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最終更新日:2023.06.19 公開日:2019.07.12

夏の朝は魅力的。楽しみたいポイント4選。

雨輝・松本葉子

真夏でも早朝なら暑さも穏やか。とはいえ紫外線・熱中症には注意を。

 清少納言は、枕草子で「夏は夜」とした。だが、真夏日・熱帯夜が続く現代の夏においては、心地よく過ごせるのは早朝のひとときといっても過言ではないだろう。

そんな夏の朝だからこそ楽しめるポイントをまとめてみた。時には思い切って早起きしてでかけてみれば、素敵な日本の夏に出会えるだろう。

夏の朝どり野菜はおいしい

とれたて夏野菜の鮮やかな彩りは、気分を上げてくれる。

 トマトにナスに唐辛子、とうもろこし…夏は彩り豊かな野菜のシーズン。よく耳にする「朝どり野菜」というフレーズだが、これは夏野菜のおいしさと深い関係がある。太陽の光をたっぷり浴びた後に収穫されたものの方がおいしいのでは? と思うかもしれないがそうでもない場合もあるのだ。

まず鮮度の問題。夕方に収穫して翌日の朝出荷されたものより、朝収穫で当日中に店頭に並ぶ野菜の方が当然鮮度が良い。特に日中が高温になる夏はこの差が大きくなる。中でも枝豆やとうもろこしなどは、収穫後の鮮度落ちが急速で時間とともに糖分が減少してしまうため、収穫後の時間が短いほどおいしく味わえる。

また、野菜の旨みが光合成の仕組みに関係しているという観点からは、トマトやナスといったいわゆる「果菜」は朝に収穫したものの方がおいしいといわれている。

というわけで、夏は朝どり野菜を買ってできるだけ早く味わうことで、野菜のおいしさを満喫できるのだ。大阪府池田市で行われている朝どり野菜をその場で味わうという、その名も「畑で朝ごはん」のようなイベントに参加してみるのもいいだろう。

◆夏限定の特別な朝食を楽しむ

「せっかく早起きするならもっと特別な朝食を食べたい」という人には、夏だけに楽しむことができるとびきりの朝食もある。

そのひとつが、京都の老舗「瓢亭」で、100年以上前から夏のみに供されている「朝がゆ」だ。粥といってあなどるべからず。だしのきいた葛あんをかけて楽しむ白粥はまさに料亭の味。本店の「朝がゆ」では、粥のほかに、有名な瓢亭玉子も入る八寸、和え物、蒸し物、炊き合わせ、鮎の塩焼きなども登場するので、朝から京料理のエッセンスがしっかり味わえる。早朝の南禅寺を散策した後に、朝がゆをたべてひとやすみ。これぞ夏の京都の風流といえるだろう。

「星のや東京」が開催している「東京・夏の朝の舟あそび」のメニュー。

 東京では、日本旅館「星のや東京」で、隅田川に浮かぶ舟の上でシャンパーニュと焼き立てパンの朝食を楽しむ「東京・夏の朝の舟あそび」が開催されていて、こちらも人気が高い。

勝どき桟橋から貸し切りの舟に乗ってシャンパーニュを味わいながらクルージング。途中、川岸のベーカリーで焼き立てパンの入った朝食を受け取った後、浜離宮恩賜庭園近くの穏やかな場所に移動。名庭園を眺めつつ舟の上で朝食という贅沢なひとときが過ごせる。

夏の早朝は蓮の花が美しい

蓮の名所には早朝から大勢のカメラマンが待機していることも。

 夏の早朝、蓮が開花する様子をみたことがあるだろうか?開花の音が聞こえるほど静寂な場所はそうそうないが、朝の光の中で一輪ずつ花が咲いていく光景は心が洗われるような美しさだ。

天気がよい朝は、関東なら不忍池(東京都台東区)や古代蓮の里(埼玉県行田市)、関西なら水生植物公園 みずの森(滋賀県草津市)といった蓮の名所や蓮が鑑賞できる植物園にでかけてみたい。

また、夏の朝の花といえば、朝顔も見逃せない。「朝顔市」「朝顔展」で検索すれば、朝顔を観賞できる最寄りのスポットがチェックできる。

画像朝顔を買いに朝から出かけるというのも粋な夏の過ごし方だ。

 そしてあまり知られていないが、夏期限定で開園時間を前倒しにする植物園が各地にある。蓮や朝顔などの「朝に咲く花」を鑑賞できるだけでなく、暑くなる前に園内を散策できるのもうれしい。

筆者の経験ではどこも意外と空いていることが多いので、朝の植物園はおすすめだ。最寄りの植物園の夏期開園時間をチェックしておくと、思い立ったらすぐに出かけられる。

夏の朝の参拝は清々しい

昼間の喧噪がうそのように静かな風景がみられることも。

 夏の早朝は、寺社を訪れるのもいい。神社は24時間出入り自由なところも多く、寺も開門が6時前後のところが多いので、早起きのしがいがあるというもの。浅草寺や清水寺といった、日中は大混雑のスポットも早朝なら人が少ないのでゆっくりと散策できる。木々の多い寺社では、早朝の瑞々しい緑も見どころだ。

早朝勤行が体験できる寺もあるので、参加して清々しいひとときを過ごすのもいいだろう。ただし、服装(短パンなどラフすぎる、あるいは華美なもの)によって参加できないこともあるので注意が必要だ。

荘厳な二条城で朝食を楽しむことができるのがすごい。

 また、京都の二条城では、夏の特別企画「世界遺産 二条城の夏2019」が行われるが、これも朝が狙い目。期間中は開城時間が延長され朝は8時から入城できる。しかもなんとこの早朝開城期間には、普段は非公開の庭園「清流園」にある「香雲亭」で朝食(季節の一品付 京のゆば粥御膳)を楽しむことができるのだ。予約制で1日40名限定なので、気になる方は早めに予約したい。清流園の風趣あふれる庭を眺めて味わう朝食はまさに特別な時間。大切な人と出かけるのもいい。

ここで紹介した以外にも夏の朝の魅力はたくさんある。春だけでなく、「夏もあけぼの」が美しく、楽しいのだ。夏の朝ならではの楽しみを体験してみて欲しい。

関連リンク

「畑で朝ごはん」Facebookページ
「瓢亭」公式サイト
「星のや東京」主催「東京・夏の朝の舟あそび」情報サイト
「二条城」公式サイト

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