ライダー必見!! 頭部用水冷インナーで夏場のヘルメット内をクールに!
ヘルメットの下に被っている青いインナーが頭部全体フード型水冷服「クールアーマー CA2 TypeG」。腰にあるのは、バッテリー駆動で水を循環させる「水循環冷却バッグシステム」。ヘルメットエアコンはこのふたつで構成され、それぞれ単体でも購入可能。
バイクの魅力のひとつは風を切って走れるところだが、逆に直射日光にさらされるため、これからの季節でやっかいなのがヘルメット内の暑さだ。ヘルメットはただでさえ圧迫感があって体温もこもるところに、直射日光による輻射熱も強烈で、夏場は熱中症になってしまうことすらある。ライダーなら、誰もが一度は「夏でも涼しくて快適なヘルメットをほしい!」と思ったことがあるはずだ。
そんなライダーたちの長年の願いを叶えるべく、熱中症対策製品メーカーのクールスマイルが新アイテムを開発。水冷機構を備えた頭部全体フード型水冷服「クールアーマー CA2 TypeG」(TypeG)と水循環冷却バッグシステム「CS」シリーズで構成された「ヘルメットエアコン CA2G315L」(ヘルメットエアコン)だ。
猛暑の中で鍛えられた「人間エアコン」シリーズとは?
同社は、風を送ることすらできないような過酷な日差しのきつい屋外での作業現場でも快適な環境を作業者に提供できるよう、水冷方式の着衣型冷却システム「人間エアコン」シリーズを開発している。カタールのドーハという、最高気温で50度にも達するような熱砂の建設現場で作業員に着用してもらうなどして、データの収集をしているという。
人間エアコンシリーズの第2世代以降の製品には、同社が新開発した「面水冷却」機構が搭載されているのが特徴だ。同社の第1世代の製品や他社製品などは、シリコン製のチューブを使った「線水冷却」が採用されているが、熱交換効率の低さや着心地の悪さなどが問題となっていた。
チューブによる線水冷却と、フィルムによる面水冷却の効率の差。同社第1世代の「CA1」などはチューブを用いており、チューブがバイクのタイヤなら、第2世代のフィルムを用いた方式はクルマのタイヤという具合で、接地面積に大きな差があることからグリップ力に差があるように、熱交換効率に大きな差がある。同社公式サイトより抜粋。
そこで薄いフィルム中を水が流れるという、面水冷方式を開発。広い表面積で身体と接触することで広範囲の体温をまとめて奪うことができ、より冷感を得られるのだという。
さらに、折り曲げても水流が途切れない機構のため、身体の動作に順応。それにより、着心地も従来方式よりアップしているというわけだ。
TypeGも人間エアコンシリーズのひとつであり、面水冷機構によって頭部や顔の広範囲を冷却。ヘルメット内を大幅に快適にするのである。
同社が新開発したフィルム間に水を通す面水冷却は、折り曲げても水流がそこで止まってしまわないのが大きな特徴。そのため身体の動作への追従性が高く、着心地が同社従来製品よりもアップしている。
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ヘルメット内の環境をクールにする仕組みに迫る!
ヘルメットエアコンにはどんな仕組みが?
TypeGはポリエステルおよびポリウレタン製の生地が採用されており、伸縮に富む。サイズはL(フリーサイズ)で、平均的な成人男性が被るとちょうどフィットする感じだという。将来的には、S~3Lの5種類がラインナップされる予定のようだ。重量は200g。また素材的に洗濯機で丸洗いできて乾くのも早く、清潔さも保ちやすい。
デザイン的には、レーシングドライバーなどが装着するような耐火インナーのようになっており、目、鼻、口が出る形で顔の周囲と頭部を囲い、あごやほお、頭頂部、後頭部などを冷却する。
しかも、ヘルメットを被ることで自動的に密着度が増すので冷却効果が上がるようにもなっている。ただし、これまで利用してきたヘルメットだときつくなってしまう可能性もあるそうで、場合によってはワンサイズ大きなヘルメットに変更する必要もあるようだ(インナーパッドのサイズ変更や、ソフトパッドへの変更でも対応できる可能性はある)。
またTypeGはフロントファスナーを採用しているので着用しやすく、それと同時に、あご部の締め付けを調整できるようになっている。また、休憩時にはファスナーを降ろして頭部から外しても、TypeG自体は首からぶら下げておけるなど、使い勝手も考慮されている。
TypeGを装着してジェットヘルを被った様子。思ったよりも目立たない点も長所のひとつだろう。
小型のクーリングシステムで水を循環
そして氷水の保存と循環を担うのが、同社が開発した「水循環冷却バッグシステム」だ。氷を利用して約15度に安定させた水をバッテリー駆動で循環させており、リチウムイオン型の小型バッテリーの交換を行うことで連続して8時間以上の冷却が可能だという。TypeGの首元から出ているホースに接続して水を循環させる仕組みだ。
同システムのタンクには市販のペットボトルを利用する形で、収納できるペットボトルのサイズで0.5L用、1L用、2L用の大別して3種類がある。
0.5Lと1L型はポーチ(ホルダー)型の作りで、腰や肩に装着できるようベルトやバックルなどが備えられている。サイズ的には最少の0.5Lエントリーモデル「CS311」が幅15cm×高さ24cm×奥行8㎝で、1Lのロングタイムモデル「CS317i」が幅21cm×高さ24cm×奥行8cm。バックパックなどに収納可能なサイズだ。重量は0.5L型が0.6~0.7kg(+水)、1L型が0.65~0.75kg(+水)となっている。
画像は、1Lタイプの水循環冷却バッグシステム「CS315」および「CS317i」のタンクを取り出したところ。1Lまでのペットボトルが利用できるということであり、1L以外はダメ、ということではない。0.5Lタイプの「CS311」と「CS313i」は、0.5Lサイズのペットボトルまでなら利用可能。
2L用「CS303」はボディーアーマータイプ
2L用はポーチ型ではなく、ボディーアーマータイプだ。人間エアコンシリーズ「水循環冷却バッグシステム CS303」として、単体でも販売されている。
警官や陸軍兵士が装着するようなボディーアーマーのようなイメージだが、背中側を覆う形で、腹部側は覆わない。サイズは幅30cm×高さ57cm×奥行13㎝で、重量は1.9kg(+水)。2Lペットボトルをタンクとして装備でき、最大で3本まで装備可能だ。
価格は、TypeG+単体が5万円(税込)。そこにオールマイティモデルの水冷バッグシステム「CS315」(単体だと税込2万5000円)をセットにした「ヘルメットエアコンCA2G315L」が7万5000円(税込)。6月30日から発売開始の予定だ。
2017年4月3日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)