トヨタのクラシックカーフェス。神宮で世界中の名車が見られます
トヨタは10月18日、「2018 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑」を11月17日(土)に開催すると発表した。このイベントは今年で開催12回目を迎える。開催場所は、東京・明治神宮外苑にある聖徳記念絵画館前の広場がメイン会場になる。企画展示や走行披露のほか、毎年恒例となった一般参加者のクラシックカー約100台による、銀座中央通りを通過するパレード(写真上:昨年の同イベントでの模様)などが行われる。
当日のプログラムは、10時20分から始まるクラシックカーパレード(絵画館をスタートし都内11kmを走る)のスタート(写真上:昨年の同イベントでの模様)を皮切りに、11時には、そのパレードを終えた車両の展示(写真下:昨年の同イベントでの模様)と、トヨタ博物館から運び込まれた旧車の企画展示が行われる。
続いてクラシックカーの人気投票や、展示車両の会場内走行など、車好きならずっと楽しめる内容となっている。これらプログラムと並行する形で、10時から15時まで、T型フォードやジャガーEタイプ(写真上)など歴史に名を残した車の記念乗車撮影も開催されるというから楽しみだ。
「2018 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑」の見どころは?
今年のイベントの見どころは、クラシックカーパレードと、企画展示車両だろう。今回の企画展示は「Japanese Vintage Year 1989」と題し行われる。1980年代後半の日本は、バブル経済の真っただ中にあった。各自動車メーカーが次々と新技術を開発・採用し、高級サルーンやパーソナルクーペ、スポーツカーなど、さまざまなジャンルで世界に誇れる名車が誕生した時代だった。特に1989年はそうした名車が多く登場した当たり年”ヴィンテージ・イヤー”とも呼ばれている。この1989年に登場した代表的な車を一同に集めてしまおうという試みだ。ここでの登場予定車は以下の通り。
トヨタ セルシオ 輸出名Lexus LS400。欧州高級ブランドに負けないフラッグシップを目標に、開発の全てを見直した。優れた走行性能と圧倒的な静粛性を高い次元で両立させた。そのクオリティーは世界中の高級車メーカーを驚かせ、その後の開発に影響を与えた。特に静粛性や細部に行き渡ったおもてなしの作りこみは、当時のメルセデス・ベンツやBMWなどのプレミアムカー勢を「本気にさせた」唯一の車といえる。
ニッサン スカイライン GT-R GT-Rファンが待ち焦がれた16年ぶりのGT-R復活は、一般メディアでも大きなニュースとなった。2.6Lツインターボエンジン、電子制御トルクスプリット4WD、4輪マルチリンクサスペンションなど新機構を満載し、ツーリングカーとして世界トップクラスの運動性能を実現した。レースでもJTC29連勝を記録し新たな「GT-R伝説」を作った。(関連記事はコチラ)
ホンダ NSX 誰もが運転しやすく高性能な「人間中心」のスポーツカーとして誕生。基本性能を極めるため駆動方式はミッドシップ・リア駆動とし、世界初のオールアルミボディを採用。ホンダの新たなフラッグシップは、より快適・安全で、かつドライバーの意思に素直に応答する新しいスポーツカーだった。V6エンジン搭載で、当時世界で主流のV8搭載スーパーカーとは一線を画していた。(関連記事はコチラ)
ユーノス ロードスター 初代ロードスターの商品コンセプトは「だれもが、しあわせになる」。一度は消滅し、もう誰も作れないと思っていた正統派ライトウェイトオープンスポーツを当時の最新の技術で復活させた。世界中で大ヒットするとともに、単なる移動手段を超越した車と人との新たな関係を作り出した。現在も、世界で最も売れたオープンカーとしてギネス記録を更新し続けている。(関連記事はコチラ)
スバル レガシィ ツーリングワゴン 富士重工業(現SUBARU)がレオーネに代わる後継車種として全面新設計した。セダンからの派生ではなく、最初から乗用ワゴンとして開発した。セダン同様の運動性能とワゴンの実用性を兼ね備えた新ジャンルの乗用車として登場した。動力性能もそれまでの「バン」の常識を覆すものだった。大ヒットし、スバルブランドイメージを大きく変えるとともに、自動車業界に一大ワゴンブームを巻き起こした。(関連記事はコチラ)
トヨタによると、オープンスペースのために正確な来場者・観覧者数は分からないとしつつも、貴重な名車を一目見ようと、パレードのルート上には鈴なりになるほど、毎年多くの人が訪れるという。今年も銀杏並木の下を駆け抜ける名車・旧車を見に行きたい。なお、この催しはスバル、日産、ホンダ(コレクションホール)、マツダの出展協力で行われる。普段はライバル会社であっても、車のイベントに協力し合うこうした各社の姿勢が、車好きとしては”胸アツ”だ。