCA)の主催による、「今年最も魅力的な車両のカラーデザインは?」をテーマとする「オートカラーアウォード2016」が開催された。

 オートカラーアウォードとは年に1回開催され、2輪・4輪問わず車両のカラーデザインの企画力や、形状デザインとの調和を含む、内外装すべてのカラーデザインの美しさを評価する顕彰制度だ。1998年にスタートし、今年で19回目となる。

 今回は14のカラーデザインがノミネートされた。車種は以下の通り。ひとつのカラーデザインで複数のカラーがある場合は後ろに2色または4色と表記。また、同じテーマでも複数の車種にまたがっている場合もある。

ノミネート14カラーデザイン

1.日産「家族のストーリーを紡ぐカラーデザイン」
「セレナハイウェイスター」/「セレナ」(2色)
2.マツダ「Machine Beauty」
「ロードスターRF」
3.三菱「Precious」
「ミラージュ」(2色)
4.ヤマハ(2輪)「ヤマハのCMFGデザイン戦略」
「XSR900」(2色)/「Vino Deluxe」(4色)
5.スズキ「スペースポッド IGNIS」
「イグニス」(2色)
6.ホンダ(2輪)「Go anywhere(冒険の扉を開く)」
「Africa Twin」(2色)
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エントリーナンバーの6までを収録。丸数字は上の一覧と対応している。デザインの都合上、前後しているものもあるのでご了承いただきたい。4輪の場合は、エクステリアとインテリアを並べてある。

7.ホンダ「CMFでカタチ創る、家族の笑顔」
「フリード」
8.ホンダ「華やかさとストイックさが共存するスーパー スポーツ エクスペリエンス」
「NSX」(2色)
9.トヨタ「人の感性にひびく『サーモテクトライムグリーン』」
「プリウス」
10.トヨタ「ずっと一緒に。子どもの成長を見守るインテリア」
「ポルテ特別仕様車F”a la mode Trois」/「スペイド特別仕様車F”QueenII」
11.スバル「5日で完売!イエローのスポーツカー カラーデザイン開発。」
「BRZ Yellow Edition」
12.スバル「大人の上級スポーツ」
「レヴォーグ STI Sport」
13.スバル「hello Inspiration」
「XV HYBRID ts」
14.ダイハツ「新スタイル!大人のテイスト系『キャンバス』」
「ムーヴキャンパス」(2色)

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エントリーナンバーの7~14。こちらもデザインの都合上、並び順が前後しているものもある。

 各車のエクステリアをもっと大きい画像でご覧いただきたい方のために、今回ノミネートされた車種と、グランプリ、特別賞(準グランプリおよび3位)の各車の900×600の画像をフォトアルバムに用意。Google+のフォトアルバム機能を利用した「ニュース・プラス・フォトアルバム」に収録。リンクは最終ページに用意してあるので、興味のある方はぜひ+ご覧いただきたい。

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美しいだけが評価されない審査基準は?

単に美しいだけでは通用しない! 審査基準は8項目

 審査基準は以下の通りとなっている。

●市場に影響を与えたか
●車両のカラーデザインとして企画/発想が優れているか
●デザインの企画/発想が他業種の手本となり得るか
●従来にない色域に挑戦して成果を上げているか
●新しい技術を効果的に採用しているか
●インテリアカラーとエクステリアカラーが調和しているか
●インテリアカラーが美しいか
●エクステリアカラーが美しいか

 クルマが美しく見えるのはもちろん重要な要素だが、それだけではグランプリを獲得できないのがカラーアウォードの審査基準なのである。

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今年は横浜美術館前のファサードに全車無料展示され、誰でも見られるようになっていた。

雌雄を決するのは一般審査員の投票!? 審査方法について

 オートカラーアウォードは審査員の投票によって、最も得票したカラーデザインがグランプリに輝く。審査員には3タイプがあり、それぞれ持ち点が異なる。

 事前に申し込んだ一般の方による一般審査員は100名、1人1点の持ち点。最もよいと思うひとつのカラーデザインにのみ投票が可能だ。1人は1点だが、人数が多いので影響力は意外とある。

 そして2つ目の「自動車色彩分科会審査委員(分科会審査委員)」。同委員は、協会設立当初から活動している同分科会のメンバー企業の代表者12名で構成されており、1人の持ち点は30点、最もよいと思うひとつのカラーデザインに投票できる。なお、自社メーカーのカラーデザインには投票できないのがルールだ。

 そして、最も1人当たりの持ち点が多いのが、オートカラーアウォード審査委員(ACA審査委員)だ。Qurz〈クルツ〉Inc.のインダストリアルデザイナー・島村卓実氏、ワコールアートセンターのチーフプランナー・松田朋春氏、JAFCAのクリエイティブディレクター・大澤かほる氏という、デザインに関しての有識者3名によって構成されており、1人の持ち点は100点。

 ACA審査委員のみは最もいいと思われるカラーデザインに60点以上を投票でき、残りの点数を最大で2分して、つまり合計で最大3つのカラーデザインに投票できるようになっている。

 なお、全審査員の持ち点を合計すると、1点×100人(100点)+30点×12人(360点)+100点×3人(300点)で、760点だ。

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審査結果をまず一般審査員のものから投票!

まずは一般審査員の投票から発表!

 それではまず、一般審査員の投票による結果から発表する。

 一般の方だけに、市場への影響、他業種への手本となり得るかなどの専門的な部分まで見られる方ばかりではないはずで、どちらかというとそのクルマのカッコよさやカラーデザインの美しさなどで評価する傾向ではないかと思われる。そのため、形状デザインもカッコいいホンダ「NSX」やマツダ「ロードスターRF」などのスーパーカーやスポーツカーは有利ではないかと予想されたが、実際にNSXがトップ、ロードスターRFも上位につけた。

 ただし、コンパクトカーであるスズキ「イグニス」や、ミニバンである日産「セレナ」なども得票を伸ばしており、100票の大半がどれかに集中する、ということはなかったようだ。

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一般審査員の投票は、NSX、イグニス、セレナ、ロードスターRFの4強。

分科会審査委員による投票を加えると!?

 次に、分科会審査委員の投票が加味された。すると、一般審査員の投票ではあまり得票していなかった車両が一気に票を伸ばし、トップはヤマハの大型バイク「XSR900」とスクーター「Vino Deluxe」の混成チームに!

 2位がロードスターRF、3位もこれまた一気に躍進してきたプリウスとなっており、一般審査員の投票で1位だったNSXは4位に後退。「カッコいいスーパーカー」というだけでは得票を伸ばせないのである。

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各メーカーの本職12名による投票。それだけに単なる美しさだけでは選ばれておらず、コンセプトやどう実現しているかといった審査基準8項目の広い視野での評価がなされたと思われる。

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いよいよ総合順位を発表!

ACA審査委員の投票も加えた総合順位は!?

 というわけで、いよいよ残りは最も権限のあるACA審査委員の得票を加えたランキングの発表だ。

 一気に4位まで発表すると、以下の通りとなった。

4位:トヨタ「プリウス」
5位:スズキ「イグニス」
6位:ダイハツ「ムーヴ キャンパス」
7位:日産「セレナ」
8位:スバル「XV HYBRID tS」
9位:スバル「BRZ Yellow Edition」
10位:ホンダ「フリード」
11位:ホンダ「Africa Twin」
12位:トヨタ「ポルテ/スペイド」
13位:三菱「ミラージュ」
14位:スバル「レヴォーグ STI Sport」

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オートカラーアウォード2016の総合ランキング4~14位。

ベスト3に残ったのは!

 いよいよ大詰め、まずは第3位の発表だ。現在のところ発表されていないのは、NSX、ロードスターRF、そしてXSR900/Vino Deluxeの3カラーデザイン。

 NSXは一般審査員の投票で1位を取ったが、分科会審査委員による投票を加えた結果では4位と失速気味。この後、総合結果で1位に返り咲いたのか否か!? テーマは、「華やかさとストイックさが共存するスーパー スポーツ エクスペリエンス」だ。

 そして、分科会審査委員の投票で一気に順位を上げて1位に躍り出たのが、新ジャンル”ネオ・レトロ”カテゴリーのXSR900、レトロポップなカラーリングを用意したスクーターVino Deluxeのヤマハの2輪混成チーム。テーマは、「ヤマハのCMFG(カラー・マテリアル・フィニッシュ・グラフィック)デザイン戦略」。

 一般、分科会審査委員のどちらも順調に得票して2位に着けているのが、マツダを代表するスポーツカーの電動オープン機能搭載車「ロードスターRF」。テーマは「Machine Beauty」だ。

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いよいよベスト3を発表!

第3位となったのは…!

 まず第3位は、NSX! ベスト3に残ったが、スーパーカーだからといってグランプリを取れるとは限らないというカラーアウォードの審査基準の厳正さが証明された形となった。

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横浜美術館前のファサードに無料展示されたノミネート車両において、NSXはセンターに配置された

 授賞理由は、以下の3点だ。

【授賞理由】
●思わず足を止めて見てしまうような、存在感のある色。色の力を感じるカラーデザインである。
●陰影へのこだわりが日本的であり、日本人デザイナーの感性が生きている。
●ヌーベルブルー・パールは、手の届かない空の青を間近で見るような美しさを実現している。

 今回のNSXは日米共同開発(米国の方が主導)されており、カラーデザインも日本チームと米国チームでは異なるそうである。そこで、日本チームが推したバレンシアレッド・パールと、米国チームが推したヌーベルブルー・パールの2台が持ち込まれたというわけだ。しかも、ノミネート車種全車が無料展示された横浜美術館前のファサードでは、美術館中央という位置を絶好のポジションを押さえ、まさに必勝態勢ともいうべき状態で今回のアウォードに臨んだ。

 それゆえにこの3位は、とても担当デザイナー的には悔しかったようで、初日にプレゼンテーションを行ったホンダ技術研究所四輪R&Dセンター デザイン室 3スタジオの小林絵美氏は、授賞コメントの最中に、自分のプレゼン内容に責任を感じてしまったのか、日米両チームの努力がグランプリに届かなかったからか、悔し泣きしてしまっていた。

 なお、このNSXのカラーリングは、屋外の陽光の下で見ると、とても深みがある。NSXは米オハイオ州の専用工場で製造されているのだが、塗装は複層工程で塗り重ねることで、深く独特の「とろみ」のある質感を追求しているという。

 またNSXは全8色がラインナップされている。それぞれのカラー、またマテリアルは、世界中の誰の心にもストレートに突き刺さる”ピュアでシンプルなメッセージ”として、開発に携わる者と期待していたファンの心に、四半世紀ぶりに再び火を灯す起点としたい、という想いが込められているとしている。

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開発陣の日本チームが推した、NSXのバレンシアレッド・パール。展示ではドアやボンネットなど、オープンできるものは全部オープンして中を披露していた。

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続く第2位はなんと!?

続いて第2位の発表!

 続いては準グランプリ(2位)の発表。ヤマハの2輪混成チーム、XSR900/Vino Deluxe! 授賞理由は、以下の2点だ。

【授賞理由】
●4輪とは異なるCMF(カラー、マテリアル、フィニッシュ)が求められる2輪において、独自の新しい提案をしていることが評価される。
●特にXSR900は、ヤマハの持つ楽器の技術を用いて、クラフトのようなデザインを完成させたことが注目される。「クラフト」は今の時代のキーワードといえる。

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XSR900のマットグレーメタリック3(左)とグレイッシュブルーメタリック4(右)。

 XSR900のクラフトとは、実はアルミ製タンクカバーが最大のポイント。アルミ地の磨き跡をそのまま活かす「ヘアライン仕上げ」とし、その上からマットクリアを吹き付けているのだが、この仕上げは機械ではできないため、職人が手作業で磨いている。つまり、磨き跡が1台1台すべて異なっているので、まさにオーナーにとっては自分だけの1台というわけだ。

 また、マテリアルについては「パーツ素材そのものがすでにデザイン表現を含んでいる」、フィニッシュについては述べたように「ひとつひとつクラフトマンシップによる手作業のクオリティ」、そしてグラフィックに関しては「時代にマッチする演出」としている。

 担当デザイナーとして登壇したのが、ヤマハ発動機 デザイン本部製品デザイン部デザイン企画Gの永田智美氏と、2輪のプロダクトデザインを手がける企業のGKダイナミクス 動態グラフィック部 ユニット1の早瀬季里氏のふたり。さすがに、20万円弱のスクーターであるVino Deluxeが、NSXより上位だったということに恐縮していた。

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Vino Deluxe。カラーは左上からダークグレーイッシュブルーメタリックA、マットダークブルーイッシュグレーメタリック2、左下に移ってパープリッシュレッドメタリック5、ブラックメタリックX。男性向けと女性向けのカラーリングが用意されている。

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いよいよグランプリの発表!

2016年のグランプリはロードスターRFが獲得!

 こうしてロードスターRFがオートカラーアウォード2016のグランプリを獲得したわけだが、その理由は以下の3点だ。

【授賞理由】
●マツダが目指してきたCMFによるブランド構築の集大成ともいえる優れたカラーデザインである。
●CMFと形状が一体となって、非常に調和した美しさを持っている。
●マシーンの鉄をイメージさせるグレーを、液体を思わせるような金属感により、グラマラスでセクシーなデザインとして作り上げた。

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ロードスターRFと担当デザイナーの岡本圭一氏。

 ロードスターRFに採用されているマシーングレープレミアムメタリックは、”機械の持つ精緻な美しさの追求”をテーマとしており、力強い陰影のコントラストと表面の緻密さを高次元で両立させることで、鉄の無垢感のような質感表現を実現したという。

 その陰影が強調される度合いはあまりにも強く、ボディのわずかな傷まで強調してしまうレベルにまで至っているそうで、いってみれば、諸刃の剣というほどらしい。

 そこで、マツダではデザイン部門だけでなくプレス工程を初め、まさに全社一丸となって、デザイナーとエンジニアががっちりとタッグを組んで、マシーングレープレミアムメタリックを美しく見せるための工夫や努力をして、技術的課題の壁をクリアしていったそうだ。

 担当デザイナーとして登壇したのが、マツダ デザイン本部 クリエイティブデザインエキスパートの岡本圭一氏。晴天だったので任務を半分達成し、プレゼンもわかりやすかったと評価されたので95%の達成、そしてグランプリを取れたので100%で帰れるとコメントした。

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ロードスターRFのオープン状態。電動でルーフが引っ込む。

2016年12月15日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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