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スーパーGTでは、ポールポジションを獲得したマシーンが最後にスターティンググリッドへ入ってくる。ついに赤いプレリュードGTが、チームのホームサーキットである鈴鹿でGT500の先頭に立ったのだ。
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公開日:2026.11.02

リアルレーシング、ポールポジション&表彰台を獲得!——REALのリアル Vol.5<スーパーGT 2026 第5戦 鈴鹿サーキット>

2026 AUTOBACS SUPER GT ROUND 5 SUZUKA GT 300km RACE

今シーズンの開幕戦ではまだ発展途上だった新型車、HRCプレリュードGT。その速さに磨きがかかったのが、前回の第4戦・富士だった。#100 STANLEYがHRCプレリュードGTで初優勝を遂げ、我らが#17も予選3位、決勝5位に入ったのだ。マシーンの感触はいい。チームの機運も高まっている! リアルレーシングはホームサーキットの鈴鹿でどんな戦いを見せたのだろうか?

文=吉田拓生

写真=河野マルオ(maruo kono)

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<予選>戦闘力が底上げされ、勢いづくHRC勢

2026年シーズンのスーパーGTは全8戦で争われる。そして、第3戦として予定されていたマレーシア・セパンのレースが11月のもてぎに持ち越されたため、今回の鈴鹿サーキットでの第5戦が、シーズン前半を締めくくるレースとなる。

#17号車Astemo HRC PRELUDE-GTを走らせるAstemo REAL RACINGは、全レースでポイントを獲得し、着実に速さを増してきた。だが、塚越広大、野村勇斗の両ドライバー、そして金石勝智監督の口からは、「悔しい」という言葉が漏れることが多かったように思う。

開幕戦の岡山では、公式練習でいきなり2位、予選Q2でも4位と上々のスタートを切ったが、決勝は10位。第2戦の富士では公式練習でトップを取ったものの、決勝は9位に終わった。第4戦の富士でも、公式練習で再び1位、予選Q2で3位に入りながら、決勝は5位だった。チームとして、そしてレーサーの本能として、予選の順位を上回りたい。そして勝ちたい。それが本音なのだろう。

レースウィークが始まったばかりの金曜日。ピットの設営やマシーンの車検などが行われ、比較的ゆったりとした雰囲気だ。その一方で、タイヤ交換や給油を確実にこなすための練習も行われていた。
レースウィークが始まったばかりの金曜日。ピットの設営やマシーンの車検などが行われ、比較的ゆったりとした雰囲気だ。その一方で、タイヤ交換や給油を確実にこなすための練習も行われていた。

右肩上がりに調子を上げているAstemo REAL RACING。その活躍を支えているのが、マシーンを開発するHRCだ。今年から実戦投入された新型車、プレリュードGTは、開幕前の公式テストから第2戦の富士スピードウェイまでの段階では、ライバルに対してロングラン(決勝レース)での速さが足りていなかった。

だがHRCは、プレリュードGTで戦う各チームから毎戦寄せられるデータを解析し、第2戦から第4戦までのインターバルを利用して、一気に開発を進めてきたのである。

とはいえ、シーズン中にマシーンへ大きく手を加えることはルール上できない。そこで、セッティングの方向性を見直したり、マシーン全体のバランスを取るための微調整を重ねたりしてきた。その効果について、塚越広大選手は「マシーンの感触として『変わった』という感じはほとんどしませんが、ライバルと比べてみるといいタイムが出ている」と話してくれた。第4戦の富士で#100 STANLEY HRC PRELUDE-GTがプレリュードGTとして初優勝を飾ったことも、その戦闘力が向上した証しといえるだろう。

ポールポジションが確定した瞬間のピット。チーム全員で戦い、全員でつかみ取った最速の称号だ。スタッフも、ドライバーと同じように耐火性のスーツを着用している。
ポールポジションが確定した瞬間のピット。チーム全員で戦い、全員でつかみ取った最速の称号だ。スタッフも、ドライバーと同じように耐火性のスーツを着用している。
ポールポジション獲得後、笑顔で記念撮影に応じる金石監督と、塚越、野村の両ドライバー。これまでも速さの片鱗を見せてきた野村選手。その実力が、ついに予選結果として表れた。

予選Q2終了間際の一閃! #17が最速タイムを記録

ホームレースで、今回こそ自分たちが勝つ! そんな意気込みで始まったリアルレーシングの週末。公式練習では赤旗が2回出てスケジュールが乱れたものの、トップから0.5秒差の4位という好位置につけた。

気温34度というタフなコンディションで始まった予選Q1では、塚越選手がステアリングを握り、4位で突破。続くQ2では、GT500マシーンでこの日初めて鈴鹿を走り、まだ10周しか経験していなかった野村選手が、終了間際にトップタイムを記録。ついにポールポジションを獲得してみせたのだ。

パルクフェルメでマシーンを止めると、何度も拳を振り上げて喜びをあらわにする若干20歳の野村選手。普段は冷静な雰囲気の彼だが、この時ばかりは喜びが爆発したかたちだ。

「走る前はかなり緊張しましたが、走り出してみるとマシーンの仕上がりがとても良かったので、自信を持ってアタックできました」と野村選手。この予選では、HRCプレリュードGTが1位から4位までを独占。勢力図が変わりつつあることを印象づけた。

鈴鹿サーキットのランドマークのひとつ、観覧車を背景にした一枚。河野マルヲカメラマンが捉えた、鈴鹿を象徴するカットだ。レース序盤、トップを走る#17を、のちに優勝する#16が追いかけている。
鈴鹿サーキットのランドマークのひとつ、観覧車を背景にした一枚。河野マルヲカメラマンが捉えた、鈴鹿を象徴するカットだ。レース序盤、トップを走る#17を、のちに優勝する#16が追いかけている。

<決勝>次につながる2位、表彰台を獲得!

8月23日の決勝。快晴の空の下、鈴鹿サーキットを52周する300kmレースが幕を開けた。#17のスタートドライバーは野村選手。スタート直後から2位以下を引き離しにかかる。だが、GT300クラスの周回遅れが現れると、ベテランの野尻智紀選手が駆る#16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GTが一気に追い上げてきた。

スーパーGTでは、レース距離の3分の1を消化するとピットインが可能になる。#17は18周目にいち早くピットインし、タイヤを交換。塚越選手が乗り込んでコースへ戻った。その5周後、先ほどまでバトルを繰り広げていた#16がピットアウトし、一時は塚越選手の前に出た。しかし、タイヤが温まらずペースが上がらない相手の隙を突き、塚越選手がこれをパス。ピットインを終えたマシーンのなかでトップを守った。

その後は塚越選手と佐藤蓮選手、つまりレース序盤と同じく#17と#16というプレリュードGT同士の激しいトップ争いが繰り返されることになった。

気温34度の快晴の下、ピットウォークにはこの人だかり。各チームのピット前では、ドライバーがサインや記念撮影に応じていた。レースと同じくらい、スーパーGTファンの熱気もすごい。
気温34度の快晴の下、ピットウォークにはこの人だかり。各チームのピット前では、ドライバーがサインや記念撮影に応じていた。レースと同じくらい、スーパーGTファンの熱気もすごい。

レースが動いたのは36周目。Astemoシケインで#16が追い抜きを仕掛けるが、塚越選手は抜き返して粘りを見せた。しかし、続く130Rで前方のGT300マシーンを処理する際、アウト側に出た#17に対し、#16がイン側を選択。ここでトップを奪われ、勝負が決した。

HRCプレリュードGTが表彰台を独占! そのなかで、Astemo REAL RACINGはついに2位表彰台を獲得した。しかし、レース後のチームには手放しで喜べない雰囲気が漂っていた。表彰台から戻ってきた塚越選手も、#16を最後まで抑えきれなかったことを悔しがっていた。

それでも、#17 Astemo HRC PRELUDE-GTのスピードに疑う余地はない。金石勝智監督も「この悔しさをばねにして、次の菅生のレースでは自分たちが優勝します!」と決意を新たにしていた。

GT500クラスの表彰台をHRC PRELUDE-GT勢が独占。それでも、ドライバーたちの表情には、それぞれの思いがにじみ出ている。ポールポジションから2位に入った塚越、野村の両選手は、「次こそは!」と決意を新たにしていた。
GT500クラスの表彰台をHRC PRELUDE-GT勢が独占。それでも、ドライバーたちの表情には、それぞれの思いがにじみ出ている。ポールポジションから2位に入った塚越、野村の両選手は、「次こそは!」と決意を新たにしていた。

スーパーGTはいよいよ後半戦へ

シーズン前半、レースごとに調子を上げてきたAstemo REAL RACING。今回の2位で18ポイントを追加。合計34ポイントとなり、チームランキングを6位に上げた。

上位チームとの差も小さく、ここからシリーズタイトルを狙うことも十分に可能な位置につけている。メーカーとチームが一丸となって目指す悲願のタイトル。シーズン後半の戦いが、ますます楽しみになった鈴鹿ラウンドだった。

SUPER GT 2026 Rd.5 SUZUKA
GT500 CLASS – FINAL RESULT
Swipe
Pos. No. Car Drivers Laps Gap Tire SW*
1 16 #16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT 野尻智紀 / 佐藤蓮 52 Bridgestone 26
2 17 Astemo HRC PRELUDE-GT 塚越広大 / 野村勇斗 52 2.220 Bridgestone 18
3 8 #8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT 太田格之進 / 大津弘樹 52 3.011 Bridgestone 32
4 23 MOTUL Niterra Z 千代勝正 / 高星明誠 52 3.500 Bridgestone 28
5 38 KeePer CERUMO GR Supra 大湯都史樹 / 小林利徠斗 52 3.850 Bridgestone 42
6 12 TRS IMPUL with SDG Z 平峰一貴 / ベルトラン・バゲット 52 5.326 Bridgestone 30
7 24 リアライズコーポレーション Z 名取鉄平 / 三宅淳詞 52 7.928 Bridgestone 14
8 14 ENEOS X PRIME GR Supra 福住仁嶺 / 大嶋和也 52 8.830 Bridgestone 56
9 36 au TOM’S GR Supra 坪井翔 / 山下健太 52 9.070 Bridgestone 96
10 37 Deloitte TOM’S GR Supra 笹原右京 / ジュリアーノ・アレジ 52 11.296 Bridgestone 22
11 100 STANLEY HRC PRELUDE-GT 山本尚貴 / 牧野任祐 52 13.005 Bridgestone 54
12 64 Modulo HRC PRELUDE-GT 大草りき / イゴール・オオムラ・フラガ 52 50.341 Dunlop
13 19 WedsSport BANDOH GR Supra 国本雄資 / 阪口晴南 50 2 Laps Yokohama 4
– 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 関口雄飛 / サッシャ・フェネストラズ 33 19 Laps Bridgestone 34
*SW=サクセスウェイト(kg)

Weather: Sunny / Track: Dry
Fastest Lap No.19 Sena Sakaguchi / WedsSport BANDOH GR Supra 1’48.528 (40/50) 192.625 km/h

Start Time: 13:37’26 Finish Time: 15:24’26
FCY: ①14:07’26(16Laps)~14:10’33(17Laps) ②15:06’53(47Laps)~
SC: 15:08’13(47Laps)~SC先導によりチェッカー

Black and White Flag
CarNo.16 (14:53) (SUPER-GT SpR. 18-1「危険なドライブ行為」)
CarNo.8 (15:01) (SUPER-GT SpR. 付則-7 3.3)(10)「複数回の走路外走行」)

CarNo.37 ペナルティストップ 5秒 (SUPER-GT SpR.22-4.「エンジン交換」) (8/23 8:21)
CarNo.100 ペナルティストップ 5秒 (SUPER-GT SpR.22-4.「エンジン交換」) (8/22 11:15)
CarNo.64 Igor Omura Fraga 競技結果に40秒加算 (SUPER-GT SpR.13-1.a 付則-7 3.4)(1)「危険なドライブ行為」) (8/23 15:22)
Information

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