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最終更新日:2024.03.14 公開日:2024.03.06

ランボルギーニ・ミウラがパリを疾走! フランスの名作ラブロマンス【映画を彩った名車たち Vol.02『個人教授』】

映画を彩った名車たちを紹介する連載企画。第2回は1968年のフランス映画『個人教授』に登場した、ランボルギーニ・ミウラ P400 を紹介しよう。

文=武田公実

写真=Automobili Lamborghini S.p.A. / RM SOTHEBY’S

フランス恋愛映画にて存在感を披露したミウラ

1966年に登場したランボルギーニ・ミウラ。V型12気筒エンジンを車体中央部に搭載し、カーデザイナーのマルチェロ・ガンディーニ氏が手掛けた、元祖スーパーカーともいうべき記念碑的モデルだ。

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ともに19世紀末に誕生した、「自動車」と「映画」はとても親和性が高い。

もともと産業革命以後の最新テクノロジーから生まれた「文明」として誕生しつつも、いつしか「文化」へと昇華し、全世界に熱心な愛好家を得るに至ったのは自動車と映画くらいのもの。また、これまで銀幕には数多くのクルマたちが登場してきたことも、誰もが知ることであろう。とりわけ、まさしく名車というべきクルマたちが名演を披露してきた事例も、決して少なくはない。

そこでこの特集企画では、名画に登場した名車たちをピックアップし、そのエピソードを探ってみることにした。第2回となる今回は、あるフランス映画に出演した元祖スーパーカーについてお話ししたい。

ランボルギーニ・ミウラ P400|Lamborghini Miura P400

1970年代初頭の欧米、ことにフランスやイタリアでは「年上の美女にハイティーンの少年が恋をする……」というプロットの恋愛映画が、まさに一大ムーブメントのごとく多数製作された。ほろ苦くも爽やかな失恋物語から、イタリアの「青い体験」シリーズに代表される、ちょっとセクシーなコメディに至るまで様々な作品が製作され、世界中の少年たちをときめかせたことをご記憶の向きも多いだろう。

今回取り上げさせていただいた、1968年のフランス映画『La Leçon Particulière:個人教授』は、まさにそのブームのその火つけ役になった一本と言えよう。そして、この映画で重要な役割を果たすとともに、銀幕に強烈なインパクトをもたらしたのが、ランボルギーニ・ミウラであった。

ルノー・ヴェルレー扮する18歳のオリヴィエは、パリの名門校に通うエリート高校生。ある日パリの街中にて、鮮やかな黄色のランボルギーニ・ミウラが立ち往生しているところに遭遇することになる。ミウラを運転していたのは、ナタリー・ドロン演ずる若くて魅力的な女性フレデリク。異次元的なミウラと美しい女性の組み合わせに好奇心を覚えたオリヴィエは、渋滞の真っただ中でエンストしているミウラの運転席に乗り込み、プラグをカブらせていたV12エンジンを一発で始動することに成功。アマチュアラリーストである従兄から教わったというオリヴィエの運転技術を信用したフレデリクは、ミウラと自分を家まで送り届けてもらうことにする。

はじめは好奇心から知り合ったフレデリクだが、彼女の魅力に次第に惹かれていったオリヴィエは、古典英語に精通した彼女から「個人教授」をしてもらうという理由をつけて、しばしば会うことになる。しかしフレデリクは、世界的なイタリア人レーシングドライバー、ロベール・オッセン演ずるエンリコ・フォンタナの恋人だった。世界中のレースを転戦するフォンタナに対し、寂しさを感じつつあったフレデリクは、次第にオリヴィエの気持ちに応えようとするのだが、ある事件を契機に、フォンタナのフレデリクに対する一途な想いを知ってしまったオリヴィエは自ら身を引くことになった……。

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