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最終更新日:2018.08.02 公開日:2018.08.02

2018お盆シーズン渋滞回避大作戦・下り編

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 大都市圏から各地へ帰省や旅行をする人が増えるため、どうしても高速道路での大型渋滞が発生しやすいお盆シーズン。前半の8月10日(金)から13日(月)まではこちら、翌14日(火)から19日(日)まではこちらで渋滞予測情報を紹介した。それにしても、これらの渋滞を回避する方法はないものか?

 ここでは、渋滞がなぜ発生するのかといった解説を含め、いくつかの渋滞を例に取り、その回避術を紹介する。まずは下りの渋滞を取り上げた。上りの渋滞回避に関してはこちら

【下り編】インデックス

●E20中央(11~13・18日)
 高井戸IC⇒相模湖IC(延長約45km・通過約2時間15分)
●E17関越(11・13日)
 大泉JCT⇒嵐山小川IC(延長約35~約40km・通過約1時間10~20分)
●E3九州(11・13日)
 古賀IC⇒鳥栖JCT(延長約30km・通過約1時間30分)
渋滞を招くサグとは?
全国の高速道の下りで10km以上の渋滞が発生する回数について

【上り編】インデックス

E1東名(10・13~19日)
 大井松田IC⇒横浜町田IC(延長30~35km・通過に約1時間15分)
E1名神(11~13日)
 茨木IC⇒大津IC(延長30~35km・通過に約2時間~2時間20分)
E28神戸淡路鳴門(14・15日)
 津名一宮IC⇒垂水JCT(延長30~35km・通過に約1時間30~45分)
全国の高速道の下りで10km以上の渋滞が発生する回数について

E20中央・高井戸IC⇒相模湖ICの延長45km渋滞の傾向

 大型連休のたびに毎回最長の予測が出されるのが、中央の東京都杉並区の高井戸ICから神奈川県相模原市の相模湖ICまでの下り区間で発生する渋滞だ。今年は、8月11日(土)~13日(月)の3日連続に18日(土)を加えた合計4日間で、ピーク時の延長が今夏最長の約45kmという予測がなされている。

 通常ならこの区間は約35分で通過できるのだが、渋滞のピーク時に通過しようとすると約2時間15分もかかる。通常の4倍近い時間を要することからも、できることなら避けたい渋滞のひとつだ。

 高井戸IC⇒相模湖ICの渋滞は11~13日は朝5時頃から、18日は6時頃から始まる。ピーク時は11日から順に、6時頃、9時頃、7時頃、7時頃だ。終わりもまちまちで、6時頃、13時頃、15時頃、14時頃となっている。

 11日の渋滞予測に関しては1時間単位での資料も発表されており、それによると6時頃から10時頃までの約4時間が延長約45km・通過時間約2時間15分のピークの時間帯となる。

 その後は1時間ごとに短くなるものの、12時の時点でもまだ延長約30km・通過時間約1時間半だ。つまり、普通にいつも通りの時刻に起きて出発したら、渋滞のど真ん中となってしまうのである。

高井戸IC⇒相模湖ICの渋滞への対策

 最も望ましい渋滞回避の手段は出発時刻を調整し、渋滞が発生する時間帯を回避すること。可能なようなら、平日の料金割引が適用される9日(木)・10日(金)に出発してしまうのもひとつの手段だ(料金割引について詳しくはこちらの記事を参照)。11~13日、18日に出発する場合は、その日になってすぐの深夜から早朝までの間、そして逆に午後遅めから夜間にかけて出かければ、大きな渋滞に巻き込まれずに済む。

 高井戸IC⇒相模湖ICの渋滞の主要因は、下り坂から上り坂に変わる「サグ」があるための速度低下と分析されている。サグ区間は相模湖ICの2kmほど手前にある。サグに関しては、最終ページでまとめたので、こちらをご覧いただきたい。

E17関越・大泉JCT⇒嵐山小川ICの延長35~40km渋滞の傾向

 関越の下りでは、東京都練馬区の大泉JCTから埼玉県比企郡の嵐山小川(らんざんおがわ)ICまで、11日(土)にピーク時の延長が約40km、13日(月)には約35kmの渋滞が発生する。11日は朝5時頃から15時頃まで、13日は朝5時頃から14時頃までと予測されている。

 この区間は通常なら約25分で通過できるが、11日はピーク時の8時頃だと約1時間20分、13日はピーク時の9時頃だと約1時間10分と3倍もかかってしまう。

 11日に関しては1時間単位の渋滞予測が発表されており、それによれば8時頃から11時頃までの約3時間がピークとなる。この間、ピーク延長は約40kmだが、瞬間的には約47kmまで延びることが予測されている。ピーク時の前後も渋滞はもちろんあり、7時の時点で1時間以上、13時の時点でも同じく1時間以上だ。

大泉JCT⇒嵐山小川ICの渋滞への対策

 渋滞が発生する時間帯を回避するのが望ましい。よって11日に出かけるのなら、5時より以前か15時以降。13日も、5時より以前か14時以降だ。もし可能なら、料金割引が設定されている9日(木)・10日(金)の内に出発することも検討しておきたい(料金割引に関する詳しい記事はこちら)。

 そして大泉JCTから嵐山小川ICまでの渋滞の要因はふたつ挙げられている。主要因と分析されているのが、嵐山小川ICのひとつ手前にある埼玉県東松山市の東松山ICの合流後にサグ部があり、速度低下を招くためと分析されている。サグについて詳しくは最後にまとめたので、こちらをご覧いただきたい。

 また東松山ICの合流付近では、追い越し車線にクルマが偏りやすいことも影響しているという。土曜・休日の朝方において東松山ICから嵐山小川ICまで、3車線の利用のされ方を調査したところ、第1走行車線が15%、第2が35%で、追い越しが50%という結果が出た。車線が均等に使われないと渋滞の発生を早めてしまうことから、NEXCO東日本では積極的な走行車線の利用を推奨している。

E3九州・古賀IC⇒鳥栖JCTの延長30km渋滞の傾向

 九州の下りで、11日(土)と13日(月)に発生するのが、古賀IC⇒鳥栖JCTの延長30km・通過時間約1時間30分の渋滞だ。11日は朝7時頃から夕方16時頃まで、13日は8時頃から17時頃までとなっている。

 通常ならこの区間は約20分で通過できるが、共にピーク時は4.5倍の約1時間30分もかかるという予測だ。ピーク時刻は共に11時頃。11日に関しては1時間単位の渋滞予測も発表されており、ピークは11時頃から12時頃にかけての約1時間で済むが、瞬間的な最大延長は38kmと予測されている。ピーク時の前後の通過時間は、9時で1時間強、13時で1時間弱となる。

古賀IC⇒鳥栖JCTの渋滞への対策

 渋滞を回避するには、出発時間を調整し、渋滞が発生する時間を避けることが望ましい。11日なら7時以前か16時以降、13日なら8時以前か17時以降だ。早めの出発が可能なら、9日(木)・10(金)に設定された料金割引を利用するのも手だ(料金割引についての詳細はこちら)。

 古賀IC⇒鳥栖JCTの渋滞は、鳥栖JCTの手前の太宰府ICから筑紫野ICにかけて上り坂になっていることが主要因と分析されている。下り坂から上り坂へ切り替わるサグほどではないが、上り坂も無意識の速度低下を招きやすい。標識やLED表示板が設置されている場所は特に速度低下が起きやすい区間なので、それらを見かけたら速度が落ちないよう維持し、もし速度が落ちていたら回復するようにしてほしい。

 またサグについては、次ページにまとめたので、併せてご覧いただきたい。

→ 次ページ:
サグと10km以上の渋滞発生回数

渋滞の主要因とされるサグとは?

 現在、渋滞の主要因として取り上げられることが多いのが、サグと呼ばれる区間だ。サグとは、スピードが出やすい下り坂から上り坂に切り替わる区間のことをいう。たるみ、ゆるみなどの意味の英語である「sag」からとられている。

 下り坂ではスピードが出やすいため、誰でもアクセルを抑えつつ走る。しかし、その意識のまま上り坂に入ってしまうと、クルマの速度が自然と低下してしまう。単独で走っているのなら問題ないが、これが行楽シーズンのように混雑している場合、1台のクルマの速度が低下すると、後続車もブレーキを踏んだりアクセルペダルを離したりするなどして速度を落とすことになる。それが次々と後続車に伝播していき、最終的には長大な渋滞へと発展してしまうのだ。

 サグ部には、上り坂になる手前でそれを知らせる標識やLED表示板などが設置されていることが多い。それらを見かけたらアクセルを踏み込み、速度が低下しないようドライバーひとりひとりが心がけることが、渋滞抑制の対策となるのである。

全国の高速の下りで10km以上の渋滞が発生する回数について

 基本的に延長30km以上の大型の渋滞を扱ってきたが、最後に10km以上の渋滞が全国の高速の下りで、このお盆シーズンに日ごとに発生する回数を予測したグラフも掲載しておく。

 11日(土)が最多の46回で、37回の12日(日)、36回の13日(月)がそれを追う。高速ごとの発生回数は発表されていないものの、これは11日にピークの渋滞以外にも細かい渋滞が多く発生することを示しており、最大の渋滞を抜けたからあとはスムーズ、とはいかない可能性を物語っている。このことからも可能なら日程を前倒しにして、料金割引もある9日・10日に高速を利用をオススメしたい。

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全国の高速の下りで発生する延長10km以上の渋滞の予測回数をまとめたグラフ(出典はNEXCO各社が発表した「2018年 お盆期間の高速道路における渋滞予測について【全国版】」より)。合計226回発生する。

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