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クルマ2017.04.20

目指すはEV版のフェラーリ! GLM、国産初のEVスーパーカー「GLM G4」を日本初公開!

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EVスーパーカーのコンセプトモデル「GLM G4」。設計・開発は、同社による国産初のEVスポーツカー「トミーカイラZZ」の100倍は難しいという。今回展示された車両は、ドアは自動開閉するが、走行はできない。

 EVの開発・販売を手がける、京都大学発のベンチャー・GLM。同社は、EVスポーツカー「トミーカイラZZ」(関連記事はこちら)を一から設計して開発し、そして99台とはいえ量産化に成功したことで、国内外から大いに注目された。

 そんなGLMが2016年9月29日に、パリモーターショーでワールドプレミアとしたのが”次世代EVスーパーカー”と銘打った「GLM G4」のコードネームを持つコンセプトカーだ。GT(グランド・ツーリング)カーの1種だが、従来にない新セグメント、としている。

 最高時速は250kmと、300km超えをつい期待してしまう人には少し物足りないかも知れないが、加速力は抜群。時速0→100kmまでが3.7秒と、500台限定・3750万円で販売されたスーパーカー・レクサス「LFA」と同タイムである(トミーカイラZZが3.9秒)。

 そしてこの4月18日にジャパンプレミアを開催。日本の報道陣の前にその姿が披露された。

 ワールドプレミア時に発表された情報については『今度は時速0→100kmを3.7秒! 京都発のEVスーパーカー「GLM G4」が2019年から量産予定』をお読みいただくとして、ここでは今回新たに発表された情報を中心に掲載する。

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トミーカイラZZ。同車は、90年代から21世紀初頭にかけて、京都で開発されて206台が販売された同名の伝説とされるガソリン車のコンセプトを引き継いだEVスポーツカー。GLMが一から設計・開発した。

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GLM G4はあくまでもコンセプトカーであり、まだ正式な寸法や車重などは発表されていない。これからの開発の中で、決定していくとしている。

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価格は果たしておいくら!?

価格はスーパーカーらしくなんと○000万円!

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GLM G4のリアビュー。大きく跳ね上がったアンダートレイのディフューザーは、車体下部の空気の流速アップを狙ったものと思われる。車体下部の空気の流れが速くなれば負圧が発生して車体を地面に吸い寄せる力が働くので、車体上面で発生するダウンフォースと相まって、それだけ高速域での安定性が実現するのである。

 まず想定価格だが4000万円。同社の田中智久取締役によれば、「EV版のフェラーリを目指す」ということで、高付加価値をGLM G4に持たせるという。トミーカイラZZが「童心に返る、子どものように楽しめる時間を与えてくれるクルマ」だったが、GLM G4では「官能的な時間を与えてくれるクルマ」を目指すとしている。

ヨットの帆をイメージした「アビームセイルドア」

 また、スーパーカーながら4人がゆったりと乗れるのもGLM G4の特徴。そして乗り降りがしやすいように工夫されたのが、前後のドアが上向きに観音開きとなる仕組み。このドアは「アビームセイルドア」と名付けられた。

 アビームセイルドアの「アビーム」は、ヨットが風を受けて最もスピードを出せる状態を指す。GLM G4は「ロードヨット(路上を走るヨット)」の車両コンセプトを与えられており、それと、スーパーカーの「速度」を象徴する意味合いが込められているとした。

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4枚のドアをフルオープンした状態。ヨットの帆が風をいっぱいに受けて水上を滑走するようなイメージである。

アビームセイルドアが自動オープンする様子。

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販売目標台数と販売地域は?

1000台の販売・400億円の売り上げが目標!

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 そして販売台数は1000台。売り上げ目標は400億円程度となる。販売地域は日本国内のほかは、欧州、中東、中国、香港。ただし、欧州での生産も検討中のため、日本には逆輸入する形も考えられており、今回展示されたコンセプトカーのように左ハンドルのままの可能性もあるとした。

 なお米国が販売対象地域となっていないことに関して田中取締役に質問してみたところ、欧州と米国では法規的な差が大きいため、現状で両地域に対応できるように開発するのが難しいことが理由だという。

 それでは米国ではなく欧州をターゲットした理由は何かというと、先ほどもいったように自動車発祥の地であり、ほかの地域に対して大きな影響力を持つことが大きい。中東や香港などでも大きな変更もなく販売が可能だからだ。欧州で認められることが目標のひとつだという。

GLM G4の開発陣のトップのコメント

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GLM G4の車内。白で高級感のある形でまとめられている。ワールドプレミアがフランスであったことから、左ハンドル仕様。市販車は海外で生産される可能性があることから、すべて左ハンドル仕様となり、日本には輸入という形で逆上陸するかもしれないという。

 さらに、今回は出席できなかったが、トミーカイラZZの設計開発の中心となり、現在はGLM G4の車体とカウルの設計を担当する、同社の藤墳裕次(ふじつか・ゆうじ)技術本部長のコメントも発表された。

 「トミーカイラZZは世の中にあるもの(技術・部品)を活用して完成させたが、GLM G4は自分たちの欲求を突き詰めており、ZZから流用できる部品は限られている上に、部品点数は2倍以上になる。開発陣の要求仕様を満たす汎用品はなく、ほぼゼロから新しくGLM G4の開発を進めている」とした。

 トミーカイラZZと比べて100倍難しいという。現状、藤墳氏は「信念を持ったスタッフばかり」という技術陣の指揮を執りながら、自身では車体とカウルの設計を進めているとした。

 なお同社は、年内には何らかの形でGLM G4が実際に走行する様子を披露したいとしている。

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トミーカイラZZと同じような構造を採用?

カウルは組み付ける形にする予定

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 トミーカイラZZの特徴のひとつが、プラットフォームにカウルをかぶせる仕組みを採用していること。GLM G4でも同じようにプラットフォームとカウルという形で分けて設計・開発しているそうだが、車体にカウルを組み付ける形にするため、トミーカイラZZのようにカウルの脱着を簡単に行えるようにはならないようである。

 また、トミーカイラZZはさまざまな技術系企業の協力を得て共同開発されたことが開発する上での特徴となっているが、GLM G4もそのような形で設計・開発が進められている。ちなみに、EVのキモとなるインバーターなどはトミーカイラZZのときはニチコンと共同開発が行われた。

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コンバーター。ニチコンと共同開発された。GLMは水平分業という、従来の発注元と下請けという垂直分業ではなく、企業が並列で手を取り合ってものづくりを進める方針でトミーカイラZZを開発した。GLM G4にももちろん、その方針は引き継がれる。

 今後、こうした企業と協力して、専用のパワートレインやアーキテクチャ、インテリア、インフォテイメントを開発していく予定だ。GLMの小間裕康(こま・ひろやす)代表取締役社長は、「GLM G4を開発できるのも、日本にはすぐれた自動車関連の技術を持ったメーカーが集積しており、そうした企業に支えられてこそです。GLM G4は日本の技術力のテクノロジーショーケースとなると思います」とした。

 さらに、「GLM G4に投下されるさまざまな技術は、今後の自動車産業のスタンダードとなりうるものになるでしょう。GLM G4で実証された技術が、世界の自動車メーカーの技術の中に組み込まれていくことも我々のもうひとつの挑戦だと思っています」としている。

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小間裕康GLM代表取締役社長。

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発表済みのGLM G4のスペックについて

GLM G4スペック

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リアシート。アビームセイルドアの後部ドアは、大きく斜め上後方に跳ね上がるので、後部席でも乗り降りしやすいと思われる。

 ワールドプレミアと今回と合わせて、GLM G4の現時点で公表されているスペックは以下の通り。寸法や車重などは最終決定しておらず、開発過程で決定していくとしている。また、発表済みのスペックに関しても、開発過程で変更・修正する可能性があるという。

・モーター
 最高出力:400kW(540馬力)
 最大トルク:1000N・m(101kgf・m)
 搭載数:2
・最高速度:時速250km
・航続距離:400km(計測方法は欧州標準試験モードNEDC)
・加速(時速0-100km):3.7秒
・駆動方式:4輪駆動
・乗車人数:4人
・ドア:4枚
・販売開始時期:2019年
・予想価格:4000万円

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ドアミラー。空力を考慮したデザインで、このコンセプトカーではカメラによる後方視界の確保を考えているが、デザインなどの都合で一般的なドアミラーになるかも知れないという。ここらへんはまだ未決定だそうだ。

2017年4月19日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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