<予選>存在感が一気に高まったプレリュード勢
新型車両であるHRC PRELUDE-GTを投入した今シーズン、Astemo REAL RACINGは開幕戦から非凡な速さを見せてきた。第1戦の岡山では、公式練習でいきなりの2位。予選ではQ2に残り、プレリュード勢で最上位となる4位を獲得している。また第2戦の富士スピードウェイでも公式練習でトップタイムを奪取し、存在感を示している。
今シーズン2回目の富士スピードウェイ決戦となった今回、第4戦の公式練習でも野村勇斗が圧巻のアタックを決めて最速タイムを記録。確実に速さを増している印象の#17 Astemo HRC PRELUDE-GT。予選に向けて、期待は高まるばかりである。
午前中の晴れから一転、若干雲がかかって過ごしやすくなった富士スピードウェイ。14時過ぎに始まった予選では、野村がQ1を担当することになった。公式練習からの好調を維持した野村は、終了間際にトップタイムを叩き出し、Q1突破を果たした。2位には#100 STANLEY HRC PRELUDE-GT、3位にも#8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GTが入り、トップ3をプレリュード勢が占めてみせた。
続く予選Q2では塚越広大がマシーンに乗り込み、アタックを開始。スーパーGTでは特に予選用タイヤを履くわけではないが、それでもコースに十分ラバーが乗った終了間際の3分ほどがタイムアタックのチャンスとなる。ここで塚越はQ1の野村を上回る好タイムを出したが、それでも#100とポールを獲得した#8に先を行かれ、3位に落ち着いた。
今回は富士は300kmレース
今回の予選で際立ったのは、プレリュード勢の躍進だった。5位に#16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GTが入り、上位5台中4台をプレリュード勢が占めたことになる。
この活躍について、Astemo REAL RACINGの大駅俊臣チーフエンジニアは「HRCを通してデータは共有して開発を進めた成果が確実に出てきていると思います」と自信をのぞかせる。
一方、野村選手は「前回の富士でもアタック一発のときのマシーンのフィーリングはとてもいいです。それに全体的な速さが増してきていることも実感しています。
あとはうまくロングのスティントを走り切るということが重要になります」と、決勝に向けて慎重なコメントを寄せた。ちなみに前回の富士は3時間レースだったが、今回は300kmレースとなる。
<決勝>スティント後半の苦しさを乗り切り、5位を獲得!
8月2日に開催された決勝レースでは、心配されていた通り、スタート前になって雨が降り出した。ここで少しタイヤ選択をめぐる混乱があり、ウェットタイヤを装着するチームも出てきたが、マシーンがグリッドに着く頃には雨が止んだため、GT500クラスは全車スリックタイヤで走り出すことを決めている。
路面がわずかに濡れていたため、セーフティカー先導によって隊列が整えられ、4周目からレースが始まった。するとすぐにホンダ勢の一角、#64 Modulo HRC PRELUDE-GTがホームストレート上で大クラッシュを喫し、赤旗中断となってしまった。
再びセーフティカー先導で、10周目にレースが再開。Astemo HRC PRELUDE-GTのスタートドライバーを務める野村は、前を走る2台に必死に食らいついていたが、GT300クラスの周回遅れが現れると走行ラインを外す必要があり、そこでペースが落ち始めてしまった。これまでのレースでもチームを悩ませてきたピックアップ(コース上に落ちているタイヤのゴムカスがトレッドに付着し、グリップが落ちてしまう現象)の問題が発生したようだった。
21周目には#38 KeePer CERUMO GR Supraに抜かれて4位にポジションダウン。さらに#37 Deloitte TOM’S GR Supraにも先行されてしまう。この直後に金石勝智監督がピットインを指示。24周目に野村から塚越へバトンタッチされたのだった。
課題はロングラン
ピットインで8位からの挽回となった塚越は、順調に順位を上げていき、33周目には表彰台の一歩手前となる4位まで浮上。だが、ここからは思ったようにタイムを伸ばすことができず、後続に迫られてしまう。
そしてレースが残り6周となったとき、ついにランキングトップの#36 au TOM’S GR Supraに先行を許してしまった。それでも塚越はベテランらしい冷静な走りでマシーンをチェッカーまで運び、シーズン最高位となる5位でレースを終えた。
塚越選手は「走りはじめのペースは良かったのですが、中盤からはペースを上げられませんでした。悔しいですね。原因はピックアップだと思いますが、今の段階でははっきりしません。調べてみる必要があります」とのこと。
一方、野村選手も「走りはじめはいいフィーリングでしたが、途中からはアンダーステアが強くなり、前を行くプレリュード勢と同じようにはペースを上げられませんでした。やはりロングランに課題があると思います」とレースを振り返った。
ここまで開幕2戦からポイントを獲得していたAstemo REAL RACINGだが、今回のレースではシーズン最高位となる5位に入り、貴重な9ポイントを追加している。こうなると、確実に調子を上げてきているHRCプレリュード勢の中にあって、さらなる好成績を期待せずにはいられない。
金石勝智監督は「今回は決勝レースまでの流れが非常に良かっただけに悔しいです。次の鈴鹿では決勝レースに焦点を当ててがんばります」と力強く語ってくれた。いよいよプレリュードの躍進から目が離せなくなってきたのである。
サーキットの外でも、レースははじまっている。
アステモ リアル レーシングの最新情報はこちらから
Web|リアルレーシング 公式サイト
Instagram|@REAL RACING_17
X|@REAL_RACING
YouTube|@realracing17
