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クルマ最終更新日:2023.11.22 公開日:2023.11.22

アストンマーティン創立110周年記念イベント「アルカディア東京2023」が浅草寺と富士で開催。限定モデル「ヴァラー」も日本初公開!

アストンマーティン創立110周年を祝うスペシャルイベント「アルカディア東京2023」が、11月17〜19日の3日間にわたり東京・浅草寺と富士スピードウェイを舞台に開催された。110台限定の記念モデル「ヴァラー」も日本初公開! モータージャーナリストの原アキラがリポートする。

文・写真=原アキラ

アストンマーティンの楽園、アルカディア

会場入り口の浅草寺宝蔵門前には、映画で有名なボンドカーの「DB5ゴールドフィンガー・コンティニュエーション」と「F1カー(レプリカ)」を展示

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アストンマーティンは11月17〜19日の3日間、同社の創立110周年を祝福するオーナーズイベント「アストンマーテイン ARCADIA(アルカディア)」を、都内の浅草寺と、富士スピードウェイで開催した。

ARCADIAとは古代ギリシャの楽園を意味するもので、アストンマーティンの過去、現在、未来を祝福する特別な空間を演出。浅草寺を会場としたのも、約1400年もの歴史を持つ名刹であり、日本人の信仰や尊敬の対象であるとともに世界の人々に知られた誰もが訪れる場所であるというのが理由だ。

イベントに登壇したアストンマーティンAPACプレジデントのグレゴリーアダムス氏は、「日本で最初のアルトンマーティンアルカディアを、金龍山浅草寺で初めて開催できたことを誇りに思っています。この愛すべきブランドを次の110年に向けてオーナーの皆様とともにお祝いできることを楽しみにしています」とあいさつ。

またこのイベントのために来日したグローバルチーフ&コマーシャルオフィサーのマルコ・マティアッチ氏は「日本はアストンマーティンのようなハイブランド関して洗練された理解を持つ国で重要な市場でもあり、素晴らしいコミュニティも形成されています。ブランドとしてはF1に参戦することで、英国の伝統に加えてハイパフォーマンスを受け継ぐことができ、良い製品を諦めずに開発し続けたいと思います」とコメントした。

コンクールデレガンスで選ばれた珠玉のベストカー

コンクールデレガンスでは世界的に著名な日本のカーデザイナー、中村史郎氏と奥山清行(KEN OKUYAMA)氏も審査に参加した(写真中央とその左)

会場入り口の浅草寺宝蔵門前には、映画で有名なボンドカーの「DB5ゴールドフィンガー・コンティニュエーション」と「F1カー(レプリカ)」を展示して参拝者らを驚かせたほか、境内には創立110周年を記念したV12エンジンとマニュアルトランスミッションを組み合わせたスペシャルエディションの「Valour(ヴァラー)」をはじめ、アストン初のミッドエンジン・ハイブリッドの「ヴァルハラ」、刺激的なオープンコックピットの「DBR22」が並び、参加者らを楽しませた。

コンクールデレガンス(自動車のコンクール)では、浅草寺の境内に集結した新旧70台ものアストンマーティン車を、アストンマーティン・ラゴンダ社の社史研究担当者スティーブ・ワディンガム氏(審査委員長)、アストンマーティンヘリテージ・トラストメンバーのギャリー・テイラー氏、カーデザイナーの中村史郎氏、カーデザイナーの奥山清行(KEN OKUYAMA)氏、雑誌オクタン編集長の堀江史朗氏の5人が審査(順不同)。

その結果、「ベスト in ショー」には審査員の満場一致で「アストンマーティン スピードモデル Type C LMF385」が選出された。1940年製のこのレーシングカーは、折からの世界大戦のためレースへの参戦は叶わなかったが、現在のアジアではたった1台しか存在しないという希少性や空力を意識した流線型のカウルをもつボディのエレガンスさ、状態の良さが評価されたという。

各部門賞は以下の通り。

■ベスト in ショー
1940年製「アストンマーティン スピードモデル Type C LMF385」

「ベスト in ショー」には審査員の満場一致で「アストンマーティン スピードモデル Type C LMF385」が選ばれた

■ベストレストレーションクラス
1933年製「アストンマーティン ルマン」

最も忠実に復元されたベストレストレーションクラスとして1933年製「アストンマーティン ルマン」が選ばれた

■戦前車クラス
1930年製「アストンマーティン インターナショナル」

創業からわずか30年ほどの間にモータースポーツシーンで戦い抜いた戦前車クラスとして1930年製「アストンマーティン インターナショナル」が選出された

■ハイパーカークラス
「バルキリー」

パワー、空力、軽量化などの限界を押し広げたハイパーカークラスとして選出された「バルキリー」

■シグネットクラス
2014年製「シグネット」

トヨタとコラボしつつアストンマーティンらしさを吹き込んだコンパクトカーのシグネットクラスとして2014年製「シグネット」が選出された。オーナーは須山美奈子氏

■DB11〜12 、DBXクラス
2021年製「DBSスーパーレッジェーラ・コンコードエディション」

新時代を象徴するDB11〜12 、DBXクラスとして選ばれた2021年製「DBSスーパーレッジェーラ・コンコードエディション」

■DB1~DB9クラス
1962年製「DB4 シリーズⅣヴァンテージ」

戦後から100周年にかけて製造されたDB1~DB9クラスには、1962年製「DB4 シリーズⅣヴァンテージ」が選出

■V8ヘリテージカークラス
1986年製「V8ヴァンテージ ザガート」

1970~80年にかけて製造されたV8エンジン搭載車を対象としたV8ヘリテージカークラスとして1986年製「V8ヴァンテージ ザガート」が選出された

■ゲイドンスペシャルズクラス
「ラゴンダ Taraf」

「ラゴンダ Taraf」は本社工場のあるゲイドンで作られた特別なクルマのゲイドンスペシャルズクラスとして選出された

■一般人気投票クラス
2017年製「ヴァンキッシュ ザガート」

会場来場者が投票した一般人気投票クラスには2017年製「ヴァンキッシュ ザガート」が輝いた

アストンマーティンというブランドの奥深さ

ヴァラーを先頭にホームストレートに並んだアストン各モデル

審査委員長のスティーブ・ワディンガム氏は、「アストンの歴史の専門家として、今回これだけのバラエティに飛んだアストンを見ることができて嬉しく思っています。展示されているいくつかのクルマは世界中から見てもお目にかかれないほどの品質の高い展示車ばかりで、参加した方すべてにおめでとうと言いたい」とした。

また中村史郎氏は、「最初は70台も審査をやるのかと思ったが、これだけの車が揃っているのはとても珍しいこと。奥山さんとともに審査員をやっているアメリカや欧州のコンクールデレガンスではいろんなブランドが入るのだが、こんなに単一ブランドで幅の広い車が集まるブランドは私が知る限りありません。古いレーシングカーやスポーツカーから4ドアまで、アストンマーティンというブランドの奥深さを改めて感じることができました」とコメントした。

参加車はこの後都内を駆け抜けるパレードに出発。富士スピードウェイホテルに場所を移したガラディナーとチャリティーオークション(2900万円のF1レプリカが登場して見事落札された!)に参加したあと、最終日の富士スピードウェイでのトラックデイに臨んだ。

ホームストレート上には引き続きアストンを代表する各モデルが並んだほか、グリッドウォーク、カテゴリーごとにサーキットの本コースを走るドライビングセッション、レーシングドライバーがドライブするDBX707に同乗するホットラップなどが行われ、参加者らは終日イベントを楽しんだ。

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