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最終更新日:2025.05.01 公開日:2025.05.01

ヤングタイマー好きな若者たちがつくる自由な世界。第2回「YOKOHAMA Car Session」にはクルマ愛が溢れていた!

横浜赤レンガ倉庫入口にて、参加者全員の集合写真

2025年4月20日、横浜・赤レンガ倉庫前で35歳以下のクルマ好きが集まるカーミーティング「YOKOHAMA Car Session」が開催された。会場には約150台もの個性豊かなクルマが集結し、独特の“心地良い雰囲気”が漂っていた。その正体とは何だったのか、元スバルのカーデザイナー渕野健太郎が語る。

横浜赤レンガ倉庫入口にて、参加者全員の集合写真

文=渕野健太郎

写真=塚原孝顕

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現在の若者たちには余計な“壁”がない!

2025年4月20日、横浜・赤レンガ倉庫前の広場に150台近くの個性豊かなクルマが並びました。「YOKOHAMA Car Session」第2回目の開催が行われ、その熱気と多様性を感じました。

このイベントの特徴は何と言っても参加条件が「35歳以下」である点です。車種、メーカー、ジャンル、年式などに一切の縛りはなく、ただ「クルマが好き」という共通点だけで集まった若者たちが、自慢の愛車とともに赤レンガの前に集結しました。

背景に横浜赤レンガ倉庫があると、とても絵になりますね。この場所で自分たちのクルマがカーミーティングの主役になれたことをは、参加者にとっても最高の思い出になるハズです。

背景に横浜赤レンガ倉庫があると、とても絵になりますね。この場所で自分たちのクルマがカーミーティングの主役になれたことをは、参加者にとっても最高の思い出になるハズです。

どこを切り取ってもジャンルが異なるクルマが並んでいるので、見ていて飽きませんね。

どこを切り取ってもジャンルが異なるクルマが並んでいるので、見ていて飽きませんね。

会場に並ぶクルマは実に多彩で、ポルシェを始めとした純粋なスポーツカーがあれば、のんびりとした雰囲気を持つルノーキャトルなどが一堂に並んでいました。

ほとんどのモデルを知っている私ですら、車名が分からないような超マイナーな車種や、時代を代表するような名車もあり、一台一台にオーナーの「好き」が詰まっているのが伝わってきました。

それにも関わらず、不思議なほど会場には一体感がありました。かつては、ジャンルが異なるクルマ好き同士が交わることは少なく、イベントでも無言の“棲み分け”があったように思います。

しかし、このYOKOHAMA Car Sessionでは“癒し系”も“走り系”も関係なく、自然に隣り合い、オーナー同士が会話を交わしていました。

これは、クルマに対する価値観が時代とともに変化している証拠かもしれません。クルマを所有していること自体が“共感”の対象になってきているのです。ジャンルやブランドを超えて、「それいいね」と言い合える関係性こそ、今の若者らしいスタイルなのではないでしょうか。

同世代のオーナー同士の交流はとても楽しそうです。

同世代のオーナー同士の交流はとても楽しそうです。

過去にインタビューさせていただいた方達も何人か会場で発見しました(笑)。

過去にインタビューさせていただいた方達も何人か会場で発見しました(笑)。

クルマ文化の未来は、まだまだ面白そう!

YOKOHAMA Car Sessionを主催した3名にお話を聞くと、その中のひとりは、「これは完全に趣味でやっているイベントです」と語ってくれました。

3人とも横浜出身ということで、「赤レンガでクルマのイベントをやれたら楽しいよね」という軽いアイデアから始まり、それぞれの得意分野を活かして実現したのが、このYOKOHAMA Car Sessionです。

会場の手配から運営まで、すべてが手作り。今回もボランティアスタッフに支えられての開催でしたが、参加者たちの反応が原動力になっているといいます。

イベント主催者のひとりである本田浩隆さん。愛車はシトロエン「BX19TZi」です。現在はクルマの整備マニュアルや配線図を書くテクニカルライターのお仕事をされています。

イベント主催者のひとりである本田浩隆さん。愛車はシトロエン「BX19TZi」です。現在はクルマの整備マニュアルや配線図を書くテクニカルライターのお仕事をされています。

イベント主催者のひとりである甲野大輔さん。愛車はホンダ「S2000」です。現在は不動産の会社で都市開発などを行う、総合デベロッパーのお仕事をされています。

イベント主催者のひとりである甲野大輔さん。愛車はホンダ「S2000」です。現在は不動産の会社で都市開発などを行う、総合デベロッパーのお仕事をされています。

YOKOHAMA Car Sessionの発起人である後藤和樹さん。愛車はいすゞ「ピアッツァXE」です。現在は展示会などのブースのデザイン設計に関わるお仕事をされています。

YOKOHAMA Car Sessionの発起人である後藤和樹さん。愛車はいすゞ「ピアッツァXE」です。現在は展示会などのブースのデザイン設計に関わるお仕事をされています。

実際、イベント開催が近づくにつれ、SNSの投稿では愛車を磨き始めたり、地方から横浜に向かう投稿が増え始めたりと、「クルマ好きの祭り」に向けての準備が自然と動き始める様子があったそうです。

そして、多くのオーナーにインタビューをした中で印象的だったのが、「子どものころからクルマが好きだった」という声の多さです。中には親の影響でクルマに興味を持ち、長年の憧れを叶えて愛車を手に入れたという参加者もいました。

何年も前から「若者のクルマ離れ」が叫ばれていますが、本質的に「好きな人はちゃんと好き」なのだということを再確認させられました。

横浜赤レンガ倉庫に偶然訪れたであろう人たちも、このイベントに興味津々のようでした。

横浜赤レンガ倉庫に偶然訪れたであろう人たちも、このイベントに興味津々のようでした。

第2回 YOKOHAMA Car Sessionの様子

第2回 YOKOHAMA Car Sessionの様子

今の若い世代の特徴として感じたのは、お金の使い方に対する姿勢です。節約志向が強いと言われる一方で、「好きなことにはしっかりお金をかける」姿勢が印象的でした。

実際にこのイベントに参加していたクルマは、今やプレミアがついたものが多く、維持費や修理費も含めるとかなりの時間とお金をかけていることが容易に想像出来ます。それもあってか、細部までこだわり抜いた愛車からは、彼らの情熱が溢れていました。

マーケティングの世界では世代ごとの嗜好性を分類することがよくありますが、Z世代をはじめとする今の若者たちには「多様性」そのものがアイデンティティのように感じられます。

だからこそ、大きなブームや画一的なトレンドは生まれにくい一方で、それぞれの「好き」が静かに、でも確かに根を張っているのです。

クルマという趣味もまた、そうした「多様な好き」のひとつとして生き残っているのでしょう。SNSを通じて仲間とつながり、イベントを通じて実際に顔を合わせて交流し、好きなものを堂々と楽しむ。そんな彼らの姿を見て、クルマ離れなんて言葉は、もはや時代遅れなのだと感じました。

YOKOHAMA Car Sessionは、クルマが好きな若者たちの“今”を映す鏡のようなイベントです。そしてそれは同時に、クルマ文化の未来が、まだまだ面白くなっていくという予感でもあります。

そしてこの世代の人たちが、次の世代と、上の世代との架け橋になってくれると更に盛り上がるのではないかと感じました。

YOKOHAMA Car Sessionの今後の活動に期待したいです。

今回の開催では天候にも恵まれ、開会式と閉会式の挨拶を無事に終えられました。昨年は大雨に見舞われて大変だったそうです。

今回の開催では天候にも恵まれ、開会式と閉会式の挨拶を無事に終えられました。昨年は大雨に見舞われて大変だったそうです。

 

 

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次回は5月7日からスタートです!
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