外環道~春日部が信号ゼロに! 新ルート「東埼玉道路」はどこまでできた? 高架部の橋脚工事もいよいよ本格化か【いま気になる道路計画】
埼玉県南東部で、国道4号をバイパスするルートとなる「東埼玉道路」の整備が進められている。2025年には側道が延伸開通し、外環道から松伏町までの移動が可能となった。計画の詳細やメリット、残る区間の進捗を見ていこう。
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「東埼玉道路」は国道4号のバイパスルート
東埼玉道路の位置図。
都心郊外の放射幹線道路に目を向けると、東北自動車道と常磐自動車道の間は約15km離れており、その間には越谷市街地をはじめとした地域で交通需要が集中している。
そんな高速道路の通っていない「高速空白地帯」を支えているのが国道4号だ。しかし、1日あたり4万台以上が通行するうえに信号交差点が連続するため、外環道(東京外かく環状道路)から国道16号にわたるほぼ全線において慢性的な渋滞に悩まされている。国土交通省の試算では、その影響による年間損失は約288万時間、約103億円にのぼるとされている。
こうした状況の解決策として、東側で整備中のバイパスが「東埼玉道路」だ。
本丸は有料道路。まずは無料の側道が先行開通
東埼玉道路の概要。
東埼玉道路は、外環道(国道298号)の草加市・八潮市境付近から北へ分岐し、越谷レイクタウンや松伏町を経由して、春日部市内で国道16号までを結ぶ延長約17.6kmの幹線道路。
本路線は、「無料の地上側道部(一般部)」と「有料の高架部(自動車専用部)」の2事業で構成されており、それぞれ別々に整備が進められている。現在は、一般部の整備が先行して順次開通している。一般部は片側1車線、自動車専用部は片側2車線の構造だ。
自動車専用部はNEXCO東日本が管理・運営を担う予定で、外環道に新設予定の「草加八潮JCT(仮称)」から分岐し、春日部市内で国道4号に接続する。その後も延伸し、最終的に国道16号の「庄和IC」までつながる計画となっている。
外環道と草加八潮JCTに隣接して建設中の「外環八潮PA」に設置予定のスマートICを含めると、9か所のICが新設される予定だ。
【東埼玉道路で設置予定のIC】
※いずれも仮称
・外環八潮スマートIC
・草加八潮IC(北行き)
・蒲生柿木川戸線IC(レイクタウン南側)
・越谷吉川線IC(レイクタウン北側)
・越谷総合公園川藤線IC(南行き)
・浦和野田線IC
・東埼玉道路連絡線IC(南行き)
・国道4号IC(南行き)
・庄和IC(南行き)
東埼玉道路が全線開通すれば、国道4号の交通流分散が期待できる。現状でも一部開通区間により、地域交通と通過交通の分離は一定程度進んでいるが、一般部は起点側で国道4号に直接接続しておらず、まだまだ片側1車線の補助的な機能にとどまっている。外環道から春日部方面まで自動車専用部が連続して整備されることで、交通流の分散効果はより大きく発揮される見込みだ。
「東埼玉道路」の工事進捗は?
草加市内では高架部の工事がスタートした。
気になる現在の進捗を一般部と自動車専用部それぞれで見ていこう。
■一般部(無料の側道部)
2025年6月に吉川市川藤~松伏町田島までの3.8kmが開通したことにより、すでに開通していた5.7kmを加えて、起点から9.5kmが開通。県道越谷野田線(越谷野田バイパス)に直結した。
この開通により、外環道方面から野田市内への短絡バイパスルートが誕生。これまで狭隘な県道に流入していた交通の一部が、東埼玉道路へ転換して交通分散が進んでいる。また、越谷レイクタウンの利用客にとっても利便性の高いアクセス道路の役割も担う。
今後は春日部市方面へ延伸し、国道16号へ接続する区間の整備が進められる段階だ。現在は用地取得が進められているほか、一部では先行して地盤改良や河川横断部の橋脚工事などが進められている。トンネルや高架などの構造物のない区間であるため、工事が本格化すれば完成までは比較的スピーディーに進むだろう。
■自動車専用部(有料の高架部)
現時点では、全線で未共用となっており、外環道~松伏町で事業が進められている。一方、春日部方面は未事業化区間となっている。
自動車専用部の外環道~松伏町区間は、2020年に事業化され、2022年工事が着手された。現在は詳細設計や用地取得が進められているほか、草加市内では橋脚設置工事が本格化しつつある。施工は、まず地中の基礎構築から始まり、その後、橋脚本体が地上へ立ち上がっていく工程となる。2027年春頃には2本の橋脚が完成する見通しだ。
ちなみに東埼玉道路の整備に合わせて、県道越谷野田線においてもバイパス整備が段階的に進められている。しかし、越谷野田線バイパスは、埼玉県南部における貴重な東西軸であるものの、現状では一本の路線として連続していない状況だ。
今後、越谷野田線バイパスが完成すれば、国道463号越谷浦和バイパスと一体となり、浦和~野田が一本道で移動可能となる見込みだ。
このように東埼玉道路の整備により、国道4号に集中していた交通の分散が進み、埼玉県南東部の道路ネットワークは大きく変化していく見込みだ。周辺路線の整備とあわせ、ますます便利になっていく埼玉県南東エリアの道路プロジェクトに、引き続き注視していきたい。
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