ランボルギーニ・ミウラがパリを疾走! フランスの名作ラブロマンス【映画を彩った名車たち Vol.02『個人教授』】
映画を彩った名車たちを紹介する連載企画。第2回は1968年のフランス映画『個人教授』に登場した、ランボルギーニ・ミウラ P400 を紹介しよう。
背伸びしても敵わない壁のような存在
恋愛モノのストーリーとしては、当時でも既に使い古されたような物語ではあるが、恋愛映画のエキスパートとして活躍していたミシェル・ボワロン監督は、ヴェルレーの青臭い魅力を巧みに生かし、報われぬ恋に悩む少年の成長を、悲しくも軽妙に描いている。
アラン・ドロンの元夫人としても知られるナタリー・ドロンの、ちょっと中性的な美しさ。フランスのギャングムービー“フィルム・ノワール”には欠かせない存在だったヴィラン(悪役)スター、ロベール・オッセンの渋い存在感。さらに、この時代のフランス映画では常連とも言うべき作曲家、フランシス・レイの手掛けた哀愁漂うBGMも相まって、ある種のスタイリッシュさも感じさせる佳作となっているのである。
そしてこの作品において、あたかも代名詞のごとく語られているのが、フォンタナの愛車として登場するランボルギーニ・ミウラである。シックなパリの街で、鮮やかな存在感をぶつけてくるミウラは、オリヴィエ少年にとってのフォンタナが、いくら背伸びしても敵わない壁のような存在であることを言外に示すシンボルとして描かれていたのだ。
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