マニエッティ・マレリとカルソニックカンセイが経営統合。世界7位に
FCA(フィアット・クライスラー・オートモービル)は10月22日、自動車部品子会社のマニエッティ・マレリを、カルソニックカンセイの親会社CKホールディングスに売却すると発表した。売却額は62億ユーロ(約8060億円)になる見込み。カルソニックカンセイとマニエッティ・マレリの経営統合により売上高152億ユーロ(約1兆9750億円)となり、独立系としてはボッシュやマグナ、ZF、コンチネンタル、ヴァレオ等に次ぐ、世界7位となるメガサプライヤーが誕生することになる。新会社の名称は「マニエッティ・マレリ CK ホールディングス」。
マニエッティ・マレリは、1919年に設立されたイタリアの大手自動車部品メーカー。パワートレイン(写真上)やサスペンション、排気マフラー、灯火類などのほか、モータースポーツ系部品(写真下)も手がけている。設立以降フィアットやアルファロメオなどイタリア車を中心に部品を供給してきた。親会社のフィアットがFCAとなり、ベンツやジープなどへも供給を拡大。2017年度の売上高で1兆円を超えている。
一方のカルソニックカンセイは、日本の大手自動車部品メーカー。モータースポーツ活動(写真上)も行っており、その社名を目にする機会は多いだろう。エアコンなどのサーマル製品や内装、電子製品などを生産する。今年3月の売上高は9986億円だった。
今回の統合によって、欧州やアメリカ、日本を含むアジア太平洋地域に200ケ所以上の工場を保有することになる。カルソニックカンセイでは「製品ラインや事業エリアの相互補完によって、世界中の顧客に対するサービス提供の体制を確立する」としている。
新会社マニエッティ・マレリ CK ホールディングスはFCAと複数年の部品供給契約を締結することで合意しているため、マニエッティマレリのイタリア国内の事業と生産拠点、雇用は当面維持されるだろう。イタリア系部品メーカーのパッションと、日系メーカーの高い信頼性が融合した製品が多く作られることで、世界中の自動車メーカーから魅力的な車がたくさん誕生するかもしれない。