事業化から50年以上! 埼玉~群馬の「上武道路」ほぼ4車線化完了へ。残された「新上武大橋」から埼玉側で新たな動きが【いま気になる道路計画】
埼玉県熊谷市から群馬県前橋市を結ぶ国道17号バイパス「上武道路(じょうぶどうろ)」。埼玉県に残された暫定2車線区間では、4車線化工事と渋滞対策が進められている。広域移動を支えるこの路線について、概要やメリット、工事進捗を紹介しよう。
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上武道路がほぼ4車線化! 残る区間は埼玉県側
上武道路の計画平面図
国道17号のバイパスとして整備が進められている「上武道路」は、埼玉県熊谷市の「上武IC」から群馬県前橋市田口町を結ぶ路線だ。地域高規格道路「熊谷渋川連絡道路」の一部を構成し、埼玉北部~群馬南部を南北に貫く重要ルートとなっている。
現道の国道17号は埼玉県熊谷市や本庄市、群馬県高崎市、前橋市の市街地を通過するのに対し、上武道路は熊谷市から伊勢崎市の東側をバイパスし、再び前橋市に戻るルートを描く。つまり、上武道路は現道国道17号から大きく離れた位置を通る別ルートとなっている。
このため、利用シーンが限られており、現道国道17号を通るときは本庄市や高崎市方面へのアクセスに、上武道路は伊勢崎市や前橋市、さらに北関東方面の広域移動といった使い分けがされている。
「上武道路」の総延長は約40.5km、設計速度は80km/h。現在は、群馬県太田市武蔵島町から前橋市田口町までの約34.6km区間が4車線で供用済み。それ以外の区間は暫定2車線で供用されている。
2017年に暫定2車線区間を含めて全線開通を果たした後、交通量の増加により、一部の暫定2車線区間が新たなボトルネックとして顕在化。それを解消するため、4車線化に向けた工事や詳細設計が順次進められている。
上武道路とその4車線化によるメリット
上武道路周辺工業団地の物流圏
上武道路のメリットは、大きく「渋滞緩和」と「地域活性化」の2点が挙げられる。
先述した通り、東京~群馬を結ぶ国道17号は、本庄市や高崎市などの市街地の中心を通過するため慢性的な渋滞が課題だった。これに対して、市街地を避けるルートの上武道路が整備されたことで、現道と上武道路の役割分担が進み、交通の分散が実現した。
また、当該エリアは関東~甲信越だけでなく、東北・東海ともつながる物流圏を築いているため、工業団地も多い。上武道路が事業化された1970年以降、工業団地数は右肩上がりに増加。上武道路による広域アクセスの向上が、産業集積と地域活性化を後押ししてきた。
しかしその結果として、暫定2車線の上武道路では、交通量を受け止めきれず、新たな渋滞の要因となってしまった。ボトルネックとなった2車線区間を4車線化することで、さらなる円滑化が期待されている。
上武道路4車線化の進捗と局所渋滞対策
西別府交差点付近の渋滞対策イメージ。
上武道路では、2025年から暫定2車線区間の調査設計がスタート。前橋市上細井町~川端町の約2.6kmでは、2026年3月19日に4車線が開通したばかりだ。工事進捗や施工状況について、国土交通省 高崎河川国道事務所が公式X(旧Twitter)やYouTubeを活用し、現場の様子やトピックを随時発信しており、整備の進み具合や工事内容をタイムリーに確認できたので、重宝したドライバーも多かっただろう。
一方、利根川をわたる「新上武大橋」から埼玉県側、熊谷市西別府~深谷市高島の約5.5km区間では、引き続き調査設計が進行中だ。なお、国土交通省は2026年3月25日、同区間が深谷バイパスと接続する埼玉県熊谷市の「西別府交差点」について、「第3回移動性(モビリティ)向上委員会」での議論を踏まえた「局所渋滞対策」の実施を決定した。
対策としては、深谷バイパス付近に付加車線を整備し、「西別府交差点」の前後は実質的に上下線ともに3車線化される。あわせて、上武道路から国道17号に流入する場合は、右折レーンへの侵入は禁止し、埼玉県側にUターン路を整備する方針も検討されている。さらに、混雑が目立つ県道側についても埼玉県と連携し、対策を検討していく方針だ。
気になる4車線化の完成時期だが、現時点では、明確なスケジュールは示されていない。
このように、上武道路の4車線化事業は、具体的な完成時期こそ見通せないものの、各所で工事は着実に進んでいる。混雑するボトルネックの解消に向け、今後の動向にも引き続き注目したい。
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