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クルマ最終更新日:2018.08.29 公開日:2018.08.29

新しくて懐かしい! 日産が電動レーシングカーのプロトタイプを北米で公開。 インフィニティブランドで。

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 日産は8月24日、米カリフォルニアで開催された「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」で、レーシングスタイルのコンセプトカー「プロトタイプ10」を公開したと発表した。

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 ペブルビーチ・コンクール・デレガンスは世界屈指のカーコンクールだ。このコンクールでは、出品車が世界に与えた影響や、例えば古い車であればそのコンディションなどで優劣が決まる。このイベントの影響力の高さから、自動車メーカーが新車を発表する場所としても利用されている。ちなみに今回は日産のほか、アウディやフェラーリも新型車をこのイベントで発表した。

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 今回登場したプロトタイプ10は「インフィニティ」のモデルとして発表された。インフィニティは北米を中心に販売されている日産のプレミアムブランド。トヨタの「レクサス」やホンダの「アキュラ」などもプレミアムブランドだ。日産ではインフィニティを高級でありながらスポーティなブランドとしてマーケットへ訴求しており、F1などの世界トップカテゴリーのモータースポーツにインフィニティ名でスポンサードしている。

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 このプロトタイプ10は、レーシングカーのスタイルをまとった”電動車”として公開された。インフィニティは、2021年以降すべての新型車を電動化していくと明言していて、今回の発表もその流れを汲んだものとなっている。注目すべき流麗なボディスタイルは近未来的な造形に見えるが、しかし守旧派の車好きにも訴えかけるクラシカルなレーシングスタイルを持っている。同社では「シングルシーターの高出力レーシングカーが人気を集めた時代に最も刺激的とされたいくつかのモデルのレイアウトを参考にデザインした」としていることからも、歴史を大切にする車趣味人の琴線に触れるデザインをも目指したことは明らかだ。

 抑揚の効いたフロント部からグラマラスに絞り込まれたサイドへと美しくつながるラインがきっと人目を引くことだろう。存在を感じさせないヘッドランプや背びれのようなヘッドレストなどディテールにもこだわりが見て取れる。「フロントシールドがほとんどないからゴーグル無しでは乗れないよな。でも、それもクラシカルでいいかも」などと見る者が勝手に想像できる余地が残されているのもおもしろい。

 なお、パワーユニットや動力性能については明らかにされていないが、プロトタイプ10に採用されている電動車用の「モジュラープラットフォーム」は、セダンやSUVなど多様なボディ形状やサイズに対応できるとしている。

 量産化されることはないプロトタイプではあるが、今後インフィニティブランドのデザインを占う上で非常に興味深い車である。これから出る新型量産車に、プロトタイプ10のデザインの引用を見つけたら、一人ほくそ笑みたいと思っている。

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