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最終更新日:2022.01.01 公開日:2022.01.01

外環道の側道で自動運転バスの計画も!? 2022年は自動運転バス元年となるか──私が気になる車のニュース 2021-2022

2022年以降、あなたの住む街にも無人自動運転バスがやって来るかも!? 自動運転「レベル4」の実用化に伴い、政府は2030年までに全国 100 か所以上でサービス開始を目指す。ドライバー不在の自動運転バスが行き交うSFのような世界が、ついに日常の風景に(なるかも)。

文=秋月新一郎

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無人自動運転バスの実現は意外と早い!?

自動運転レベル4での低速自動運転が可能なトヨタ「e-Palette(イーパレット)」。<写真提供=トヨタ自動車>

 昨年12月23日、警察庁は自動運転「レベル4」の公道運行を実現すべく、許可制度を創設する方針を固めた。今春にも道路交通法改正案を通常国会に提出し、成立すれば国内で初めてレベル4実用化への道が開かれることになる。

 ではレベル4とはなんぞやというお話だが、自動運転に関するニュースは昨今よく話題に上るだけにご存じの方も多いと思うが改めて説明すると、自動運転のレベルは運転の主体や自動運転の技術到達度、走行可能エリアなどによって「レベル0」から「レベル5」まで6段階で区別されている。

自動運転のレベル分けは米国自動車技術者協会(SAE)によって定義されたもので、日本ではその基準をもとに国土交通省が発表している。<資料提供=国土交通省>

 自動運転のレベル分けは、レベル2とレベル3が大きな分かれ目となっており、運行の主体が「人」から「システム」に変わるのがポイントだ。正式に自動運転車として定められているのは”レベル3以上”となっている。

 2022年の改正道交法が見据えるレベル4は、そのレベル3のさらに上位に位置するシステムだが、最大の違いは、レベル4では緊急時であってもドライバーが運転を引き継ぐ必要がないことだ。つまり、ドライバー不在の運転を可能にするシステムである。ただしレベル4には自動運転を行える条件があり、今回の改正道交法では、限定された地域でかつ遠隔監視のもと特定のルート(専用道)を”無人走行”する、巡回バスなどが想定されている。

 ちなみに、自治体初の事例として2020年に茨城県堺町で運行を開始した自動運転バスが存在するが、実際はドライバーと遠隔監視の2人体制で運用されており、こちらはレベル2に留まっている。

自動運転レベル4では、専用道などを整備することで限定域内での無人自動運転サービスが可能となる。<写真提供=トヨタ自動車>

外環道の側道を無人の自動運転バスが走る!

 政府は2022 年度のできるだけ早期に必要な制度整備を行うとしているほか、公道での地域限定型の無人自動運転移動サービスについて、2025年度を目途に40か所以上の地域で、また2030年までに全国 100 か所以上で実現を目指すとしている。

 埼玉県和光市も早期導入を検討している自治体のひとつだ。一体どこを走らせるのだろうと思ったら、市内を南北に貫く外環道の側道の一部を自動運転車の専用レーンにするのだという。現在、再開発が進められている和光市北口から、こちらも拡張工事が検討されている外環道・新倉PAまでの1.5kmを結ぶ計画だ。中心拠点と産業拠点を結ぶ新たなモビリティとして自動運転車両による交通軸を形成し、市内交通の活性化を図る、と市は説明する。

和光市が計画する無人自動運転バスの運用時の路線図。外環道の側道を専用レーンとして整備する予定だ。<資料提供=和光市>

和光市が計画する無人自動運転バスの運用時のイメージ図。<資料提供=和光市>

 自動運転サービス導入に向けた市の協議会には、国交省や警察庁などにくわえ、東武バスウエスト、さらには地元企業のホンダも構成員として名を連ねている。ホンダは昨年9月にGMクルーズホールディングス、ゼネラルモーターズの3社共同で、日本国内において技術実証を開始したばかり。ホンダが開発を進める自動運転バスが和光市内を走る日はそう遠くないのかもしれない。

ホンダ、クルーズ、GM3社が共同開発している自動運転バス「クルーズ・オリジン」。自動運転モビリティサービス事業の日本国内での展開を目指している。

 なお和光市によれば、2022年度中に社会実験を開始し、2023年度中に乗客を乗せてテスト運行。2025年を目処に本格運用を目指している。

 バス運転者の要員不足が深刻な問題となりつつある昨今、人手不足の解決だけでなく、バス運用コストの削減、さらには高齢者の移動手段の確保と、自動運転バスへの期待は大きい。今年2022年は自動運転バスが実用化に向けて本格的に動き出す、そのきっかけとなる一年になりそうだ。

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