【フォト&動画】曲線美のトヨタ「2000GT」&フェラーリ「ディーノ」試乗
トヨタの幻の名車「2000GT」。総生産台数が377台と少なく、現在も走行可能な車両は100台ほどといわれる。
お台場で、トヨタが運営している無料のクルマ・テーマパークMEGA WEB。同施設ではさまざまなイベントを行っているが、これまでは、なかなか乗ることのできない、レアなクルマたちの同乗試乗会の模様をお届けしてきた。
これまでのラインナップは、かつて行われていたフォーミュラの入門レースの「フォーミュラ・トヨタ」のオープンホイールマシン「FT30」の特別仕様タンデムカー、ナンバー付き車両で走れてとても人気の高いワンメイクレース「ヴィッツレース」の出場車両、そしてトヨタの最新パーソナルモビリティで公道での走行が始まっている「i-ROAD」の3台。
今回の同乗試乗は往年の名車たち!
そして今回は、ヒストリックカーだ。MEGA WEBの3施設のひとつである「ヒストリーガレージ」では、トヨタ車に限らず、1940年代から1980年代後半までの、歴史的に価値のある国内外の名車をレストアして動態保存(実際に走行可能な状態での保存)している。
8月25日・26日に、ヒストリックカーの同乗試乗イベントが行われたので、実際に名車の助手席に乗ってきた。
現在、ヒストリーガレージでは国産車と外国車が約20台ずつ動態保存されている。今回は、その中から、以下の8台が隊列を組んで、試乗コース「ライドワン」を走行した(リストは五十音順)。
●アルファロメオ「1600 スパイダー・デュエット」(1966年式)
●GM「キャディラック シリーズ62」(1959年式)
●GM「シボレー コルベット スティングレイ」(1963年式)
●デロリアン「GMC-12」(1981年式)
●トヨタ「カローラ レビン GTV (AE86)」(1984年式)
●トヨタ「2000GT 輸出仕様(MF12)」(1967年式)
●日産「スカイライン 2000GT-R (KPGC10)」(1970年式)
●フェラーリ「ディーノ 246GTS」(1973年式)
ディーノを先頭に、GT-Rまで8台が走行。年代は、1959年から83年まで四半世紀近い幅がある。
スタート前の様子を後方から。
この8台の内、万が一走れなくなったクルマが出たときのバックアップ用として、トヨタ「ソアラ 2800GT (MZ11)」(1981年式)もスタンバイした。
また、今回は走行しなかったが、ライドワンのピットに以下の3台の展示も行われ、運転席へ乗り込むこともできた。
●BMW「イセッタ」(1960年式)
●フィアット「500 D ヌオーヴァ」(1962年式)
●マツダ「コスモスポーツ L10B」(1971年式)
ちなみに、ヒストリーガレージのこうした往年の名車たちはきちんと整備されていて走行自体は何の問題もないが、一般道での走行を想定していないので車検は通していない。そのため、ナンバーはMEGA WEBオリジナルとなっている。
MEGA WEBが動態展示をしている理由
ピット前を通過するディーノ。走れるディーノは、とても台数が少なくなっているという。
実は、かつては月1ペースぐらいでヒストリックカーの同乗試乗イベントが行われていた。しかし、MEGA WEBもオープンして17年が経ち(2016年7月に来館者1億人を達成)、動態保存しているヒストリックカーたちもそれだけ年数を重ね、維持が大変になってきているという。そのため、現在は1シーズンに1回程度、年に3~4回にペースを落として、同乗試乗イベントが行われている。
動態展示を行っている理由は、クルマは静態展示にしてしまうと、さらに痛みやすくなってしまうからだ。クルマを「生きた」状態で保存するには、整備は大変だが、実際に定期的に走らせることが必須。MEGA WEBではただ工業製品として展示するだけでなく、「現役のクルマとして」名車たちを保存しているのである。
2000GTとディーノの魅力!
その中で今回、記者が同乗試乗させてもらったのは6台。その中から、まずは国産車史上屈指のエレガントさを誇るといわれ、時代を超えた美しさが愛されているトヨタの「幻の名車」(総生産台数377台)といわれる2000GTと、これまた時代を超えた曲線美を誇り、フェラーリ屈指のハンドリングマシンといわれる「ディーノ」を紹介しよう。
2000GT。このエレガントなデザインを現代に蘇らせてもらいところだが…。
ディーノは製造はフェラーリだが、正確には「ディーノ」ブランド。なのでエンブレムはディーノだ。
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このあとは2000GTとディーノを動画で紹介!
まずは2000GTのエンジン音とその走りを動画で!
ヒストリーガレージの2000GTは、輸出仕様のための試験車両だそうで、左ハンドル車。当時の米国の多くの整備工場の技術レベルではDOHCの整備は技術的に難しいという判断により、よりシンプルなSOHCに変更されており、それをカバーするためにエンジンの排気量は2300ccにアップしたという。実は、2300GTともいうべきスペックなのだ。
動画は、2000GTの助手席からの映像と、8台で隊列走行した際の前方を走るキャディラックからと、すぐ後方を走ったレビンから撮影したものの3点を紹介。
助手席からのものは、隊列走行ですぐ前を走っていたデロリアン、さらにその前のキャディラックの走りがよく見えるので、その2台の走りも楽しんでもらいたい。もちろん、2000GTの車内からなのでエンジン音にも注目だ。
またドライバーは、フォーミュラ・トヨタの取材でもお世話になったチャンプ☆FUJITA氏で、2000GTに関する貴重な話も聞かせてくれる(動画は、運転中に話をしてくれたので、そのまま収録している)。
2000GTの助手席から撮影。前方を走るのはデロリアン。ライドワンを3周して、動画の時間は7分2秒。
2000GTの走りを後方のカローラ レビンから撮影。トータル時間は7分14秒。
2000GTの走りを前方のキャディラックから撮影。トータル時間は6分26秒
なお2000GTは、この原稿中で使用していないものも含めて、一回り大きいサイズ(900×600)の画像全11点のフォトアルバムを用意。こちらからご覧いただくことが可能だ。
ディーノは夕方以降はオープンカーで走行!
ディーノを後ろから。曲線美がすごい。
続いてはディーノ。こちらの助手席からの映像は、単体で走行してもらったものなので、ほかの車両のエンジン音はない。じっくり聞いてほしい。
そして後方からの撮影は、コルベット・スティングレーからのもの。このときはタルガトップのGTSならではの、オープンカーでの走行だ。また夕方なのでMEGA WEB各所の照明がともり、昼間とは違う雰囲気である。
それと、コルベット・スティングレーも結構エンジン音がいい感じなので、こちらも要チェックだ。
ディーノのフォトアルバムはこちら。サイズは記事で使用しているものよりも大きい900×600で、全15点をご覧いただける。
ディーノの助手席から撮影。左ハンドル仕様。トータル時間は5分27秒。
ディーノの走りを、後方のコルベット・スティングレーから撮影。トータル時間は5分57秒。
このあとも、ほかの名車たちを紹介するのでお楽しみに! 後編は『同乗試乗レポ第4弾名車編【後編】「デロリアン」でタイムトラベル? 「スティングレイ」「ハチロク」も必見!』
2016年8月30日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)
フォトアルバム
●トヨタ「2000GT MF12型(1967年輸出仕様テスト車)」(サイズ900×600:全11点)
●トヨタ「2000GT MF10型(1966年谷田部スピードトライアル仕様レプリカ)」(サイズ900×600:全25点)
●フェラーリ「ディーノ 246GTS」(1973年式)」(サイズ900×600:全15点)
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