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最終更新日:2018.11.28 公開日:2018.11.28

きのこ栽培 in マイルームで「菌活~キンカツ~」はいかが?

椎茸栽培をリビングで! 実は思ったより簡単で、立派な椎茸が、しかもかなりたくさん収穫できる。 菌活にもバッチリな椎茸栽培のキットを試してみた。

栽培をスタートして1週間ほどでこの状態! きのこ好きならウハウハだ。

 秋の味覚の代表としても、毎年話題になるきのこ。しかし、きのこ狩りに出掛ける時間もないし、そもそも素人には採れる気がしない。とはいえ、採りたてのきのこを存分に食べてみたい…。

 折りしもブームの「菌活」というコトバ。食生活に有用菌を取り入れることで健康に役立てるということらしい。であれば、きのこはそれ自体が菌類だから菌活にぴったりの食品だ。しかも低カロリーで食物繊維も豊富。

 というわけで、自宅で採りたてのきのこをたっぷり食べて菌活するという野望を叶えてくれそうなキットを試してみた。

簡単に採れたらとってもウレシイ、椎茸栽培にチャレンジ

 いくら野望といっても松茸を自家栽培できるとは思わないので、とりあえずは椎茸。できれば、原木椎茸をと思ったが、調べてみるとこれは管理が大変そう。それに栽培に失敗したらただの重い木材になるものを大枚はたいて購入するのはリスクが高い。

 というわけで、きのこのエキスパート、森産業株式会社が一般向けに販売している椎茸栽培キット「もりのしいたけ農園」を購入してみた。初めてなので栽培ケース付きにしたら、えらく大きな箱が届いて驚いたが、これは後で良い判断だったとわかる。

 「到着後すぐに栽培を開始してください」と書いてあったので、その通りにスタートすると、なんと2日後には椎茸が発生!

栽培ブロックの表面をさっと流水で流してからケースに静置し、1日1~2回、霧吹きで水をやって3日目。

 とはいえ、なんだか傘の感じがヘン。きのこっぽくない形なので、椎茸じゃないものができているのでは?と不安になる。

すぐに、椎茸の芽(?)がでてきたものの「これが本当に椎茸になるのか?」と心配になった頃。

 しかしここからぐんぐん成長し、その速度は朝と夜では明らかに大きさが異なるほど。栽培開始から1週間を待たずにしっかりと立派な椎茸になった。最初は「これ大きすぎる。置き場所に困るよ」と思った栽培ケースも狭く感じる勢いだ。

栽培ケースの中で「すくすく」というより「怒濤のごとく」育つ椎茸。適湿が保て、ほこりなどが付かないこのケースはスグレモノだ。内部にはびっしり細かな水滴が付くが、よく考えられた形状なので椎茸が濡れることはない。

 これはかなりの感動もの。どう見ても、誰がみても、立派な椎茸。しかも30個以上発生している。

二重三重に重なり合って大きくなっている椎茸。「いつ食べるか」それが問題だ。

 8日目で筆者が思い描く理想の椎茸フォルムになったので収穫。試しに1個採って、切ってみたところ、厚みも十分。ただ軸は市販のものに比べると細くて頼りない。

見よ!この肉厚椎茸!こんなのが自宅リビングで作れるとは。

  それでも欲を出してもう1日待ってみたら、傘は少し大きくなったが、なぜか軸がますます痩せてきたので、慌てて収穫した。

大収穫!欲をだして待った分は傘の端がフリル化してきたが、立派なのに変わりはない。

 大成功! 朝晩(時に忘れて夜だけ)霧を吹いた以外、何もしていないのだが、この成果を自慢したくなるのは自明の理。100均の竹籠に10個ほどきれいに盛って知り合いにおすそわけした。それでもまだ40個以上残ってるので、余裕、というか持て余してしまいそうな勢いだ。ちなみにこのキット、通販で1500円前後。これを高いと思うか安いと思うかは人それぞれだと思うが、個人的にはかなりお値打ちだと感じた。

圧倒的にたくさん作れてしまった自家製椎茸の利用法は?

 思っていた以上の収穫量だが、全部一度に大きくなってしまったのは予想外。イメージ的には、毎日4・5個ずつ収穫できればという感じだったのだが。 とはいえ「きのこ好き」なので、焼いて、煮て、炒めて、炊き込みご飯に…といろいろ使ったが、それでも食べ切れない。

椎茸を焼く時は傘を下に。ひだに水滴がしみ出してきたら、そろそろ食べ頃。

 というわけで、残りは干してみたのだが、これはちょっと微妙。椎茸は日光に当てることで健康に役立つ成分を増やすことができるが、干からびてかなり小さくなってしまった。というわけで使い切れない場合は、冷凍するのがおすすめかもしれない。

キットの製造元に疑問点を質問したら快く答えてもらえた

 初めてのきのこ栽培で感じた疑問を製造元の森産業株式会社 グリーン事業部に尋ねてみた。

Q.こんなにうまく育つのは菌床に工夫があるのですか?
A.それもありますが、実は菌が違うのです。このキットには発生しやすい菌を使っています。味重視でじっくり育てる原木椎茸の菌とは異なり、どんどん育つ様子を楽しんで、きのこに親しんでいただければという思いで作っています。


Q.一年中家庭で栽培できるのでしょうか?
A.できないことはないですが、発生には気温が大きく関与します。家の中の温度が日中20度、夜15度以下というような寒暖の差がある今の時期などが、最も簡単にうまくいくでしょう。

Q.欲をだして採るのを遅らせたら軸が細くなってケースの中が真っ白になってきたんですが…。
A.収穫が遅れると傘が開いて胞子が飛ぶため、適度なところで全部収穫した方がいいです。1度目の収穫後もうまく管理すれば2度目、3度目の収穫が期待できますよ。


 こんなに簡単だとは思わなかった椎茸の自家栽培。とれたてを食べられるのはもちろん、生育状況がおもしろいので、子どもの自由研究などにももってこいだろう。

 この楽しさにはまってしまった筆者は現在、2つの菌床で椎茸自家生産&菌活中である。

2018年11月20日(雨輝・松本葉子)

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