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クルマ最終更新日:2016.06.07 公開日:2016.06.07

トヨタなど、グローバル通信プラットフォーム

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グローバル通信プラットフォームのイメージ

 トヨタ自動車(トヨタ)とKDDIは2日、共同で「つながるクルマ」を世界共通で実現するための「グローバル通信プラットフォーム」の構築を推進すると発表した。

 トヨタは「クルマのつながる化」を推進中だ。現在は国や地域によって仕様が異なる車載通信機を、2019年までに世界共通の仕様とし、2020年までに日本および米国市場で販売するほぼすべての乗用車に搭載する予定としている。また、そのほかの主要市場においても順次搭載を進めていく計画だ。

クルマの位置情報で国・地域ごとに選定した通信事業者へ自動切り替え

 今回発表されたグローバル通信プラットフォームは、世界共通の車載通信機を搭載したクルマの位置情報から、国・地域ごとに選定した通信事業者への自動的な接続・切り替えと、通信状態の監視を統合的に行うというもの。これにより、「つながるクルマ」に必要な、高品質でいて安定した通信をグローバルで維持することができるとしている。

 グローバル通信プラットフォームは、上のイラストの「トヨタスマートセンター(TSC)」から「各国事業通信者」の間で仲立ちしていることからわかるように、直接利用者が操作するようなサービスではなく、より上流の仕組みに当たる。トヨタには「T-Connect」というユーザー用のテレマティクスサービスがあるが、それに置き換わったりそれを吸収したりするものではない。

 T-Connectは上図でいうところの、各国通信事業者と利用者(クルマのイラスト)をつなぐ位置のものである。両者をたとえていうなら、グローバル通信プラットフォームがKDDI(au)などの携帯電話のサービス会社=回線であり、T-Connectはスマートフォンのコミュニケーション系アプリのようなイメージだ。

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国境を越える通信は不安定で高価!?は過去の話

料金が高いローミングとは異なる

 日本はクルマで運転して直接国境を越えることがないため、複数の国をクルマで移動するような旅行はあまり経験できないのだが、国境を超えるような場合、一般的に「ローミング」と呼ばれるサービスが利用される。

 ローミングとは、携帯電話などの利用者が母国で契約している携帯電話サービス会社などの通信事業者のサービスエリア外に出たとしても、そこが母国の通信事業者が提携している外国の通信事業者のエリア内であれば、母国の通信事業者のものと同様のサービスを受けられるという仕組みだ。

 だが、ローミングは欠点として通信環境が不安定であることも多く、また料金が高くなるといった弊害がある。グローバル通信プラットフォームはそうしたデメリットを避けるため、ローミングを使用せず、より安定していて低価格な通信回線を提供する仕組みだ。

通信の接続切り替えの仕組み

 ちなみに通信の接続と切り替えは、車載通信機に内蔵されたSIMの設定情報を通信により書き換えることで、選定した通信事業者への直接接続を可能とする。それにより、利用者は低価格かつ高品質の通信を確実に利用できるようになる。

 例えば、利用者がアメリカ在住で、クルマでカナダやメキシコなどの地続きの隣国に移動して本来契約している通信事業者の回線を利用できなくなっても、自動的にカナダやメキシコの会社の回線に切り替わるため、ローミングを使用しない安定していて低料金のサービスを利用できるというわけだ。

料金などは現時点では未定

 なおトヨタ自動車の広報に確認したところ、ローミングに比べて低料金とはいっても、2019~2020年に具体的になる計画のため、利用料金について具体的なことは決定していないという。その時期のトヨタ車のほぼすべてに搭載されるとしいう発表だが、グローバル通信プラットフォームの利用を、ユーザーが選択できるのかどうかも現時点では未定としている。

 同グローバル通信プラットフォームの役割分担としては、トヨタとKDDIが共同で企画・設計を担当。開発・運用そのものはKDDIが行うとしている。国外での通信回線に関しては、KDDIが有する600社以上の海外通信事業者との関係を活かし、トヨタとKDDIが共同で選定・調達し、同通信プラットフォームに組み入れていくとした。

 ちなみにKDDIの広報に確認したところ、このグローバル通信プラットフォームはトヨタが独占して利用していく仕組みではなく、要請があればほかの自動車メーカーも含めて、さまざまな企業でも契約可能とし、普及を拡大していく予定としている。

 今後の展開としてトヨタはKDDIと協力し、安心安全なカーライフを提供すると共に、グローバル通信プラットフォームを通じて多数のクルマから収集されるデータを活用した、魅力ある製品の開発やアフターサービスに取り組んでいくとしている。

2016年6月7日(JAF MATE社 IT Media部 日高 保)

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