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最終更新日:2024.12.02 公開日:2024.12.02

横浜と湘南を1本の道路で結ぶ「横浜藤沢線」、半世紀経っても全線開通しないのはなぜ? 【いま気になる道路計画】

横浜市から藤沢市を結ぶ都市計画道路「横浜藤沢線」。計画決定から半世紀以上が過ぎているのに、全線開通の目途は立っていない。渋滞緩和やアクセス向上に貢献するはずのこの路線が、いまだ完成しない理由とは?

文=KURU KURA編集部

資料=横浜市・藤沢市

横浜と湘南を結ぶ「横浜藤沢線」とは

横浜市~鎌倉市~藤沢市を縦に結ぶ「横浜藤沢線」。(c) T.Kurohara/takutoP_n - stock.adobe.com

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都市計画道路「横浜藤沢線」は、横浜市港南区(上永谷駅付近)の環状2号線を起点とし、藤沢市鵠沼海岸(片瀬江ノ島駅付近)の国道134号までを結ぶ、延長約14.3kmの幹線道路だ。

横浜藤沢線のルート図。画像は横浜市と藤沢市の資料を元に編集部が作成。

この「横浜藤沢線」は、今から67年前の1957年(昭和32年)に都市計画決定した。しかし、半世紀もの事業期間で完成したのは起点側の約1.2km(ただし暫定開通済)と鎌倉市と藤沢市をまたぐ約3.3kmの約4.5kmだけ。横浜市と藤沢市の南側の区間に至っては、着工にすら至っていない。

ここで、起点の横浜市から終点の藤沢市までの順に、事業の進捗を整理しよう。

まずは横浜市内。起点側の港南区丸山台一丁目~丸山台四丁目の約1.2kmは暫定開通済み。片側1車線で運用しており、中央部は緑地となっている。

その先の上永谷地区(同丸山台四丁目~同上永谷町)と上永谷舞岡地区(同上永谷町~戸塚区舞岡町)、未整備区間を挟み、田谷小雀地区(栄区長尾台町~戸塚区小雀町)は事業中だ。

次に鎌倉市内と藤沢市内。横浜市と鎌倉市の市境にあたる関谷工区は事業中。その先の鎌倉市から藤沢市をまたぐ県道402号(阿久和鎌倉線)から県道32号(藤沢鎌倉線)までの区間は、県道312号(田谷藤沢線)のバイパスとして開通済みだ。しかし、終点側は、県道32号(藤沢鎌倉線)から国道467号までの川名工区と国道467号から国道134号までの片瀬工区が未整備となっている。

そのため、県道32号(藤沢鎌倉線)の「川名交差点」は、終点の江の島に向けて延伸することを見越して、高架の本線部を少し延ばしたかたちにしてある。


県道32号(藤沢鎌倉線)の「川名交差点」で途切れているバイパスの高架。

「横浜藤沢線」は開通しているところも事業中のところもある。とはいえ、計画決定から半世紀以上が過ぎたのに、これほど遅々として計画が進まないことなどあるのだろうか。

横浜藤沢線はなぜできない?

横浜藤沢線のトンネルを通す見通しが立ちつつある片瀬山から西側を眺める。(c) Q2PHOTOAS - stock.adobe.com

「横浜藤沢線」の未整備区間は、先の説明のとおり、横浜市内と藤沢市内にある。

横浜市内の区間は、開通(前提含む)している横浜市港南区の上永谷側から「南」に、鎌倉市・藤沢市側から「北」に向かって道路を延ばしているため、中間部に未整備区間を残すかたちとなっている。横浜環状道路調整課は、他事業の進捗の兼ね合いなどもあり、横浜市内の区間の開通はまったく目途が付いていないという。

一方、藤沢市内の未整備区間では、県道32号から国道465号までの「川名工区(約1.8km)」で、計画の見直しを余儀なくされている。この区間の計画路線上には川名緑地があり、この自然を保護するためにトンネル構造による都市計画決定の変更を目指している。今後、順調に工事が進んだとしても、相当の年月を要するのは間違いないだろう。

横浜藤沢線の川名区間で検討中のトンネル案。

国道1号と周辺道路の渋滞を緩和するだけでなく、災害時には緊急輸送道路として機能することも期待される「横浜藤沢線」。周辺では、圏央道と横浜湘南道路の「栄IC・JCT」の整備も進むなか、横浜市・鎌倉市・藤沢市のアクセス性向上には、「横浜藤沢線」の事業についても、スピードアップが求められる時期にきているのではないだろうか。

横浜藤沢線の田谷小雀地区の整備と同時に進行している圏央道と横浜湘南道路の「栄IC・JCT」の工事。

【横浜藤沢線の概要】
区間:横浜市港南区(環状2号線)~藤沢市鵠沼海岸一丁目(国道134号)
延長:約14.3km
幅員:25m~32m
車線数:往復4車線・一部区間6車線

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