メルセデス・マイバッハが考えるおもてなし車とは?
4月に開催されたオートチャイナ2018(北京モーターショー)でマイバッハの超ゴージャスSUV「ヴィジョン・メルセデス・マイバッハ・アルティメット・ラグジュアリー」というコンセプトカー(しかもEV)がお披露目された。マイバッハが考える近未来のVIP車とは?
SUV+セダン?ボディシルエットからして強烈なインパクト
マイバッハは2002年に発表された「62」や「57」など不思議な形の車が多かったが、マイバッハ初のSUVである、アルティメット・ラグジュアリーも奇抜なスタイルがさらに極まっている。会場で実物を見た際も、カッコいいかどうかは別にして威圧感だけは凄かった。中国では近年、SUV人気が高まっている。大きなボディ、広い後部座席、光り輝くインテリアが中国人富裕層の好みということで、アルティメット・ラグジュアリーは、まさに彼らの好きなものをすべて盛り込んだスタイルなのだ。
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富裕層好みの超豪華仕様インテリアとは?
超豪華仕様のインテリアにも注目!
中国富裕層向けに開発された車ゆえインテリア、特に後部座席のおもてなしスペースがかなり独特だ。ローズゴールドの美しい刺繍が施された後部座席のセンターには、急須や湯飲み茶碗、さらには数種類の茶葉など茶器一式が備わっており、後ろの乗客が誰であるかに応じて、様々なお茶類やリラクゼーションプログラムが提供される。例えば、ここに座るVIPの好みをリサーチして、マッサージ、フレグランス、音楽と光が連動する癒しのシステム等が提供されるのだそう。なお、発表資料によると、「この総合的な快適装備とインフォテインメントシステムは、すべての世界市場向けに個別にプログラムされる」と記載がある。同車は中国VIPのみならず、世界の富裕層に向けた車としてアレンジすることも可能のようだ。
ウッドトリムは黒檀を採用
日本で販売されていたマイバッハは、内装の化粧板に大理石が選べるオプションがあったが、アルティメット・ラグジュアリーのウッドトリムには最高級の黒檀が採用されている。黒檀は日本では高級仏壇の素材としておなじみ。大変硬い木材で加工には高い技術力が必要とされるが、磨けば鏡のように美しい光沢が出ることで、古くから日本や中国で珍重されてきた。前席シートの後部に取り付けられたピンクゴールドの装飾板も中国富裕層好みの光り輝くゴージャスなアイテムだ。また、運転以外のすべての操作は音声コントロールで行われ、ユーザーの声によって対話式で作動する。
世界各国のVIPが、この車に乗る日はやってくるのだろうか? 中国VIP向けには茶器セットが目玉となっているが、各国市場向けにアレンジされた後部座席のセンターには、何がセットされるのだろうか? 今から気になって仕方がない。
2018年6月21日(雨輝・加藤久美子)