クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

ライフスタイル最終更新日:2018.06.14 公開日:2018.06.14

【東京】6/6~7/29 奇想版画家の謎を解く8つの鍵「ミラクル エッシャー展」

00_escher_01.jpg

《婚姻の絆》 1956年

 「だまし絵」で知られる奇想の版画家マウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898~1972)の生誕120年を記念し、約150点の作品が展示される大規模な展覧会『ミラクル エッシャー展』が、7月29日まで上野の森美術館で開催されている。

現実の境界がゆらぐ魅惑のアート

 見れば見るほど不思議な画である。一見すると普通の建物なのに、重力を無視した空間構造だったり、逆流しながら永遠に続く水の流れだったり、エッシャーの画は、現実から非現実のパラレルワールドへとトリップする快感ともいうべき不思議な魅力を湛える。

00_escher_02.jpg

《相対性》 1953年

 エッシャーは、彼が生きた時代の「芸術」の文脈には属さない独創性を持つ作品を遺した。また彼の版画は、数学者、建築家、クリエーターなど専門家から子供まで、世界中の幅広い人々から愛されている。
 それはなぜか? 今回の展覧会のために所蔵品を提供したイスラエル博物館の学芸員は「彼にとって版画制作は、自然界と人間界の秩序と規則を探求するための単なる手段である」と述べている。つまり、エッシャーの画は、人間なら誰もが1度は疑問に思う「世界の構造の謎」を解き明かす冒険の軌跡とも言えるのでははないだろうか。
 この展覧会では、『科学』『聖書』『風景』『人物』『広告』『技法』『反射』『錯視』の8つのキーワード(展示の章)で、その謎に迫ったエッシャーに迫る。探求者エッシャーとともに究明の旅に出かけてみよう。

→ 次ページ:
エッシャーの代表作をご紹介!

ニヒルな笑みの自画像

00_escher_03.jpg

《椅子に座っている自画像》 1920年

 普通、肖像画はいい印象を持つものとして描かれることが多いが、エッシャーの自身についての視点もユニークだ。黒が強調された色調と、足元から捉えた空間を窮屈に見せる視点は構図に緊張感をもたらしている。この肖像画は、エッシャーが建築家か版画家か、職業の選択に悩んでいた時のもので、悩んだ末の結果が背景の版画に現われている。

 自分自身をモデルとして扱う自画像は、アーティストが自分は何者であるかをはっきりとさせるひとつの方法でもあるが、笑みを浮かべる彼の表情からはふっきれた後の決心がうかがえないだろうか。

鏡を通してみる現実という小宇宙

00_escher_07.jpg

《球面鏡のある静物》 1934年

 球形の鏡に映る空間はエッシャーが当時暮らしていたローマのアトリエで、彼が版画制作に取り組んでいる様子がうかがえる。反射はエッシャーの作品に繰り返し表れるテーマであり、画の中の空間を広げ、別世界へトリップさせる効果を持つ。
 ルネサンスやバロック絵画では、鏡は外界の存在である神を暗示すると考えられていたが、エッシャーの作品に描かれる完結した小宇宙も、普段は気づかない自分が属する世界を客観視する視点の広がりが感じられる。その世界を笑いながら見下ろす人間の顔をもつ鳥の置き物は、いったい何を意味するのだろうか。

視覚のイリュージョン『錯視』

00_escher_05.jpg

《滝》 1961年 すべての画像 All M.C. Escher works copyright © The M.C. Escher Company B.V. – Baarn-Holland. All rights reserved. www.mcescher.com

 錯視とは目の錯覚のことを言う。高低さがないにもかかわらず上へと登っていき、やがて水車の上へと滝となって流れ落ちるこの作品は、「だまし絵」を代表するものとしてよく知られている。
 よく見ると、水が上へと登るよう見る者を錯視させるために、水路のレンガには段差が施されているのが分かる。水が巡回し続けるこの画は永遠性を表すとともに、エッシャーの故郷オランダによくある水車小屋や洗濯を干す人など現実世界と、塔の上の奇妙なキューブのオブジェや、左下の庭に咲く不思議な植物など、異世界が混在一体となり不思議な雰囲気を醸し出している。

→ 次ページ:
招待券プレゼントのお知らせ

招待券.jpg

生誕120年 イスラエル博物館所蔵
ミラクル エッシャー展
奇想版画家の謎を解く8つの鍵

【会期】
2018年6月6日(水)~7月29日(日)
【開館時間】
10:00~17:00(金曜日は~20:00)※入館は閉館の30分前まで
【休館日】
会期中無休
【会場】
上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)
【入館料】
一般1600円 他 ※詳細は展覧会公式HPでご確認ください
【アクセス】
JR上野駅 公園口より徒歩3分 他
【展覧会公式HP】
http://www.escher.jp/

「エッシャー展」の招待券プレゼント応募は終了しました。
賞品は抽選の上、2018年6月25日に発送しました。
たくさんのご応募ありがとうございました。

この記事をシェア

  

応募する

応募はこちら!(6月30日まで)
応募はこちら!(6月30日まで)