太宰府IC～福岡空港がついに直結!?「福岡高速3号線」の延伸で空港アクセスが改善。高架とトンネルの整備が事業中【いま気になる道路計画】

福岡高速3号線で空港へのアクセスが改善！

福岡高速3号線の位置図。

福岡空港は、国内およびアジア諸外国とのネットワークを構成する九州の拠点空港だ。多くの人が集まる福岡空港へのアクセスを円滑にすべく「福岡高速3号線（空港線）」を延伸する事業が進められている。

「福岡高速3号線（空港線）」は、福岡市博多区の豊（ゆたか）JCTから福岡空港方面を結ぶ都市高速道路。現在は「豊JCT〜空港通出入口」の約0.6kmが供用され、空港アクセス用の短区間の道路として機能している。

延伸事業は2021年度から進められており、空港通ランプの先から国内線ターミナル付近にある「空港北口交差点」までが繋がる。延長は約1.8kmで4車線、設計速度は60km/hで計画されている。 約1.8kmと短い区間ながらも高架区間と地下トンネル区間の両方で構成されているのが特徴だ。

国道3号バイパス「空港口交差点」からが地下トンネル区間となっており、これには一般交通と空港利用交通を分離し、混雑を解消する狙いがある。また、地下トンネルにすると高架に比べて騒音を抑えられることもメリットだ。福岡空港のすぐそばには、住宅地が隣接しているため、騒音問題を切り離して考えることはできない。

さらに、空港のすぐそばを走るという性質上、地上には建築物の高さ制限があるが、地下トンネルならばその心配もなくなる。そして、飛行機を見るためのわき見運転による交通事故などの懸念も少なくなるという利点がある。

福岡高速3号線の延伸によって得られるメリット

空港口交差点の整備後イメージ。

福岡高速3号線の延伸事業により、福岡市南部や太宰府方面から国内線旅客ターミナルへのアクセスが大幅に改善されることが見込まれている。

現在、福岡高速3号線では「半道橋出入口」や「金の隈（かねのくま）出入口」で一般道に降りて、空港北口交差点まで数kmは走行する必要がある。そのため、福岡空港周辺では空港口交差点などで交通渋滞が頻発しており、移動時間が安定せず、通勤・送迎・物流などさまざまな交通に影響が出ている。

延伸事業により、福岡高速が空港付近まで直結することで混雑の緩和が期待されている。

具体的には、国内線旅客ターミナルまでの所要時間が天神・香椎方面からは約5分短縮、福岡市南部地域や大宰府IC方面からは約10分短縮される見込みだ。これにより、空港までの到着時間をより正確に予測できるようになり、旅行者やビジネス利用者にとって利便性が大きく向上する。もちろん、荷物を扱う物流業者にとっても定時性が増すことで配送計画の効率化に繋がる。

さらに、延伸に伴う渋滞緩和は地域の交通環境にもプラスに作用する。周辺一般道路の通行量が減少することで、交通事故のリスク低減や排気ガスの抑制に繋がり、環境負荷の軽減が期待される。加えて、ドライバーや乗客のストレスが軽減されることで、日常生活の快適性や安全性の向上にも寄与する見込みだ。

また、都市高速道路のネットワークが強化されることで、福岡都市圏全体の交通効率が高まり、観光やビジネスの活性化にもつながると考えられる。

福岡高速3号線の延伸事業はどこまで進んだ？

福岡高速3号線の延伸事業のスケジュール。

福岡高速3号線の延伸事業は、2020年度に都市計画変更の決定告示がなされた。つまり、延伸が正式決定されたということだ。

そして、2024年度は用地測量や詳細設計などが実施されるとともに、物件調査や用地取得、工事の支障となる地下埋設物の移設も進められている。2025年度はこれらを引き続き進めるとともに、近隣公園施設の移設や既設橋脚の補強工事が着手された。

気になる開通予定時期だが、正式な発表はまだされていない。また、事業進捗率や用地取得率も同様に発表されていない。

福岡高速3号線の延伸事業は単なる道路建設にとどまらず、空港アクセス改善、地域交通の安定化、環境負荷低減、都市全体の利便性向上といった多面的なメリットをもたらすプロジェクトだ。福岡の交通環境や都市機能のさらなる発展のため、まずは完成予定時期の発表が待たれる。

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