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最終更新日:2019.02.08 公開日:2019.02.08

軽キャンパー市場に新風! ホンダ「N-VAN」が大人気!【ジャパンキャンピングカーショー2019】(2)

ホンダ「N-VAN」は昨年発売され、まだ1年経っていない新型車。出展台数こそ少ないが、軽キャンパーのベース車両として新鮮なことから、「ジャパンキャンピングカーショー2019」では、どこのブースでも来場者に注目されていた。そんな「N-VAN」ベースの軽キャンパーをピックアップしてみる。

今回、「N-VAN」ベースのキャンピングカーは複数台が出展されていたが、外装にまで大きく手を入れていたのは、ホワイトハウスの「N-VAN コンポ」のみだった。来場者もそれがわかるようで、途切れることなく集まっていた。展示車両の助手席側に設営されているのは、「オリジナルプライバシーテント」。サイドピラーがなく開口部が大きな「N-VAN」の助手席側にこれを設営すると、車内空間が拡張されたような感覚となる。

 ジャパンキャンピングカーショーや東京キャンピングカーショーなどで、毎回ホンダ車ベースのキャンピングカーを複数出展しているホワイトハウス(愛知県)。同社では、ホンダ車は味付けとして遊び心のあるクルマが多いことから、イメージ的にはキャンピングカーとするのに向いていると考えている。

 だがホンダ車は実際のところ、キャンピングカーのベース車両として選ばれることが少ない。それというのも、ホンダ車に架装するには技術力が求められるからだ。キャンピングカーに改造するのが難しいのである。しかしホワイトハウスは、「ほかがやらないからこそ」ということで、長年ホンダ車のキャンピングカーを手がけているのだという。

 実際、出展されている軽キャンパーを見ると、ここ何年もスズキのワゴン/バンの「エブリイ」とトラック「キャリイ」、そしてダイハツ「ハイゼット」のカーゴ(ワゴン/バン)&トラックの4車種が大きなシェアを占めている(※1)。過去のレポート記事でも、これらがベースの軽キャンパーを何車種も紹介してきた。これらは架装することも想定した設計であることが、ビルダーに選ばれる理由のひとつだという。

※1 過去の軽キャンパーをまとめた記事はこちら
キャンピングカーショー17 走る箱庭リビング!? 軽キャンパーが超充実!
【ジャパンキャンピングカーショー18】大人気の軽キャンパー、その中身に迫ってみた!【前編】
【ジャパンキャンピングカーショー18】大人気の軽キャンパー、その中身に迫ってみた!【後編】

今、「N-VAN」が熱い! 軽キャンパーのニューフェース誕生

 しかしそんなホンダ車において、キャンピングカーのベース車両としてビルダーから熱い視線が注がれるようになってきたのが、昨年発売された軽バン「N-VAN」だ。ホワイトハウスは、ホンダのアクセサリーやコンプリートカーなどを手がける関連会社のホンダアクセスと、これまで2回のコラボレーションを実施。昨年7月の「東京キャンピングカーショー2018」で両者が出展したのが、「N-VAN キャンピングカー仕様」だ(※2)。今回は、ルーフをポップアップにし、インテリアも変更するなど、それを発展させた形の「N-VAN コンポ」をホワイトハウスが単独で出展した。初日の2月1日から発売が始まったばかりの最新も最新のモデルで、車両価格は336万9000円(税別)から。

※2 「N-VAN キャンピングカー仕様」については、別記事『【東京キャンピングカーショー2018】日産「NV350 キャラバン グランピングカー」&ホンダ「N-VAN」軽キャンパー仕様に迫る』で紹介した

助手席側はセンターピラーがないことから、前後のドアを全開にすると、”ダブルビッグ開口”と名付けられた広い出入り口が現れる。「N-VAN」はもとから助手席もフラットにできるが、運転席を180度回転させられるのは「N-VAN コンポ」ならでは。またダブルビッグ開口部とバックドア開口部には、マグネットで取り付けられる虫除けネットが用意されている。

ポップアップルーフ内にはベッドが用意されており、サイズは1800×1020mmであることから、子どもなら十分寝られる。そしてバックドアに装備されているのはサイクルキャリアー。またリアバンパーの左リアタイヤ側には外部電源チャージャーが備えられており、オートキャンプ場などで外部電源を確保すれば、ACコンセントのある車内で利用できる。

テールゲートから車内を見たところ。大人がふたり寝られるセミダブルサイズ(2140×1150mm)もしくは、同じ全長で横幅が640mmのシングルサイズのエアマットが用意されている。また車内の暖房として、サブバッテリーを使って微量のガソリンを燃やすFFエアヒーターが用意されている。エンジンの停止中にも利用でき、吸排気は車外で行う設計なので、寒い冬でも過ごしやすい。

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続いてほかビルダーの「N-VAN」ベース軽キャンパーたち!

2段ベッド構成で大型荷物もしまいやすい岡モータース製「Miniature Shimauzer」

 続いては、そのほかのビルダーによる「N-VAN」ベースのキャンピングカーを3車種紹介する。トップバッターは、香川県の岡モータースが展示した「Miniature Shimauzer(ミニチュア・シマウザー)」だ。車両価格は、今回紹介した中では最も安価な229万1000円(税別)。装備としては、55Ahのサブバッテリーと1500Wインバーターを搭載し、100Vコンセント2口、USBソケット1口なども備える。ベッドは2段構成で、フロアは高耐久フローリング仕様にしてあり、荷物を積みやすい(展示車両は自転車を搭載)。天井には3段階調光のLED照明を装備。

岡モータースの「Miniature Shimauzer」。「N-VAN」の「+Style Fun」グレードをベース車としている。定員は乗員が4名、就寝が2名。

テールゲートから見た車内。就寝時は上にひとり、下は運転席のシートを倒して運転席側にだけある後列シートを展開してフラットにして利用。

乗用と軽キャンパーとモード切り替えが容易なカーショップ777製「N-Cam」

 福岡県のカーショップ777が展示した「N-VAN」ベースの軽キャンパーが「N-Cam」だ。テールゲートを開けてすぐの荷室の両サイドにはキャビネットがあり、そこからベッドマットをワンタッチで引き出せる。後席や助手席をフラットにすれば、最大奥行き205cm(助手席側)×最大幅120cmの就寝スペースにすることが可能だ。4名乗車+荷室の乗用車モードと、2名就寝の軽キャンパーモードの切り替えを手早く行えるのが特徴となっている。車両価格は、235万4200円(税別)。

街での普段使いにも、キャンプにも使いやすい「N-Cam」。105Ahのサブバッテリー、1500Wのインバーター、充電用USB、LEDルームランプなどを備える。

テールゲートから見た車内。最も手前のベッドマットを、両脇の木製キャビネットに収納できる仕組みを備えており、すぐに荷室にできる。片側だけベッドにするといったことも可能。左のキャビネットの近くに置いてある白い機器は、ホンダ製ハンディバッテリー「LiB-AID(リベイド)」。

シャワーやシンクなど装備が充実したカスタムセレクト製「ロードセレクト コンパクトN」

 今回の「N-VAN」ベースの軽キャンパー中で最も車両価格が高かったのが、カスタムセレクト(新潟県)の「ロードセレクト コンパクトN」。標準装備として後部左側のマガジンラック、スライド式ステンレス製リアテーブル、LED照明、60Ahのサブバッテリー、2段ベッド、キャビネット、ステンレス製床下収納庫を備える。展示車両はそれらに加え、外部シャワー、シンクとステンレス製10L給水タンク、ソーラー充電システム、1500Wインバーター、FFヒーター、電子レンジ、外部100V入力などのオプションも追加されている。車両価格は356万7600円(税別)だ。

カスタムセレクト「ロードセレクト コンパクトN」。「ロードセレクト コンパクト」はシリーズの軽キャンパーで、「N」の前にもスズキ「エブリイ」ベースのものなどが発売されている。

インテリアや装備が充実していた「ロードセレクト コンパクトN」。「N-VAN」ベースでここまで充実させた軽キャンパーはまだあまりない。2段ベッドを利用することで、最大4人が就寝可能だ。

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