圏央道の4車線化はどこまで進んだ? 久喜白岡JCT~大栄JCTの全線開通は2026年中の見込み【いま気になる道路計画】
圏央道(首都圏中央連絡自動車道)は東京都心を中心に半径40~60kmの地域をぐるりと囲むように環状に構築された、全長約300kmの自動車専用道路です。そのうち久喜白岡JCTから大栄JCTまでの約92.2km区間では、4車線化事業が段階的に進められていますが、事業進捗はどうなっていて、いつごろ4車線化が完了するのでしょうか。
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圏央道 久喜白岡JCT~大栄JCTの4車線化はどうなった?

2025年3月に幸手IC〜五霞ICの4.2kmが4車線化した。
首都圏中央連絡自動車道(圏央道)は、首都圏の外側を環状に結ぶ、全長約300kmの重要なアクセス網です。現在、その約90%が開通していますが暫定的に2車線で運用されている区間が多く、4車線での運用が待ち望まれています。
そして、圏央道のうち久喜白岡JCT~大栄JCTまでの約92.2km区間では、4車線化事業が段階的に進められています。2023年3月には久喜白岡JCT〜幸手ICと、境古河IC~坂東ICで4車線での運用が開始。さらに、2025年3月には幸手IC〜五霞ICの4.2km区間でも4車線化が実現しました。4車線化に伴ってこれらの区間では、最高速度が時速70kmから時速80kmへとに引き上げられています。
2026年の全線開通に向けて事業進行中!

圏央道4車線化の今後の開通予定。区間によって差はあるものの、全線開通は2026年を予定している。
圏央道 久喜白岡JCT~大栄JCTで4車線化が実現していない区間では、どれくらい4車線化事業が進んでいるのでしょうか?
2024年に開催された「首都圏中央連絡自動車道4車線化(久喜白岡JCT~大栄JCT)連絡調整会議」の資料によれば、つくば牛久IC〜牛久阿見ICおよび阿見東IC〜稲敷ICは2025年夏、つくば中央IC〜つくばJCTは2025年度までの開通を目指しています。
また、久喜白岡JCT〜坂東ICの工事を担当しているNEXCO東日本さいたま工事事務所は「現在、境古河ICから五霞ICの区間において整備を進めています。2026年の開通に向けて、整備は順調に進んでいます」と答えてくれました。
残る、坂東IC~つくば中央IC、牛久阿見IC~阿見東IC、稲敷IC~大栄JCTの各区間についても、2026年度中の開通予定とされています。そのため、2026年度中には、圏央道 久喜白岡JCT~大栄JCTの全区間で4車線化が完了する見込みです。
4車線化で渋滞が大幅減

圏央道 久喜⽩岡JCT〜幸⼿ICでは4車線化によって交通渋滞が解消された。
圏央道 久喜白岡JCT~大栄JCTが4車線化するとどのような整備効果があるのでしょうか。
まず期待されているのが慢性的な渋滞の緩和です。特に大型車両の通行が多い圏央道では、片側1車線の状態では追い越しや走行の余地が限られ、交通集中時には通行の滞留が起こりやすくなっていました。しかし、4車線化によって走行空間が拡張されることで、通行の円滑化が図られるといいます。
実際、国土交通省によると、久喜⽩岡JCT〜幸⼿ICでは4車線化によって交通渋滞が大きく減少し、内回り・外回りともに解消されたと報告されています。
【圏央道 久喜⽩岡JCT〜幸⼿ICの渋滞回数】
・外回り 4車線化前:118回 → 4車線化後:0回
・内回り 4車線化前:590回 → 4車線化後:0回
他にも4車線化によって車線変更の自由度が高まり、急減速や急停止の頻度が減少することで、交通事故のリスク軽減や物流効率の向上も期待されています。
このように、圏央道 久喜白岡JCT~大栄JCTの4車線化は単なる道路拡幅にとどまらず、交通安全、地域経済、物流機能といったさまざまな面に波及効果をもたらす事業です。より一層の利便性と安全性の向上のため、早期の4車線化が待たれます。
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