愛車のタイヤの状態、把握できてる? 給油のついでに試せる簡単な点検方法を紹介!【カーマニア本田浩隆の愛車日常メンテナンス】
クルマの安全な走りに直結するタイヤの状態を、しっかりと把握できているだろうか? “35歳以下のクルマ好き”が参加条件のカーミーティング「YOKOHAMA Car Session」運営メンバーで、テクニカルライターとしても活躍中の本田浩隆さんに、タイヤ点検の基本を教えてもらった!
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タイヤ点検を怠るとどうなる?
過去にタイヤのCMで「タイヤは生命を乗せている」というキャッチコピーがありました。自動車が走る・曲がる・止まるためには不可欠な部品であるタイヤですが、一般的にその接地面積はわずかにハガキ1枚分と言われています。
タイヤの劣化や空気圧不足に気付かないまま使用し続けていると、大雨の時にハイドロプレーニング現象(排水が追い付かず、水幕の上にタイヤが乗ってコントロールが効かなくなる)が発生したり、高速走行時に異常発熱を起こしバーストしたりと、恐ろしい事故に繋がる可能性があります。また燃費の悪化により、ガソリン高の現在ではお財布に大ダメージを与えてしまいます。
そこで必要となってくるのが、日常的にタイヤ点検をすることです。次項では、ガソリンスタンドで給油のついでに試せる簡単な点検方法を紹介します。
覚えておきたい2つのセルフチェック
ノーマルタイヤでも、スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤでも基本的な点検方法は同じです。安い買い物ではないタイヤを安全かつ長持ちさせるために、以下の2つのセルフチェックを心がけてください。
1.タイヤの空気圧は適正?
できれば朝一番のタイヤが冷えた状態で、空気圧を確認しましょう。空気圧は高すぎても低すぎてもダメで、高すぎるとセンター部分が異常摩耗してしまい、低すぎるとショルダー部の異常摩耗や異常発熱の原因となり、大変危険です。
また、タイヤの空気圧が低いと転がり抵抗が増え、燃費が悪化します。タイヤの指定空気圧は、車種やグレード、履いているタイヤの種類によってそれぞれ異なりますので、ドアを開けたところにある空気圧ステッカーか、サービスノートを確認しましょう。
タイヤの空気圧は、ガソリンスタンドにある「タイヤエアゲージ」を使って確認しましょう。
ホイールについているキャップを緩めて、エアゲージの口金をバルブの奥まで差し込みます。このとき“シューッ!” という音が聞こえている場合は、差し込みが甘いので、音がしなくなるまで差し込んでください。しっかりと差し込んだあとは現状の空気圧を確認し、指定空気圧に合わせてエアチャージをします。
空気の性質上、寒くなると自然に空気圧が下がりますので、最低でも月に1回はタイヤの空気圧を確認しましょう。
2.タイヤの残り溝は大丈夫?
残り溝1.6mm以下のタイヤは、排水性が著しく落ちるため、公道での使用は法律で禁止されています。目印として、タイヤのショルダー部分に△マークが付いている箇所があり、その直線上にスリップサインが付いています。スリップサインが出ているタイヤは一発アウトなので、すぐに新しいタイヤと交換しましょう。
タイヤの残り溝の点検は、前輪の場合、ハンドルをどちらかに切った状態で行うと簡単に確認できます。また、ここで五円玉があると便利です。
タイヤの溝に五円玉を差し込み、刻印がどのくらい見えるかで、タイヤの摩耗状態を判断できます。溝に「五円」の文字が垂直になるように差し込んで、文字がすべて見えている状態はアウト! 半分程度見えている状態は50%程度摩耗していると判断できます。
この時、溝に異物を噛みこんでいないか、サイドウォールやトレッド面にひび割れはないかなども確認してください。
溝に噛みこんだ小石などは、悪さこそしませんが走行時にカチカチと不快な音を立てるだけでなく、釘を踏んでいるとき等の、音で気が付くタイヤ異常の発見を遅らせる原因になります。
給油ついででもOK、月に一度はタイヤ点検を!
タイヤは製造から5年程度で、徐々に硬化していき、性能も劣化していきます。タイヤのひび割れは、ちょっとした衝撃でバーストしたり、スローパンク(徐々に空気が漏れ出してしまうこと)や、ブロック飛び(タイヤの表面の一部がちぎれる)を引き起こします。
1トン以上の重さを常に支えている、縁の下の力持ちとも言えるタイヤですが、消耗品ゆえにいずれは使用に限界が来ます。その限界を少しでも伸ばし、安全に使用するためにも、月に1回はタイヤ点検を行う習慣をつけてみてください。クルマにもお財布にも優しい、上手なタイヤの使い方を心がけましょう。
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