第3回エコノミークラス症候群
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熊本地震で車中泊をしていた被災者の方が発症したことでも話題になった「エコノミークラス症候群」。これは長時間同じ体勢で過ごしたことで、足の血管に血のかたまりができ、それが血流に乗って肺の血管を詰まらせてしまうものです。 車中泊だけでなく、同じ姿勢で長時間座っている長距離ドライブの車内も注意が必要。同乗者だけでなく、ドライバーもなったという報告もあります。運転中はもちろん安全第一ですが、かかとを上げたり、足首を回したり、もんだりさすったりなどを、積極的に行うようにしましょう。予防には、こまめな水分補給も大切です。
そこで今回は、長距離ドライブの途中の休憩時に、エコノミークラス症候群の予防と合わせて、心も身体も気持ちよくリフレッシュさせる、手軽で簡単なエクササイズをご紹介します。これらの運動をしたり、お散歩するなどして、積極的に身体を動かしましょう!
エクササイズ1
ヘッドレストを使って、肩関節まわりをほぐそう!
背骨をできるだけまっすぐにしてシートに座り、写真のようにヘッドレストを両手でつかみます。肘は、頭を挟むような形にして閉じ、天井方向に向けます。約30秒間この姿勢をキープして、脇の下を伸ばします。すると、縮んでいた胸の前の筋肉が伸びて、リンパ液の流れが良くなり、こり固まった肩関節まわりがほぐれていきます。
エクササイズ2
肩を大きく回して、肩甲骨を動かそう
次は、運転中には使われない、肩甲骨まわりの筋肉を動かす運動です。車の外に出て、肩に指を乗せて、肘を後ろに10回ほど回します。時間があれば、前回し10回を先に行い、その後にするとより効果的。ポイントは肘をなるべく大きく回すこと。
エクササイズ3
太ももの前を伸ばして、血の巡りを良くしよう
上半身の次は下半身。まずは太もも前部のストレッチです。片足の膝を曲げて手で足をつかみ、太ももの前が伸びるように後ろに引きます(写真)。そのまま約30秒。手は手すりや壁などで支えるといいでしょう。両足とも行い、運転中に使わない筋肉に刺激を与え、バランスを取りましょう。
エクササイズ4
足の付け根を伸ばそう
次は、足の付け根を伸ばす運動です。階段など段差に片足を乗せ、反対の足をぶらんとさせます。その足を、付け根(股関節)からゆっくりと前後に振ります。手は、手すりや壁などで支えましょう。10回ずつ両足行います。コツは、足の付け根あたりに程よい伸びが感じられるように行うこと。エクササイズ3とセットで行うと、さらに効果的です。
エクササイズ5
仕上げは全身運動。身体をシャキッとさせて運転に戻ろう
仕上げは、上半身と下半身をつなげるための全身運動です。車を背にして一歩前に進み、身体をねじります。両手を車につけて、10数えます。ゆっくりと正面に戻り、逆側にねじって10カウント。時間があれば、3セット行ってください。
指導:大久保圭祐(おおくぼ けいすけ)
パーソナルトレーナー・ロルファー™。
中央大学卒業。同大学キックボクシング部に在籍し、主将として活躍。在学中、プロライセンスを取得し本場タイのムエタイジムに留学。卒業後は様々なフィットネスクラブの専属パーソナルトレーナーを経験し、フリーランスとして独立。ボディワークの”Rolfing®”に興味を持ち、渡米してRolf Institute®を卒業。筋膜メソッド+パーソナル技法で女性の身体を美しく整えるケイスケ式メソッドを綴った初の著書『筋膜ボディセラピー』(三栄書房)好評発売中。
大久保圭祐先生のWEBサイトhttp://www.keisuke-o.net/
撮影=小林悠佑 企画・編集=鈴木珠美(オフィスタマ)