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最終更新日:2019.03.04 公開日:2019.03.04

「フェアレディZ」や「2000GT」、初代「ロードスター」など、1960~80年代の旧車が集結!【ノスタルジック2デイズ】

2月23日・24日に、“日本最大級の旧車モーターショー”こと「第11回ノスタルジック2デイズ」がパシフィコ横浜で開催され、1960~80年代の旧車、海外のヒストリック・スーパーカーなどが集結した。希少な試作車も含めて美しく仕上げられた旧車たちを紹介する。

S30型が盛りだくさん! 50年経っても色褪せない初代「フェアレディZ」のかっこよさ

同展示会のポスターにも使われた、日産「フェアレディZ432-R」1972年式。初代のS30型「フェアレディZ」のうち、「スカイラインGT-R」用の「S20型」エンジンを搭載した、最強と呼ばれるPS30型「フェアレディZ432」がベース。日本最大の「フェアレディZ」ミーティングである「ADVANオールフェアレディZミーティング」を主催するオーナーズクラブ「S30ZCAR.JP」の会長・竹内章氏の愛車。

 多数のブースで展示されていたのが、今年で誕生から50年となる日産の初代S30型「フェアレディZ」。オリジナルに近いものもあれば、エクステリアにかなり手を入れられたもの、エンジンをチューンしているものなど、多数のS30型が展示されていた。同車のファンならこの上なく嬉しい展示会だったのではないだろうか。

T.C.Sグースに展示されていたS30型「フェアレディZ」。強烈な存在感を放つオーバーフェンダーに目を引きつけられる。フロント部分も、オプションの空力パーツであるGノーズに加え、大きく突き出したオリジナルのチンスポイラーが迫力を増している。

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映画「蘇る金狼」では松田優作が搭乗!ランボルギーニ「カウンタックLP500S ウォルター・ウルフ 1号車」

ランボルギーニ「カウンタックLP500Sウォルター・ウルフ1号車」。70年代スーパーカーブームをけん引したランボルギーニ「カウンタック LP400」をベースに製造された。リアに装備された大型ウイングは、「LP400」の改良市販モデルである「LP400S」や「LP500S」(市販版)などでも採用された。

 通称「ウルフ・カウンタック」と呼ばれるのは、1970年代に自らの名を冠したレーシングチームでF1に参戦したカナダの実業家ウォルター・ウルフが、ランボルギーニにオーダーして製造させた特別仕様の「カウンタック」のことだ。「LP400」をベースにリアに大型ウイングを装備するなどしてカスタマイズしており、「カウンタックLP500Sウォルター・ウルフ」、「ウォルター・ウルフ ランボルギーニ カウンタック」などとも呼ばれる。3号車まで作られ、画像はその1号車。「LP500S」とあるが、後に市販される「カウンタックLP500S」とは異なる。

 1979年公開の映画「蘇る金狼」では、主演の故・松田優作が劇中で搭乗したことで知られる。イタリア製スーパーカーのスペシャリスト「アウトモビリ・ヴェローチェ」を主催する「カウンタック」愛好家の岡戸栄一氏が現在のオーナーで、10年前に同車を入手した際にナンバープレートを映画登場時の番号に変更したという。

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トヨタ「2000GT」のレアなXフレームも展示!

トヨタ「2000GT」のシャシー「X型フレーム」。同フレームには他社が採用していない2.5mmの厚さを有する鋼材が使われており、ホイール間の曲がり剛性が高かった。

 ビンテージカーヨシノブースでは、スバル「360ヤングSS」やマツダ「キャロル」、トヨタ「1600GT」などと共にトヨタ「2000GT」の前期型と後期型の2台、そしてボディを外したシャシー「X型フレーム」を展示した。「2000GT」そのものは旧車・ヒストリックカー系のイベントに足を運べば見られる機会が多いが、シャシーを直接見られる機会はそうそうなく、希少な展示だ。

 「X型フレーム」を見ることで、「2000GT」に採用された当時の”国産車初”の技術がわかる。まずステアリングに関して、当時の欧米メーカーでも採用車種が少ない中で、ハンドリングに優れるラック&ピニオン方式が採用されたことがひとつ。駆動系では、高速走行を想定してリミテッドスリップデフが標準装備された。ホイールも国産車初があり、高耐久性と軽量化のためにセンターロックタイプのマグネシウム製となっている。画像ではわかりにくいが、エンジンではアルミ製のシリンダーとオイルパンが装備されたことも国産車初である。

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「2000GT」1967年式(前期型)。

「2000GT」1970年式(後期型)。

松田次生選手は「GT-Rオタク」だった!? 初代「スカイライン ハードトップ 2000 GT-R」1972年式

松田次生選手が個人所有するKPGC10型「スカイライン ハードトップ 2000 GT-R」1972年式。初代「GT-R」は、3代目「スカイライン」の中に設定された最上位グレードだ。あえてハコ型のデザインが採用されており、空気力学的な観点からは必ずしも優れているとはいえないが、そこも初代「GT-R」の魅力として、ファンが愛しているポイントのひとつ。

 国内で最も人気のあるレースであるスーパーGT。その2018年シーズンに、日産のエースとしてNISMOチームのR35型「GT-R」GT500仕様23号車を操り、GT500クラスの通算最多勝記録となる20勝目を決めた松田次生選手。松田選手は自他共に認める「GT-Rオタク」だそうで、第2世代のR32型(通算3代目)からR34型までの3代をコンプリートした後、いよいよ第1世代をターゲットに。まずは初代のKPGC10型「スカイライン ハードトップ 2000 GT-R」1972年式を入手し、プライベートカーとしてカスタマイズやチューニングを施している。ただし、あまりにも多忙なため、同車に触れたのは今回の出展直前、半年ぶりだったという。

SPEED FORMEブースに展示されていた、2代目「スカイライン 2000 GT-R」(年式不明)。松田選手がまだ入手していない唯一の「スカイラインGT-R」だ。生産台数が200台に満たないため、旧車の中でも大変希少な車種(初代よりも入手が難しい)。当然ながら車両価格には高いプレミアがついている。

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2台の初代NA型「ロードスター」を展示したマツダ・ブース

初代NA型「ロードスター」のスペシャルパッケージ装着車。年式不明。

 今回、自動車メーカーとして唯一出展したのがマツダ。「ロードスター」の初代NA型を2台と、現行の4代目ND型1台を展示した。「ロードスター」は1989年2月のシカゴオートショーで世界初披露となり、2019年で30周年を迎えた(海外では「MX-5ミアータ」)。”古き良き英国製ライトウェイトスポーツ”を現代に復活させたとして世界的な人気を博し、初代は1989~1997年の約8年間で総生産台数43万1506台を記録した。「ロードスター」は1998年に2代目NB型にスイッチし、2005年にボディを拡大して3ナンバー仕様となった3代目NC型が登場。現行の4代目は2015年に販売を開始した。

1990年に初代NA型に追加設定された「ロードスター Vスペシャル」の車内。ボディカラーは専用のネオグリーンで、ステアリングやシフトノブ、パーキングブレーキレバーがウッド製となっており、本革シートも採用。上質かつクラシカルなインテリアを特徴としている。スペック的にはほぼノーマルのNA型同一で、車重が10kg重く、950kgとなっている。

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MEGA WEBはレストアが完了したばかりのトヨタ「1600GT」などを出展!

トヨタ「1600GT」1967年式。ベースとなった3代目「コロナ」に関しては、別記事『【オートモビルカウンシル2018】「コロナ」、「MID4」、「レジェンド」!トヨタ・日産・ホンダの過去と今、そして未来』で紹介した。

 トヨタのお台場の展示施設MEGA WEBは、同施設がレストアを完了させたばかりのトヨタ「1600GT」を披露した。同車はトヨタの3代目「コロナ」のハードトップのボディに、高性能エンジン「9R型」を搭載することで誕生したスポーツモデルだ。「9R型」は、「コロナ」の排気量1587cc・直列4気筒OHVエンジン「R」のツインキャブ仕様「4R」エンジンを、さらにヤマハが技術協力して1気筒当たり2バルブ(DOHC)化したものだ。最高出力が20馬力アップの110馬力となり、ボディバランスに優れていたことから「1600GT」はレースで活躍。しかし、1年強の生産期間で終了し、後継モデルが誕生することもなかった。

世界に1台ずつの超レアもの! カーデザイナーの巨匠ミケロッティがデザインした試作車「レーザー」&「ミザール」

ミケロッティ「レーザー」。ガルウイングを採用しているが、ボディ下半分は開かないため、乗り降りがたいへんそうだ。全長4220×全高1080mmで、全幅は資料なし。ホイールベースは2560mm。

 イタリアのカー&バイクデザイナーとして名高い故・ジョバンニ・ミケロッティ。スーパーカーブーム時代に製作された、その名を冠した試作車2車種が特別展示された。ミケロッティ「レーザー」は、フランスの自動車メーカーで現在は存在していないマトラの「シムカ・パゲーラ」の試作車として製作され、1971年のジュネーブ・モーターショーで発表された。マトラ「M530」のシャシーを利用しており、ガルウイングのドアを採用した2シーターだ。

 もうひとつのミケロッティ「ミザール」は、1974年のトリノ・モーターショーで発表された。ランチア「ベータ」1972年式をベースとしており、4枚のドアがすべてガルウイング式という大きな特徴を持つ。

 ちなみにこの2車種は、1977年に東京・晴海の東京国際見本市会場で開催された「ラ・カロッツェリア・イタリアーナ’77」に出展され、その時に小学生が撮影した写真を基にした記事が『スーパーカーの秘蔵写真が大発掘?される! 77年のショーで小学生が撮影か。』だ。この中でも「レーザー」を紹介した。この展示会の後、「ミザール」は世界的に著名な「松田コレクション」所蔵となり、それ以降も幾人もの日本人個人オーナーの手を経て来たそうで、現在は松戸市の「昭和の杜博物館」で展示されている。

ミケロッティ「ミザール」。ガルウイング式のドアを採用したクルマは少なくないが、4ドア全部がガルウイング式というのはまず見かけない。

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