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最終更新日:2023.06.19 公開日:2023.04.24

EVの「カメマーク」が、ペダル踏み間違い防止装置に進化!? 日産が開発。後付も可能!

本来、EVのバッテリー残量低下などの際に点灯し、点灯中はアクセルペダルを踏んでも速度を上げることができなくなる「出力制限表示灯」、通称カメマーク。日産はこのカメマークに新機能を追加。ペダルの踏み間違いを、カメマークの点灯とブザーで知らせる機能を開発した。カメマーク搭載車には後付けすることができる。若者にも多いペダル踏み間違いに、カメさんがストップ!をかける。

文=くるくら編集部

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ペダルの踏み間違いによる事故の実態

高齢ドライバーに多いとされる、ブレーキペダルの踏み間違いによる事故だが、実際には若者にも多いことが分かっている。(c)Mono – stock.adobe.com

 ペダルの踏み間違い事故の怖さは、運転者の意図とは真逆にアクセルを踏み込んだ状態となるため、深刻な結果に繋がりやすいことだ。

交通事故総合分析センター(ITARDA)が調査・分析を行ったデータを見てみると、2018年~2020年までに起きたペダルの踏み間違いによる死傷事故件数は合計9738件で、そのうち797件が死亡重傷、死亡が123件も発生している。ペダルの踏み間違いによる「死亡重傷事故件数」は、65歳以上のドライバーの車両単独事故が最も多いが、これに軽傷を加えた「死傷事故件数」で見ると、24歳以下の若者による車両相互事故が最も多い結果となる。ここからも、若者の場合は習熟度の低さが、高齢ドライバーの場合は認知力や判断力の低下が原因で、ペダル踏み間違い事故に繋がる可能性が高いと考えられている。

ペダル踏み間違い事故の運転者年齢層分布。(2018~2020年の軽・普通乗用車による死亡重傷)出典:交通事故総合分析センター イタルダインフォメーションNo139

ペダル踏み間違い事故の運転者年齢層分布。(2018~2020年の軽・普通乗用車による死傷)

カメマークにまさかの機能追加?

EVなど電動系のクルマで見られる「出力制限表示灯」。通称はカメマーク

 この問題に対し、日産が「後付け急加速抑制アシスト」というサービスを開始している。これは、低速走行時におけるアクセルペダルの踏み過ぎや、踏み間違いによる急なアクセル操作を検知し、加速を抑制する装置を既存のEVやe-POWER車に後付けで装着するというものだ。

この装置を装着すると、時速約30km以下の走行からの急加速を抑制されるようになる。また、同時にブザー音とメーターパネル内の出力制限表示灯(カメマーク)を点灯させることで、運転者のアクセル誤操作を認知させ、ブレーキ操作を促進してくれるのが特徴だ。

駐車場などでの「後付け急加速抑制アシスト」動作イメージ。画像=日産

 他にも、速度抑制機能が誤作動しない機能も搭載されている。例えば、車線合流や車線変更等で低速走行から加速が必要な場面では、ウィンカーを出していれば抑制機能は作動せず、急な上り坂での発進・加速時も普段通りに加速できるそうだ。注意点は、この抑制機能は前進時のみ有効で、後退時には働かないことと、ペダルの踏み込み量によってはそのまま加速する可能性があるということだ。

後付けのサービスということで、価格や手間が気になるところだが、取付時間はわずか30分で、価格も税込み7400円と良心的だ。日産では、まずは年式が2016年11月以降の日産ノートe-POWERへの適用を皮切りに、順次対象車種を拡大する予定だ。

この装置を装着すると、カメマークが入った専用ステッカーが車両に貼られる。

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