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クルマ2017.10.31

【JNCAP2017】前期・予防安全、最新9車種をランキングで紹介

国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)が毎年発表している「自動車アセスメントJNCAP」。 10月26日に発表された2017(平成29)年の前期の評価結果を掲載する。

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予防安全性能評価試験の様子。道路を横断する歩行者を模したダミーに対し、カメラなどのセンサーが反応してきちんと自動ブレーキがかかるかの評価試験を行う。

 JNCAP2018年前期が2018年11月29日に発表されました。記事はこちらです(新しいタブが開きます)。


 国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)が毎年発表している、「自動車アセスメントJNCAP」。2017(平成29)年の前期の評価結果が10月26日に発表された。

 JNCAPとは、ユーザーが安全なクルマを選びやすいように、そして自動車メーカーにはより安全なクルマの開発を促すため、安全性能の評価試験を実施し、公表しているものだ。

 評価試験は大別して、被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)のように事故を未然に防ぐための技術を評価する「予防安全性能評価」(予防安全)と、衝突時の乗員や衝突された歩行者の安全性を評価する「衝突安全性能評価」(衝突安全)の2種類がある。そして、チャイルドシートの前面衝突時の安全性や、使用性(使いやすさ)を評価する「チャイルドシート安全性能評価」も実施している。

 今回は2017年度の前期として、まずは予防安全の前期8車種と、10月31日に追加された1車種の合計9車種をランキング形式で紹介する。

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2017年の予防安全試験はここが変わった!

新たに「車線逸脱抑制」の項目が登場

 予防安全性能評価試験は2014年から始まり、毎年、新技術の普及に対応して新たな試験項目を追加している。項目ごとに点数が設定されており、2017年は昨年から8点増えて4項目で79点満点となった。

 4項目の内訳は、被害軽減ブレーキの「対歩行者」(25点満点)と「対車両」(32点満点)、「後方視界情報」(6点満点)に加え、今年度から行われるようになった「車線逸脱抑制」(16点満点)だ。

 「車線逸脱抑制」は、昨年の「車線はみ出し警報」をより高度な技術に対応させた評価試験。「車線はみ出し警報」は、車線をはみ出しそうになるとクルマのカメラが車線の位置を認識して警報が鳴るかどうか、という評価試験だった。

 それに対し、今回はステアリングやブレーキを自動制御して、車線内にとどまれるか、はみ出してしまった場合は車線内に戻せるか、という「車線逸脱抑制装置」の機能を評価する内容となっている。評価試験は、車線逸脱量などによって得点を算出する。

残りの3項目について

 従来の3項目についても触れておく。被害軽減ブレーキの「対車両」は、車両を対象として被害軽減ブレーキがどれだけ機能するかという試験。同「対歩行者」は、歩行者(試験では専用のダミー人形を使用)に対してどれだけ機能するかというものだ。後方視界情報は、後方視界の視認性が評価される。

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ベスト3を発表!

予防安全性能評価試験2017年前期ベスト3

 それでは、1位から順に発表する。79点満点だが、感覚的にわかりやすいように、カッコ内に100点満点換算した得点も合わせて掲載した。

 79点満点中で12点(100点満点換算だと15.2点以上)を超えると「ASV+」、46点を超えると(100点満点換算だと58.3点以上)を超えると「ASV++」を与えられる。ASVとは「Advanced Safety Vehicle」の略称で、「先進安全自動車」を意味する。+が多いほど、ASVとして高性能という評価を受けたことを意味する。

1位:ノート(日産) 合計79.0点(100.0点)
ASV++

対歩行者:25.0 対車両:32.0 逸脱抑制:16.0 後方視界:6.0

試験に用いられたグレード:e-POWER X

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ハイブリッド車「ノート e-POWER」。日産は、2016年度のミニバン「セレナ」に続き、2年連続で満点を獲得した。日産は、多くの自動車メーカーが採用するモービルアイ社の単眼カメラ方式を採用し、被害軽減ブレーキ「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」や車線逸脱抑制装置「インテリジェントLI」を実現している。踏み間違い衝突防止アシストには、超音波センサーが用いられている。

 

2位:CX-5(マツダ) 合計78.5点(99.4点)
ASV++

対歩行者:24.5 対車両:32.0 逸脱抑制:16.0 後方視界:6.0

試験に用いられたグレード:XD PROACTIVE

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満点にわずかに届かなかったマツダのクロスオーバーSUV「CX-5」。マツダも画像認識はモービルアイ社製の単眼カメラ⽅式。そのほか、ミリ波レーダーと超⾳波センサーも備える。同社の⾞線逸脱抑制装置「レーンキープ・アシスト・システム」は、カーブも含めて⾞線の中央を維持するためのモード「ライントレース」と、実際に逸脱しそうなときのためのモード「逸脱回避⽀援」という2種類からドライバーが選べる。

 

3位:N-BOX(ホンダ) 合計76.6点(97.0点)
ASV++

対歩行者:22.6 対車両:32.0 逸脱抑制:16.0 後方視界:6.0

試験に用いられたグレード:G Honda SENSING

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2017年9月1日より発売を開始したホンダの新型・軽自動車「N-BOX」。同社のセンシング技術である「Honda SENSING」は、ミリ波レーダーと単眼カメラを併用する方式だ。なお新型「N-BOX」のHonda SENSINGが最新版だけあって最も多機能で、被害軽減ブレーキや車線維持支援システムなどのほか、ホンダ車で唯一の後方誤発進抑制機能も備える。

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続いて4~6位まで!

続いて4~6位!

4位:レヴォーグ/WRX(スバル) 合計76.5点(96.8点)
ASV++

対歩行者:22.5 対車両:32.0 逸脱抑制:16.0 後方視界:6.0

試験に使用された車種・グレード:レヴォーグ 1.6 STI Sport EyeSight

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スバルのスポーツワゴン「レヴォーグ」(上)と、スポーツセダン「WRX S4」(下)。車名とセグメントは異なるが、兄弟車種なので予防安全性能が同等とし、JNCAPでは同一車種として扱われている。同社が日立製作所と共同開発したステレオカメラ方式「アイサイト」シリーズの最新版で、車線逸脱抑制機能と先行車追従機能を備え、長距離移動を支援する「ツーリング・アシスト」をスバル車で初搭載した。

5位:C-HR(トヨタ) 合計74.4点(94.2点)
ASV++

対歩行者:20.4 対車両:32.0 逸脱抑制:16.0 後方視界:6.0

試験に使用されたグレード:G

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2016年12月に発表された、トヨタのコンパクトSUV「C-HR」。トヨタが掲げる新コンセプト「TNGA(Toyota New Global Architecture)」採用第1号である15年12月発売の「プリウス」とプラットフォームを共通とし、TNGA採用第2号車に当たる。同社の衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を搭載し、単眼カメラとミリ波レーダーを装備。同支援パッケージは、子会社のデンソーで開発された技術が採用されている。

 

6位:フィット(ホンダ) 合計65.5点(82.9点)
ASV++

対歩行者:11.5 対車両:32.0 逸脱抑制:16.0 後方視界:6.0

試験に使用されたグレード:HYBRID・S Honda SENSING

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ホンダのコンパクトカー「フィット」。ミリ波レーダーと単眼カメラによる画像認識技術を組み合わせた同社独自の予防安全技術「Honda SENSING」を搭載。Honda SENSINGは、同社のラインナップの内の上位モデルだけでなく、3位の「N-BOX」やこの「フィット」など、軽自動車やコンパクトカーや、軽自動車「N-BOX」などにも搭載されるようになっており、低価格帯のクルマへの装備が進んでいる。

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続いて7~9位まで!

続いて7~9位!

7位:アウトランダー/同 PHEV(三菱) 合計63.2点(80.0点)
ASV++

対歩行者:17.2 対車両:32.0 逸脱抑制:8.0 後方視界:6.0

試験に使用されたグレード:G Navi Package

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三菱のプラグインハイブリッドSUV「アウトランダーPHEV」。同社では、プラグインハイブリッドを”PHEV”と略している。「アウトランダーPHEV」とガソリン車「アウトランダー」の大きな違いは乗車定員で、前者が5人、後者が7人。そして三菱の予防安全システム「e-アシスト」は、単眼カメラとミリ波レーダー、超音波センサーを備える。車線逸脱抑制機能は備えず、車線逸脱警報のみを搭載する。

 

8位:ワゴンR/同スティングレー(スズキ) 合計58.9点(74.6点)
ASV++

対歩行者:12.9 対車両:32.0 逸脱抑制:8.0 後方視界:6.0

試験に使用された車種・グレード:ワゴンR HYBRID FX

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スズキの軽自動車「ワゴンR」。単眼カメラと、「LIDAR」などとも呼ばれるレーザーを用いたレーザーレーダーを組み合わせたシステムを搭載。車線逸脱抑制装置は搭載しておらず、車線逸脱警報のみ。「ワゴンR」と「ワゴンRスティングレー」は外見や性能差があり、「ワゴンRスティングレー」の方が価格が高い。なおマツダ「フレア」は、スズキからOEM供給された「ワゴンR」。

 

9位:トール(ダイハツ) 合計30.6点(38.7点)
ASV+

対歩行者:- 対車両:18.6 逸脱抑制:6.0 後方視界:6.0

試験に使用された車種・グレード:ルーミー カスタムG(トヨタ)

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室内空間の広さを追求した、ダイハツのコンパクトカー「トール」。同車のトヨタへのOEM供給車が「ルーミー」と「タンク」(販売チャネルが異なる)、スバルへのOEM供給車が「ジャスティ」だ。ダイハツの予防安全システム「スマートアシストII」を採用。単眼カメラとレーザーレーダー、超音波センサーを備える。衝突被害軽減ブレーキは対車両のみ。また車線逸脱抑制機能はなく、車線逸脱警報のみとなっている。

 衝突安全5車種については、この後に別記事にて紹介する予定だ。

2017年10月31日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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